【回答例あり】3年後・5年後・10年後の自分を聞かれたら キャリアビジョンの答え方

【回答例あり】3年後・5年後・10年後の自分を聞かれたら キャリアビジョンの答え方

2021/04/22

就活対策

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「3年後、あなたはどうなっていたいですか?」。就活の面接でキャリアビジョンやプランの質問をされたら、どう答えたらよいでしょうか。ここでは、企業側がキャリア観の質問をする意図、答える時の注意ポイントを踏まえたうえで、回答例を紹介します。

「3年後、5年後・10年後の自分」を質問する面接官の意図・理由

「3年後・5年後・10年後の自分はどうなっていると思いますか/どうなっていたいですか?」と面接官が質問する意図は、あなたのキャリアビジョンの有無を審査するためです。

キャリアビジョンの有無を審査する理由は、「仕事の目標の実現に向けて、こんなステップを踏みながら、こんな自己研鑽を積みたい」など、入社後の自分の成長イメージを持てているかを知りたいからです。

端的にまとめるとこうなります。

・企業は仕事上の目標をもって就職活動している人を採用したい。
・その目標実現に真剣ならば、いろいろと調べているはず。
・いろいろと調べていれば、実現までの過程で自分がどのようなスキルを高め、成長しなければならないかの知識を就職活動で得たはず。
・よって、仕事上の目標を真剣にもっている人ならば、この質問に具体的な回答ができるはず。曖昧な回答しかできない人は、就社意識で就職活動しているのだから不採用にしよう。

10年先の視点を就活生に求める理由

「働いたこともないのに、3年後、ましてや10年後を語るなんて無茶だ」。これが、就活を始めたばかりの大半の就活生の本音でしょう。そこで、このレベルの就活生から脱却してもらうために、企業活動について少し説明します。

多くの人が簡単に想像できる企業活動は「現在」です。たとえば、このような営業活動でしょう。

・(会社)「当社のA製品は、このような機能を持っています。ぜひ、御社で採用してください」
・(客)「この機能は新しいね。契約するよ」
・(会社)「ありがとうございます。〇〇〇万円になります」

では、このシーンの中の「A製品」にのみフォーカスします。

A製品は、いつから開発が始まったのでしょうか? 昨日、今日ではありません。「企画し、設計し、プロトタイプを作り、さまざまなテストをし、テストで見つかった不具合を修正し、またテストを繰り返し……」、このような過程を踏んで、やっと世に出せるのが製品です。

つまり、企画がスタートしたのは、何年も前なのです。この時、何年もかけて作ってみたら、

・すでに他社が製品化して販売し、シェアの大半をおさえていた。
・何年かの間に法律が変わって、もう必要とされないものになっていた。

では、開発にかけた数年間と莫大な費用がまったくの無駄に終わってしまいます。

つまり、「10年、20年先の社会の変化を見極め、同業他社に後れをとらないよう、先駆けられるように努力する」、これが最も重要な企業活動なのです。

10年先の社会を見通そうとする視点を持つことを、企業が就活生に求めることを理解いただけたと思います。たとえば、自動走行の実証実験の試みは1980年代から開始されており、この時代に自動走行実現のビジョンを持って就活した人たちが、現在までの開発を推進してきたわけです。

10年先の仕事ビジョンをイメージする方法

10年先までの自分をイメージする方法は、次の手順で進めます。

1.ニュースなどをもとに、高い確率で実現されるであろう10年先の未来を調べる。(AI、再生可能エネルギー、アンモニア、EV、水素、非接触、北極海航路、国土強靭化など、あなたが関心をもつキーワードを見つける)

2.その未来が実現されることで大きなビジネスチャンスをつかめる業界の中から、より魅力や有望さを感じる業界、および自分の強みを発揮できる志望職を決定し、就職活動を開始する。たとえば、水素エネルギー社会に魅力と大きなビジネスチャンスの到来を予感する。化学業界、営業職を志望する。(※1)

※1:研究開発や技術職での直接的な関わり方もあれば、営業等で間接的に関わる方法もある。

3.10年後のビジョンを具体化するために会社説明会に参加し、「10年後に向けた事業ビジョン」を質問する。たとえば、水素エネルギーの普及に向けての今後10年の事業戦略を質問し、その回答を参考にして、自分が10年後に実現したい仕事ビジョンを具体化してゆく。

4.志望企業のWebサイトに掲載された、志望職に就いている社員紹介記事を読む。社員との座談会にも参加する。OB・OG訪問も行う。OB・OGが志望職に就いていない場合は、志望職に就いている同僚や上司を紹介してもらう。志望職に就いている入社10年前後の社員を指定して、オンラインなどでの社員訪問をリクエストしよう。「なぜ、10年目なの?」と問われたならば、「入社10年後の自分をイメージできるようになりたいからです」と答えればよい。会社は、目的意識をもった就活生を好む。

5.入社3年目、5年目、10年目の社員は、どのような立場で、どのような規模の仕事を担当しているかを質問する。加えて、3年目、5年目の社員が、どのような課題を持って、勉強・努力をしているかを質問する。たとえば3年目の社員から、「課題は、納期直前に慌てることがないようにすることだから、月、週単位で計画を立て、日々、実績と計画の差を把握するよう心がけている」との話を聞いたならば、3年目の回答で利用する。

6.同業他社でも同様の情報を収集する。回答に必要なネタが蓄積される。

「3年後、5年後・10年後の自分をどのようにイメージしているか」に回答するための組み立てと回答例

回答例を紹介する前に、まずは回答の組み立てを解説します。

1.「10年後、自分がどのようなビジネステーマに関わっていたいか」を示す。この回答を通して、あなたが10年先を見通して就職活動していることをアピールする。

2.10年後、どのような立場で仕事をしていたいかを示す。可能ならば、面接受験企業の10年目の社員をモデルにして回答する。

3.3年目、5年目は、10年目に達するまでの学びの期間と位置づけ、修得したいスキルや能力、修得するために努力することを回答する。受験する会社の社員から得た情報と、同業他社の社員から得た情報をミックスして回答してもよい。

【回答例】 

10年後は、行政も製造業も医療もサービス業も今とは比較にならいほどデジタル化が進み、日々、新たな開発や更新が行われていると想像しています。
そのような中で、50名以上の大規模な開発チームのリーダーとして(※1)、顧客からも会社からも頼りにされる立場で働いていたいです。リーダーでありたい理由は、責任が重いほど、成功した場合には満足感を味わえるからです。
このビジョンを実現するために3年目から5年目にかけては、開発期間が半年程度のプロジェクトに所属し、設計、テスト、運用それぞれの局面で必要な知識や技術を体に叩き込みたいと考えています。比較的短い期間のプロジェクトを希望する理由は、各工程の経験を増やしたいからです。
そして5年目以降は、50名規模のチームのサブリーダーとなり、リーダーを補佐しながら、たとえば褒め方、注意の仕方、問題を抱えながらも言い出せないでいる人の見抜き方について学び、リーダーにふさわしい器を持った私に成長したいです。

※1:「10年後はリーダーでありたい」は一例です。マネジメントには興味がなく、特定のスキル・知識を磨き上げたエキスパートとなることを志向しているならば、たとえば「運用中に突発的に生じた不具合を復旧させることに特化した技術者となっていたいです」で問題ありません。キャリアの考え方は、キャリアアップ=マネジメントという一本道ではありません。

まとめ「アピール力のある回答をするための4つのポイント」

1.今、世界や日本が、10年、20年後をどう想定し、何に力を注ごうとしているかを調べる。理由は、行政も企業も、世界の潮流や国策にそって活動しているから、10年後の重要なビジネスシーンとなっている可能性が高い。中央省庁のWebサイトは貴重な情報源。

役立つ中央省庁のWebサイトの一例 

成長戦略実行計画|閣議決定・会議|成長戦略ポータルサイト (kantei.go.jp) ※このページの右下に、「モビリティ」「エネルギー・環境」「海洋・宇宙」などのキーワードが並んでいます。
https://www.kantei.go.jp/jp/si...

・2020年、水素エネルギーのいま~少しずつ見えてきた「水素社会」の姿|スペシャルコンテンツ|資源エネルギー庁 (meti.go.jp)
https://www.enecho.meti.go.jp/...

2.面接を受験する会社が、中長期事業計画で特に力を注ごうとしていることを、会社説明会や(上場企業の場合は)有価証券報告書で確認する。たとえば、「アジアの成長を取り込む戦略」といっても、A社とB社では、進出計画している国や地域が重なることもあれば、違うこともある。受験会社の計画を踏まえて回答する。

3.働いた経験がないのだから、実際に志望職に就いている人から学ぶ(話を聞く。社員紹介記事を読む)。特に、ビジネスにおける目標、その目標実現のために自己研鑽していることを学ぶ。

4.あなたの心に響いた目標や自己研鑽内容、言葉を回答に引用する。たとえば、「御社のC様の『3年目がもっと重要だ。3年目ともなれば自立的に仕事を進められるようになる。この時期に失敗を恐れず経験を増やせば、ものすごいスピードで成長できる』というお話が印象的でした。私も3年目からを特に大切にしたいと考えるようになりました」など。


監修・文/岡 茂信 (おか・しげのぶ)
現在東証1部の情報システム開発企業での採用選考経験を元にジョブ・アナリストとして独立。大学及び就職イベントでの講演、有名企業に対し採用アドバイスを実施。著書に『就職活動がまるごと分かる本』『エントリーシート完全突破塾』『自己分析 適職へ導く書き込み式ワークシート』『仕事のホントを知る!見る!考える!インターンシップ』がある。また、「岡茂信の就活の根っこ」( http://ameblo.jp/okashigenobu/)で就活の土台となる旬な情報を発信している。

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