日韓共同制作・同時放送され、実は『冬ソナ』より先に韓流ドラマやK-POPの火付け役となったドラマは?『韓国ドラマ全史 なぜ世界的ヒットを連発できるのか?』#Z世代pickブック

いと(大学生ライター)

お気に入り!

あとで読む

こんにちは! 韓国・慶煕大学で学んでいた いと(東京外国語大学 4年生)です。

日本だけでなく世界でも多くのファンがいる韓流ドラマ。学生のみなさんの中にも好きな方も多いのでは?中には親や祖父母3世代で韓国ドラマ“沼”にハマっている、なんて方もいるでしょうか…?

今回は、そんな韓国ドラマが発展を遂げた25年間の歴史や背景を読み解くことができる書籍『韓国ドラマ全史 なぜ世界的ヒットを連発できるのか?』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)第2章 危機をチャンスへ ――韓国ドラマの躍進より、一部を抜粋してお届けします。

2002FIFAワールドカップへの感謝―日韓合作『friends』

2002年といえば、私が留学生として来日したばかりの年であり、日本語がまだ不十分な中で新しい生活をスタートした時期である。大学の日本語別科に通いながら、知り合いもいない東京での生活は、決して楽しいことばかりではなかった。新大久保のコリアタウンで買い物をしたり、情報を得たりすることが日常の一部となり、慣れない環境に適応しようと試行錯誤していた。

日本語を一刻も早く上達させたいという思いから、学校の授業以外の教材として選んだのがテレビ番組だった。韓国のテレビ局で番組制作に携わっていた経験があり、日本のテレビについても多少の知識はあったが、いざ視聴してみると、2002年の日本のテレビ番組は驚くほど韓国関連の話題が多いことに気づいた。
特に印象に残っているのが歌手BoAの存在だった。韓国人アーティストが日本の音楽のトップに立ち、流暢な日本語を操り、日本のファッションや文化に自然に馴染む姿は、彼女が所属するSMエンターテインメントのグローバルな戦略の成功を如実に物語っていた。また、俳優のユン・ソナやコメディアンのチョ・ヘリョンがバラエティー番組やトーク番組に出演し、韓国の文化や情報を発信している様子も、当時の私にとってはカルチャーショックだった。
同年5月末になってから、日本のメディアで韓国関連の話題が多かった理由がはっきりと分かった。2002年、史上初めてFIFAワールドカップが日本と韓国の共同開催で行われたことで、両国が互いに協力して盛り上げようとしていたのだ。国際競技の共同開催という新しい試みを通じて、各競技が行われるたびに、日本と韓国の双方で盛り上がりが増していくのを実感した。
この初の2か国共同開催は、メディアにも新たな挑戦を促し、大きな話題を呼んだ。その象徴的な例が、サッカーワールドカップ日韓共催をきっかけに制作されたドラマ『friends』である。このドラマは、日本のTBSと韓国のMBCが共同制作し、ほぼ日韓同時放送というテレビドラマ史上初の試みだった。全4話の『friends』は、第1話と第2話を日本が制作し、第3話と第4話を韓国が手掛ける形で進められた。日本の人気女優・深田恭子と、韓国で大ヒットを記録したドラマ『秋の童話』の主人公ウォンビンが共演し、国境を越えたピュアで切ないラブストーリーを描いた。

これを機に、韓国で放映された連続ドラマが初めて日本の地上波テレビ局で放送される動きも見られた。視聴率
30%を超えるほど話題になった韓国ドラマ『イヴのすべて』が、2002年10月にテレビ朝日で編成され、放送直前には出演俳優が来日してプロモーション活動を行い、大きな注目を集めた。このドラマは、韓国のテレビ局を舞台に、看板キャスターの座を争う二人の女性アナウンサーと、それを取り巻く人間模様を描いたストーリーで、日本でも十分受け入れられる内容だった。
しかし、視聴者からの反響は期待に反して冷ややかだった。その主な原因として、オリジナル版が20話構成であるのに対し、日本の編成枠に合わせて10話に圧縮されたことで、ストーリーに辻褄が合わない部分が多く生じたことが挙げられる。また、主題歌やBGMが差し替えられたことも、ドラマの雰囲気を損なったとの指摘があった。韓流の火付け役として知られる『冬のソナタ』よりも1年早く注目された点は評価できるものの、無理な編集が作品の魅力を損ねた結果となった。
初めての試みから得られた成功や課題を通じて、2002年はサッカーワールドカップの日韓共催をきっかけに、日本と韓国のメディアが中心となり、互いの文化を知り合い、協業を通じて情緒的な交流を育む年となった。このような取り組みは大いに評価されるべきであり、まさに韓流ブームの先駆けだったといえるだろう。その流れを受けて翌年には『冬のソナタ』が日本で放送され、韓流の本格的な幕開けとなったのである。

Z世代ブックピッカーのレビューコメント

『friends』は見たことがなかったのですが、2024年に放送された『Eye Love You』が話題になっていたので、気になってるドラマのひとつでした。今でこそ日本の地上波でも、韓国のコンテンツを見る機会はたくさんありますが、2002年の時点ではとても新鮮なことだっただろうと思います。最近は『愛のあとにくるもの』も話題でしたよね。実際に韓国人の友達の中でも、坂口健太郎さんの人気がすごいので、ドラマ効果を感じています。

『韓国ドラマ全史 なぜ世界的ヒットを連発できるのか?』

「冬のソナタ」から「イカゲーム」まで25年間の挑戦と試行錯誤の軌跡!

韓国のコンテンツ発展の大きな転換点となったのは、1997年の通貨危機とIMF救済であったことはご存知でしょうか?
この時期、韓国ドラマは従来の華やかなトレンディドラマから、家族愛や絆を描くIMF型ドラマへと変化。これが後の「韓国ドラマらしさ」を形成する要因となったと言います。
近年では、Netflixなどのグローバルプラットフォームの台頭により、制作会社の立場が強化。従来の放送局主導の制作から、制作会社が企画・開発から権利管理まで一貫して手掛ける「スタジオシステム」への移行が進んでいる。また、若手クリエイターの育成や共同執筆システムの導入など、新たな試みも活発化しているそう。
韓国コンテンツの成功に日本のコンテンツビジネスは何を学ぶべきか?を読み解ける一冊です。


著者:黄仙惠
定価:1,650円(税込) 発行日:2025年3月21日
詳細ページ:https://d21.co.jp/book/detail/978-4-7993-3132-3

『韓国ドラマ全史 なぜ世界的ヒットを連発できるのか?』の他ページも読む

この書籍をプレゼント!詳しくはこちら

"韓国語を学ぶ”のではなく、“韓国語で学ぶ” 留学ってどんな感じ?慶煕大学での学生生活をのぞき見!

語学が苦手でも、日韓関係を前進させるために!高麗大学への留学を決めた想い、大変だと思うところは?

いと(大学生ライター)

いと(大学生ライター)

映画を見ることや旅行に行くことが好き。最近はソウル市内の小さな映画館を訪問することにはまっています。

記事一覧へ

関連記事

「大学生活」カテゴリの別のテーマの記事を見る

おすすめの記事

合わせて読みたい

編集部ピックアップ

学生の窓口会員になってきっかけを探そう!

  • 会員限定の
    コンテンツやイベント

  • 会員限定の
    セミナー開催

  • QUOカードPayが
    貯まる

  • 抽選で豪華賞品が
    当たる

一歩を踏み出せば世界が変わる無料会員登録

この記事に関連するタグ

あなたのきっかけを探そう

気になる #キーワード をタッチ

テーマから探そう

あなたへのきっかけが詰まった、6つのトビラ

会員登録でマイナビ学生の窓口をもっと楽しく!

閉じる
マイナビ学生の窓口に会員登録(無料)すると、
お気に入り機能などを利用してもっと便利にご活用いただけます!
  • 抽選で豪華賞品が
    当たる

  • 会員限定の
    学割でお買い物

  • 会員限定の
    セミナー開催