【連載/実写マンガ風】「かっこいい大人(ひと)」に会いたい (第1回) #マネーフォワードCEO辻庸介さん

学生の窓口編集部

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VUCA時代の今、本当の「かっこいい生き方」って、なんだろう?

先の見えないコロナ禍に学生生活を過ごしている学生たちにとって、「将来何をしたらいいかわからない」「何かしたいけど何をしていいかわからない」と漠然とした悩みを抱く人は少なくないはず。

 でもせっかくなら、できるだけ楽しく、かっこよく生きていきたいというのが本音のところ。

この連載では、元フェイスブックジャパン代表で、現在はMOON-Xを手掛ける長谷川晋さんが、毎回、自身がかっこいいと思う大人をゲストに迎えて、

「あこがれの大人」の思うかっこいい生き方とは? をひも解いていきたいと思います。

初回のゲストは、マネーフォワードの創業者でCEOの辻庸介さん。キャリアのスタートはソニーで出向先のマネックス証券を飛び出し、数々の失敗を糧にスタートアップを成功させた、言わずと知れたすごい人。

ここでは、一人の大人として「かっこいい」の形について、本音で語ってもらいました。

【今回のゲスト】

PROFILE

辻庸介(つじようすけ)

マネーフォワードCEO。1976年大阪府生まれ。2001年に京都大学農学部を卒業後、ソニーに入社。04年にマネックス証券に参画。11年ペンシルバニア大学ウォートン校MBA修了。12年にマネーフォワードを設立。18年2月 「第4回日本ベンチャー大賞」にて審査委員会特別賞受賞。新経済連盟幹事、経済同友会幹事、シリコンバレー・ジャパン・プラットフォーム エグゼクティブ・コミッティー


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辻さんが思う「カッコイイ大人」とは?

辻 :マネーフォワードは「社会をフォワードしたい」という思いで作った会社で、「お金を前に、人生を前に」をミッションに掲げています。だから、やっぱり社会の課題解決にチャレンジしている人、時代をアップデートするために社会貢献しようとしている人はみんなかっこいいと思いますね。

長谷川: 僕の思う「かっこいい生き方」は「究極の自己満」で、最期の日に、孫に「じいちゃんの生き方、かっこいいやろ?」と自慢できるような人生を送ることをテーマにしています。でも、本当にパッションのあることに打ち込んでいれば、自然といろんな人に貢献できるとも思っています。辻さんが社会貢献をしたいと思うようになったのは起業してからですか?

辻 : 会社員として仕事をしながら、「こういうところがおかしいよな」「こういうサービスあったらいいよな」って思うようになっていった感じですね。でも、学生時代は何も考えず、社会と隔絶した生き方をしていて、当時はコンサルタント業界の存在すら知りませんでした(笑)

長谷川 : 辻さんが思う「かっこいい大人(ひと)の条件」は?

辻 : 強くて優しい人が素敵だと思います。ただ強いだけでなく、優しさもある人。後は、しなやかな人かな。年上でも年下でも、バッググラウンドが違う人とでもあっという間に仲良くなれるような。

長谷川 : 具体名を挙げると?

辻 : ヤフーの川邊健太郎さん、小澤隆生さんなんかはかっこいいし、人生楽しそうだなって思いますね。川邊さんなんてZホールディングスを経営しながら漁師と猟師もやっているんですよね(笑)。

長谷川 : めちゃめちゃ人生楽しんでますね(笑)。

辻 : あとは弁護士の菊間千乃さんもしなやかで素敵だと思います。BEENEXTの佐藤輝英さんはグローバルに活躍していて、インドや東南アジアの起業家からも尊敬されている投資家ですが、極めて優秀で強いと思います。それでいて、優しくて包み込む人間力もある。やっぱりこういう人たちはみんな、“謙虚”ですよね。たぶん自信があるからこそ強がる必要もないんですよ。

長谷川 : やっぱり強い人って、結局他人にも優しいんですよね。

辻 : あと、イーロン・マスクもすごいですよね。電気自動車のマーケットを作って、宇宙事業もやって、もはやスタートアップというより、新しい領域を生み出し続けていますから。一度成功してもそこで満足するのではなく、アンラーニングしてまた新しいことをゼロから始める。これは本当にすごいことですよ。

長谷川 : 僕はギタリストのMIYAVIさんがすごく好きです。めちゃくちゃカッコイイし、強い信念を持っているんですよ。グローバルに活躍していて、難民支援などもしている。常にポジティブで、めちゃめちゃエネルギーレベルが高い。雑誌の対談でお会いしましたが、横に並ぶのがイヤになるくらいカッコよかったです(笑)

辻 : はっはっは(笑)

前進するための原動力は何ですか?

長谷川 : 辻さんの著書『失敗を語ろう。』を読ませていただきました。いろいろと大変なことにも見舞われていますが、それでもヘコたれず、前に進む。何をセルフエンジンとしているんですか?

辻 : う〜ん。結局、自分のやりたいことをやっているだけなんですけどね(笑)。ユーザーに喜んでもらえるのが一番のモチベーションかもしれません。マネーフォワードが世の中の役に立っていることが嬉しいんです。でも、恐怖心はありますよ。毎日「いつ会社が潰れるんだろう」と思ってます(笑)。

長谷川 : それ、死ぬほど共感できます(笑)。僕は起業して3年なので、多分まだ辻さんの数年前のフェーズにいるんですよ。でも、何度か本当のどん底も味わいました。本当に甘くない世界だなって日々感じています。

辻 : イヤになりますよね(笑)。だからこそ楽しいんですけど。会社員時代とはまた違う大変さがありますよね。でも、愚直にサービスを作ってユーザーの皆さんからお金をもらうという意味では、やっていることは会社員時代とあまり変わらないのかなっていう気もします。

長谷川 : 僕もマネーフォワードは会社でめっちゃ使っていますよ。めちゃくちゃ助かっています。本当に、マネーフォワードがないと成り立たないくらい。

辻 : じゃあ、10倍の値段払ってもらっていいですか?(笑)

長谷川 : なんでなんすか⁉(笑)

辻 : 長谷川さんのセルフエンジンは?

長谷川 : 僕もユーザーの声というのはもちろんあるんですけど、やっぱり自分の立てた人生プランの階段を一歩ずつ上ることがモチベーションになっています。信頼できる仲間を集めて、みんなと一緒に勝負に出て、みんなで勝つ。これがセルフエンジンですね。

辻 : いいですね。モチベーションは人それぞれに違いますからね。やりたいことはみんな違って当たり前。学生の皆さんも、自分のやりたいことが見つかるまでいろんなことにチャレンジしてみるといいと思いますよ。トム・クルーズも『トップガン2』で言っていました。「don't think just do it!」。

実践している“マイルール”はありますか?

辻 : 僕は大学で一浪、一留していて、成績も良くないし、授業もよくサボっていました。それでもなんとか頑張らないといけないので、そこで決めたのは「自分が一番伸びそうなところに身を置く」ということ。あとは、「迷った場合はキツイ方を選ぶ」っていうことですね。

長谷川 : 僕はマイルールというより、習慣に近いかもしれない。朝5時〜5時半に起きて、白湯を飲んで、30秒くらい瞑想して、仕事に行く。テンションを上げるために、会社のビルにはちゃんと正面から入ったり、通勤中は漫画を読んだり……。『キングダム』とかを読むと、「よし、中華統一だ!」みたいなテンションで仕事に取りかかれるので(笑)

辻 : それはいいですね(笑)

長谷川 : あとは運動。趣味でキックボクシングをやっていますが、運動すると頭がリフレッシュされるんですよ。そうやって、なるべく自分のテンションが下がるようなことが起こらないようにしていますね。

辻 : エネルギーレベルを下げないのは大事ですね。僕はエネルギーレベルを維持するために、付き合う人を選ぶというより、付き合わない人を選ぶようにしています。居酒屋とかで会社の愚痴を言っているような人ではなく、ワクワクする人と一緒に時間を過ごしたいですね。

「座右の銘」は何ですか?

辻 : 僕は明石家さんまさんが言われる「生きてるだけで丸儲け」っていう言葉が好きです。

長谷川 : それはどうして?

辻 : ひとりで悩んでいてもつまらないし、短い人生だから楽しく生きたほうがいいなって。さんまさんって、ずっと明るいじゃないですか。あんな明るい人はいないし、みんなに話を振るでしょ。きっと、優しい人だと思うんです。ああいう素敵な人になれたらいいなって思いますね。長谷川さんの座右の銘は?

長谷川 : 最近のお気に入りは「士魂商才」ですね。オーディブルで聴いた、渋沢栄一さんの『論語と算盤』に影響を受けました。

辻 : 教養が高いなぁ!

長谷川 : いやいや(笑)。士魂商才っていうのは、「商売上手だけど魂は武士である」っていう造語らしいんです。僕もそうなりたいと思っていたんですけど、なかなかいい言葉が見つからなくて。でも、この言葉はしっくりきました。

どんな人と一緒に働きたいですか?

辻 : 個人としていくら優秀でも、大きな仕事はチームでなければできません。だから、考え方の違う人にもリスペクトの気持ちを持てるかどうかは大事ですね。あとは会社のミッションに共感しているか。

長谷川 : なるほど。

辻 : あとはチャレンジの最中に挫けない心も大切。チャレンジ中の失敗は、失敗ではなくラーニングです。失敗するほど進化するし、失敗しないと成長しません。失敗できるのが若者の特権ですから、学生の皆さんにもどんどん失敗してほしいですね。

長谷川 : 著書のなかでも書かれていましたね。もっと詳しく知りたい人は、ぜひ辻さんの『失敗を語ろう。』を読んでください、ということで(笑)。

辻 : はい、読んでください(笑)

長谷川 : ということで、辻さん、今日はありがとうございました! 失敗してもなんとかなるんや、って考えることが大事。失敗を恐れずにチャレンジしようという気持ちがますます深まりました。

辻 : 僕たちもかっこよくというより、一生懸命生きているので、学生の皆さんも一緒に頑張りましょう! これからの社会をアップデートしていくのは、みなさんの価値観です。僕は仕事は楽しいものだと思っているし、どんなものでも見方一つで楽しむことができると思っています。今日はありがとうございました!

連載のホスト

PROFILE

長谷川晋

2歳から9歳までアメリカ、シアトルで育つ。京都大学経済学部卒、体育会ハンドボール部主将。2000年に東京海上火災入社、法人営業担当。P&Gで10年間、Pampers・Gillette・Braun・SK-IIなどのマーケティングおよびマネジメントを統括。その後、楽天の上級執行役員としてグローバル17ヵ国および国内グループ全体のマーケティングを管掌。2015年Facebook Japanの代表取締役に就任、在任中にInstagramはMAU810万から3,300万に。2019年8月にMOON-X Inc.を創業。Twitterでは次世代ビジネスリーダー向けに幅広いビジネス経験に基づいた情報を発信中。
https://twitter.com/shinhasegawa8

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