スポーツの力で社会に貢献する。ミズノの製品づくりの魅力とは? #ミズノ株式会社【お仕事図鑑】

編集部:ゆう

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鈴木彩子さん(左)
ミズノ株式会社グローバルフットウエアプロダクト本部 企画・開発・デザイン部
パフォーマンスランニング企画課 ランニングシューズ企画担当


横山大さん(右)
ミズノ株式会社ワークビジネス事業部 企画マーケティング課
ワーキングシューズ企画担当

『ミズノ』は、日本が世界に誇るスポーツブランドです。「愛用している」という大学生も多いのではないでしょうか。

今回は、多くの人に愛されるミズノの「靴」を生み出す仕事に迫ります。お話を伺ったのは、『ミズノ株式会社』で商品企画を担当する、鈴木彩子さんと横山大さんです。

ユーザーが求める新しいシューズを考える

――まずお二人がどのような仕事をしているのかを教えてください。

鈴木さん 私はランニングシューズの商品企画です。スポーツシューズの中でも、グローバルに展開しているモデルが私の担当です。ヨーロッパやアメリカ、アジア、オセアニアなど、各地域の担当者にヒアリングして、海外で通用する新しい商品の企画を考えています。

横山さん 私はスポーツブランドで培った技術を用いたワーキングシューズの企画を担当しています。例えば、つま先に重い物を落とした時でも守ってくれるような頑丈な作業靴のほか、キャビンアテンダントが仕事中に履くパンプスなどです。こうした働く人の靴に、クッション性や軽量性といった弊社のスポ―ツノウハウを落とし込み、新しい商品を作ります。

――「どんな商品にするかを考える」のが仕事なのですね。

横山さん そうですね。どんな商品が必要かを市場から抽出し、デザイナーにデザインを依頼したり、資材調達部に靴の材料を選定してもらったりしながら、製品化まで進めていくのが大きな業務フローとなります。

鈴木さん 考えるだけなく、ひとつのプロジェクトのリーダーとなり、ランニングシューズができあがるまでの「マネージメント」も重要な業務です。また、実際に靴が完成した後に、どのくらいの価格で売るのか、どこで売るのか、どのようにプロモーションするのかを考えるのも私たちの仕事です。

ミズノという看板を背負うプレッシャー

――この仕事の面白さ、やりがいに感じる点を教えてください。

鈴木さん 実際に私たちが手掛けた靴を履いて、ランニングなどスポーツを楽しんでくれている姿を見るとうれしいですね。頑張ってよかったと思います。ミズノは「より良いスポーツ品とスポーツの振興を通じて社会に貢献する」という企業理念を掲げています。まさにこのとおりで、私たちの仕事が、皆さんの生活全体を良いものにする手助けができているのかなと感じています。

横山さん 自分がゼロから考えた商品が、多くの日本人なら誰もが知っているミズノという看板を背負って世の中に出るということはすごく誇らしいです。看板の重さを痛感することもありますが、ユーザーから高い評価を得られた際はものすごく面白いですし、やりがいを感じますね。

――難しいと感じる点はありますか?

鈴木さん ミズノは競技用としては多くの方に愛されていますが、生活に近いところのカテゴリーはまだこれから。特に日常に近いマーケットは強力なライバルブランドが多く存在します。ライバルの牙城を崩せるような商品や、プロモーションを生み出すのは簡単ではないですね。

横山さん 消費者マインドにがっつりと刺さる商品を考えるのは難しいです。ちょっとした期間、外部環境でどんどん変わりますから。だからこそ、ビタッとはまる商品ができたときはすごく面白いです。

鈴木さん お客さまからのフィードバックをどのように商品に反映させるのか、を考えるのはすごく楽しいです。例えば、靴を柔らかくしたい場合、実際に靴のパーツを切ったり、削ったりといろんなことを試します。こうした試行錯誤を繰り返し、理想の商品に近付けていく作業は面白いですね。

――これまで一番印象に残った仕事を教えてください。

鈴木さん 私は『WAVE RIDER(ウエーブ ライダー)』という、ミズノのランニングシューズの中で最も販売足数が多く、知名度・人気の高い商品を担当しています。人気のある商品だからこそ、新商品に求められる要素が多く、そのハードルも非常に高いため、初めて担当した際は大いに悩みました。それでも、苦労しただけあって良い商品にすることができ、スポーツ雑誌で賞を取ることができました。非常に難しい仕事ではありましたが、自分が考えた靴が表彰されるとは思っていなかったので記憶に残っています。

横山さん 私は2021年に行った、自動車メーカー『マツダ』との異業種連携です。ミズノが持つスポーツシューズの技術・知見と、マツダの知見を組み合わせ、運転する人にフォーカスしたドライビングシューズを共同製作しました。お互い妥協することなくぶつかり合い、最終的に両社のプライドが見事に調和した素晴らしい製品が誕生しました。モノづくりの真髄を体感した貴重な経験でした。

信頼を築くことが良いモノづくりにつながる

――長く愛される商品を生み出すために、心掛けていることはありますか?

鈴木さん 「ユーザーに響くポイントを精査すること」「商品力の向上」「市場全体の変化を感じ取りながら商品を考えること」の3つですね。やはりお客さまがわくわくしてくれる商品にできるのかが大事なので、各国の担当に細かくヒアリングしながら、響くポイントを探っています。また、市場を見る際は、その時点で見えている情報だけでなく、これから先にどう変わるのかも考えながら商品を作ることも、良い商品作りには欠かせません。

横山さん 私も鈴木と同じで、やはり「どうすればお客さまにファンになってもらえるか」を考えることが何より大事かなと思います。加えて、私の場合は「働く人が求める靴」なので、現場に足を運び、現場の声に耳を傾けることを重視しています。

ユーザーからの声でも、高く評価してくれる「良い意見」よりも、「悪い意見」の方に改善のヒントが隠されています。自分にとって耳が痛い話であってもしっかりと受け止め、改善につなげていく。これは私たちだけでなく、ミズノの社員全員が意識していることです。ミズノの商品が長く愛される秘訣はここにあるのではないかと私は思っています。

――他に仕事をする上でのこだわりがあれば教えてください。

鈴木さん 何事も信頼が大事です。特に私たちのように、多くの人の協力を得て何かを作る仕事は信頼なしでは成り立ちません。鈴木に任せれば安心、鈴木にお願いしたいと思ってもらうためにも、常に「任された仕事には必ずベストを尽くす」ことを心掛けています。

後は「最後まで妥協しないこと」です。私自身ランナーということもあり、試作中の靴は実際に履いて試しています。特にスポーツシューズの良さや改善点は、ただ履くだけでなく、実際に使い込んでみないと分かりません。スケジュールギリギリまでとことん使い込んで、最後まで改善点がないか探っています。

横山さん 私も鈴木と同じで「信頼を得ること」を大事にしています。企画業務は一人では何もできません。デザイナーや設計、販売してくれる店舗など、多くの人と円滑に物事を進めるためにも、お互いに信頼し、理解しないといけません。そのためには、相手を否定することなく物事を進めるといった意識も必要だと思います。

また、加えて高い熱量を持つことも、先頭に立って指揮する人間に必要です。熱量がないとサポートしてくれる人も不安になりますからね。もちろん、熱量ばかりを意識していては視野が狭くなり、間違った方向に進んでいても気付かないこともあります。高い熱量は持ちつつ、定量的、客観的に数字を見て判断できる冷静さも求められる仕事です。

――プライベートの中で仕事に生かされていると思うことはありますか?

鈴木さん 運動が好きなので、ランニング以外にも登山などプライベートでも体を動かしていることが多いですね。その中で感じたことを新しい製品に生かしたり、仲間から得た感想を参考にしたりと、私生活の中で得るものが仕事に生きています。

横山さん 私も体が資本だと思っているので、普段から運動を心掛けていますね。また、新しいコミュニケーションの発見を意識しています。知らない場所、知らない人とのコミュニケーションにこそ新しい発見があるので、今までのつながりは大事にしつつ、いろんな人に接するようにしています。

時には難しい決断を下すことも必要

――企画という業務で求められるスキルがあれば教えてください。

鈴木さん 靴を作る仕事なので、靴についての知識は必要です。また、自分がリーダーとなり、多くの人と取りまとめてひとつの商品を作る仕事ですから、「コミュニケーション能力」やチームをゴールに導く「マネージメント能力」は必須だと思います。

横山さん そうですね。「コミュニケーション能力」と「マネージメント能力」は欠かせないと思います。あとは「決断・判断する力」です。担当している商品は、企画から販売まで1年など長期間を要します。時には開発中にトレンドが大きく変わることも少なくありません。スケジュールがある程度進んでいたとしても方向転換しないといけませんから、冷静に判断する力は必要です。

――お二人が思う「ミズノらしさ」とは?

鈴木さん ミズノは面白い人が多い、人がいい会社です。真面目で愚直で真っすぐだけど、相手の考えも受け入れてくれる懐の広さもあります。ミズノは「フェアプレー」「フレンドシップ」「ファイティング・スピリット」という「3つのF」を大事にしていますが、この精神が社員や企業姿勢に表われていると感じますね。

横山さん とにかくスポーツが好きで、大好きなスポーツの魅力をより多くの人に広めたいと思っている人が多い企業です。みんなで協力してひとつの物を作りあげる仕事がしたいという人に向いている企業だと思います。

――今後の展望を教えてください。

鈴木さん 残念ながら、海外ではミズノというブランドは日本ほど知られていません。今後は、ミズノというブランドをよりグローバルに、より多くの人に知ってもらえるようにしたいです。商品だけでなく、先ほどお話ししたような、ミズノという会社の魅力もうまく伝えていければうれしいですね。

横山さん 私が担当しているワークシューズ事業は開始してから6年。市場シェアなど伸びしろは大きいが、ワーキングシューズ業界としては後発です。スポーツ分野のように、ワーキングシューズでもミズノがナンバーワンだねと言われるほど大きく成長させたいと思います。

スポーツの力で社会に価値を提供できる会社

――お二人の学生時代を教えてください。

鈴木さん 国際機関で途上国の支援がしたかったので、学生時代は国際政治経済を学んでいました。同時にテニスサークルの活動も頑張った学生時代でしたね。英語を学ぶ機会が多かったので、そこで学んだ語学の知識は、グローバル担当の今の仕事でも生かせています。また、テニスサークルも、スポーツという軸で現在の仕事につながっています。

横山さん 私はプロサッカー選手を目指していたので、大学時代はひたすらにサッカーをする毎日でした。仲間との協調性、コミュニケーション力、ストイックな日々を過ごす中で得た「継続する力」は、社会人になった今でも生かせているのではないでしょうか。

――「これは就活前にやっておいたほうがいい」ということはありますか?

鈴木さん 自分は何が得意で何がしたいかは、社会人になっても問われることです。しかし、いざ社会に出ると冷静に自分を見つめ直す時間がなかなか得られません。学生のうちに、自分自身を見つめ直し、理解する時間を設けたり、いろんなことに挑戦し、自分は何が好きなのかを判断してほしいですね。

横山さん 時間が取れる学生のうちに多くの経験を積み重ねてもらいたいと思います。今はコロナ禍で難しいと思いますが、特に外国の文化に触れてもらいたいです。私自身、外国の文化に触れ、「自分の考えや認識していることはまだまだ小さい」と痛感しました。異文化に触れることで、知的好奇心も刺激されますし、物事を考えるスケールも大きくなるはずです

――ちなみに、お二人はなぜ『ミズノ』を選んだのでしょうか?

横山さん 私はサッカーをしているときに愛用していたブランドがミズノでした。自分が社会人になったら、お世話になったブランドに何か貢献したいと思い、ミズノを選びました。

鈴木さん 大学時代から「グローバルな仕事がしたい」と思っていたからです。また、大学でテニスを頑張っていたこともあり、ミズノという日本を代表する企業で、スポーツを通じたグローバルな施策や提案ができればと考えて選びました。今は希望していた仕事ができているので、毎日楽しく充実しています。

――最後に学生へのメッセージをお願いします。

鈴木さん 就活だけでなく、社会人生活を送る上でも自分がしたいことは何か、自分は何が得意なのかを理解することが重要です。その足掛かりとして、学生のうちからいろんなところに行く、いろんな本を読むなど、さまざまなことに挑戦してください。

横山さん スポーツは言語問わず、世の中を明るくする最高のコンテンツです。ミズノはそのスポーツを支える素晴らしい技術を持っており、スポーツの力で社会に価値を提供できる会社です。「ミズノで働きたい!」という人がいれば、素敵な仲間と待っていますので、一緒に仕事をしましょう。

 ――ありがとうございました! 

※記事内容及び社員の所属は取材当時のものです。

編集後記

鈴木さんは世界に通用するランニングシューズ、横山さんはミズノがスポーツで培ったノウハウを基に、新しいワーキングシューズを生み出す仕事を担当しています。

ユーザーや現場の声を的確にくみ取り、トレンドの変化も予測しながら新商品を生み出すという難しい仕事です。それだけにやりがいも大きいようです。

横山さんがお話しされたように、スポーツシューズを通して世の中に新しい価値を提供したいという人は、ミズノの商品企画の仕事を目指してみてはいかがですか?

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文:高橋モータース@dcp

編集:学生の窓口編集部

取材協力:ミズノ株式会社

https://corp.mizuno.com/jp

編集部:ゆう

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学生に「一歩踏み出す勇気」を持っていただけるような記事を届けたいです。

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