工場に来てみて、初めて知った 現場ならではの「モノづくり」の面白さ【ネスレ日本】
プロフィール:尾崎理乃(おざきりの)
DATA
趣味:旅行、ドライブ、体を動かすこと、舞台鑑賞
特技:クラリネット演奏
就活で受けた企業:30社
志望していた業界:金融、IT
今の会社の魅力:社員を尊重しているところ。グローバルのネットワークがあること。
「将来の“なりたい自分”がまだわからない」ーーそんな悩みを抱えるみなさんに、いろんな企業で活躍する先輩たちの姿を通してロールモデルを見つけてもらう企画「#お仕事図鑑」。
今回はスイスに本社を置く世界最大の食品・飲料会社ネスレの日本法人「ネスレ日本」で働く先輩社会人にインタビュー。今回は生産本部に所属し、静岡の島田工場で原価管理の任務にあたる尾崎理乃さんに、日々の仕事内容や学生時代に取り組んだことについてお話を伺いました!
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――尾崎さんはどんな学生時代を過ごされていたんですか?
中高は吹奏楽部に所属し、クラリネットを演奏していました。最初は楽譜も読めない状態からのスタートでした。一日一日少しでも上達できるよう練習を重ね、高校では、目標であった全国大会で金賞も受賞できました。
――それはすごい! 大学でも吹奏楽を?
大学にある吹奏楽団の演奏会に参加させて頂いたり、演奏する機会はありましたが、部活には入りませんでした。進路を考えた時、部活一筋で取り組んできた分、吹奏楽以外の部分で犠牲になっていたことも多かったなと感じたからです。
なので視野を広げるためにも、大学では部活に入らず、様々なことに挑戦しました。コーヒービジネスの研修でラオスに行ったり、簿記の勉強をしたり、長期インターンシップに参加するなど、遊びつつ様々なことに取り組みました。
――学生時代、一番頑張ったことは何でしょう?
大学時代であれば、コーヒービジネスの研修だと思います。大学3年生の頃、ネスレに興味を持ち始めてからコーヒーにも興味を持つようになりました。「ラオスのコーヒーを日本に広めるためには」ということをテーマに、チームでアイディアを考案しました。
コーヒービジネスの研修でラオスに一週間滞在した尾崎さん。日本ではあまり出回っていないが、ラオスのアラビカ種の豆から挽くコーヒーは絶品だとか。
――では、ネスレに興味を持ったキッカケは?
企業説明会で「面白そうな会社だな」と思ったんです。ただ製品を売るだけでなく、戦略を練り、サービスで付加価値を生み出しているのが面白いと思いました。長期的な視点で投資していることにも将来性を感じました。ネスレのインターンシップでは、丁寧に対応くださる社員の方々ばかりで、「この会社が好きだ」と言っている社員の方々も多く、魅力的でした。
――今の仕事で役立っている、学生時代の経験はありますか?
まず、簿記の資格の勉強です。大学時代は、授業とは別に簿記の講座を受けて勉強していました。仕事内容を理解する上で役立っています。
もうひとつは、アミューズメント会社での長期インターンで、プレゼンテーション力を改善したことです。合同企業説明会をチームで考案し、社長や社員の前でプレゼンを競い合うという内容でした。社員の方やインターン参加者のプレゼンに刺激を受けて、「どうやったら聞き手の心を動かせるのか」を必死に考えました。
その結果、ゼミ内で卒論のプレゼンを行ったときには、その変わりように先生たちも驚いたくらい、説明力を以前より向上させることができました。
――それは大いに役に立っているでしょうね。
それと、吹奏楽部での経験も役立っています。中学の時に朝から晩まで休みなく練習しても達成できなかった、全国大会で金賞を取るという目標の一つを達成するため、高校は吹奏楽の推薦で進むことに決めました。
とはいうものの、毎日精一杯練習に励んでも、最初は大会にも出られず悔しい思いをしました。ですが、あきらめず「成長するチャンス」と思い、練習を続けた結果、目標を達成することができました。 「最初は不器用で上手く出来ない。でも、諦めずに目的や目標に対して取り組み続ける」という自身の弱みと強みを知ることができたと思います。
実は今年3月に神戸から静岡に転勤して、また新たなスタートを切りました。同じファイナンス関連の仕事ではありますが、担当している内容や使用しているシステムはかなり異なります。
まだまだ勉強中で、分からないことと向き合う日々ですが、部活の経験を通して、強みと弱みを理解できたことは、前向きな気持ちにさせてくれる助けとなっています。
――尾崎さんから見て、就活前にやっておいたほうがいいことなどはありますか?
就活までまだ時間がある方は、少しでも興味を持ったことに挑戦することだと思います。また、挑戦する際には予め、目標を決めて取り組むと良いと思います。経験から学ぶことは多くありますし、目標を達成してもしなくても、自分の強みと弱み、気づかなかった側面を知ることにつながると思います。
後、就活が本格化した時は、学業との調整が難しかったので、単位は余裕をもって取っておくことをお勧めします。 就活間近の方は、世代問わず社会人の方と話す機会を持つと良いと思います。視野を広げることができますし、社会人の生活や仕事について、より具体的にイメージすることができるからです。
社会人編工場の原価管理って、どんな仕事なの?
――現職の基本的な業務内容を教えてください。
静岡の島田工場で原価管理の仕事をしています。
(1)製品にかかるコストを予測・管理する
(2)コスト改善案を提案して、関係者と共に進捗確認をする
(3)マーケティング部門や製造の担当者が意思決定の際に必要とするデータを提供する
等の業務を行っています。
――あまり知られていない現在の仕事があれば教えてください。
工場勤務なので、安全面には十分に注意する必要があります。製造現場には機械もたくさんありますし、車の出入りも多いので、どうすれば事故なく安全に仕事ができるかを考えることは大切です。原価管理と直接関わらない仕事ですが、安全対策における記録や環境改善案をレポートすることも行っています。
――仕事のやりがいはどういうところに感じますか?
工場が安全・高品質な製品を“効率的”に製造できるよう、原価管理の目線でサポートできることです。これが消費者の方に“高いValue”を届けることにつながると考えています。 それと工場では、ものづくりの現場を体験できるということも大きいです。転勤前、神戸本社にいたときには知らなかったこともたくさん知ることができています。
――逆に、今の仕事の難しいところはどこでしょう?
専門知識が必要なので、日々勉強しなければならないことです。製造現場のことも知らないと原価に関するアドバイスもできませんから、製造ラインの現場に行ったり、資料を確認したり、細やかな努力が必要と感じます。特にファイナンスは、グローバルで共通のルールが定められているので、そのルールに沿って的確なアドバイスができているかどうかも重要で難しく思います。
――現在の仕事で求められるスキルは?
一つ目は英語です。海外で働くネスレ社員とのコンタクトが多い部署なので、英語力は必要です。 二つ目は、「常に問いかけを持ち続ける力」です。「この数字はなんでこんなふうになっているんだろう?」と思ったことに対しては、自分なりの仮説を立ててから、製造現場の方に聞いたりしています。そこで得た知識を基に数字を検証するというサイクルを作ることが、現在の仕事において大切だと思います。
学生さんであれば、新聞やニュースを見て「このニュースにはどういう背景があるんだろう」と考える癖をつけておくと、社会人になってからも活きてくると思います。
※記事内容及び社員の所属は取材当時のものです。
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編集:学生の窓口編集部
取材協力:ネスレ日本株式会社