ネスレの全国物流を支える思考力は学生時代の色々な経験から! 【ネスレ日本】
プロフィール:田村知史(たむらとしふみ)
大学を卒業後、2020年にネスレ日本株式会社に入社。 サプライ・チェーン・マネジメント本部 輸出入部へ配属され、「ネスカフェドルチェ グスト」、「ネスカフェ バリスタ」のコーヒーメーカー及びスターバックス「ネスプレッソ」専用カプセルの需要計画を担当。 2021年からはデマンドアンドサプライプランニング部へ異動、上記に加え「ネスカフェ ドルチェ グスト」専用カプセルの需要計画を担当。 製品の安定供給へ向け全体最適となるよう社内調整に取り組んでいる。
「将来の“なりたい自分”がまだわからない」ーーそんな悩みを抱えるみなさんに、いろんな企業で活躍する先輩たちの姿を通してロールモデルを見つけてもらう企画「#お仕事図鑑」。
今回はスイスに本社を置く世界最大の食品・飲料会社ネスレの日本法人「ネスレ日本」で働く先輩社会人にインタビュー。今回はデマンドプランナーとして働く田村知史さんに、日々の仕事内容や学生時代に取り組んだことについてお話を伺いました!
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――田村さんはどんな学生時代を過ごしていたんですか?
高校では吹奏楽部でトロンボーンを担当し、毎年全国大会に出てトップを目指していました。大学では数学を極めたいなと思っていたので、数学科でひたすら勉強しましたね。アルバイトにも力を入れていて、カフェチェーンのオープニングから参加し、最終的にはバイトリーダーとして、店舗の売上を大きく成長させることができました。
――学生時代に特に頑張ったことは何でしょう?
根が負けず嫌いなので、高校の部活は本当に頑張りました。最初は部内でも一番下手だったのですが、とにかく努力して、メンバー争いでも、いかに自分を認めてもらえるか考えながら、現状に満足せず、常に行動していたと思います。
――仕事で役立っていると思える学生時代の経験は?
カフェのアルバイトも役に立っています。何もわからない状態からのスタートでしたが、お客様のために何ができるかを考えながら工夫しました。
土地柄利用客はかなり多かったのですが、その分、最初はレジでの注文から提供まで時間もかかっていました。これを解決するために、物の配置を見直して表に起こし、スタッフ全体に共有したところ、1オーダー当たりの提供時間が縮まりました。 1オーダーに対する時間を最小化することにより、その分、提供できる数も増えます。
小さいことでも積み上げれば大きな結果に結びつきますし、そこで得た分析力や思考力は、今も役立っています。
大学4年生の頃の田村さん。友人たちと東京から博多まで車で完走したときの一杯。東京を朝6時に出て、博多に到着したのはなんと夜8時。その表情は少し疲れが滲むが、とても嬉しそう。
――就活前にやっておいたほうがいいことなど、何かアドバイスがあれば教えてください。
「この人はスゴい!」と思える人と一緒に何かに取り組むのはやっぱり楽しいし、勉強になります。自分の視野を広げることにつながると思うので。大学教授の話をちゃんと聞いたり、店長の考え方をしっかり教えてもらうことで、今までの固定観念にはない知見が得られました。
身の周りのスゴい人のレベルになりきる、またはその人の思考や見方を身につけるよう意識するといいと思います。
――ネスレを選んだ理由は何だったのでしょう?
アルバイトでもコーヒーを扱っていたので、やはりコーヒーに興味があったんです。それに、僕は「現状に満足しない」「自分がすごいと思える人たちと仕事する」ことを意識しているので、世界1位の食品会社であるネスレは魅力的でした。
実際にレベルの高い人たちが集まっていますし、いろんなバックグラウンドを持っている人も多くて勉強になっています。
――田村さんらしい理由ですね!
あと、人事の方が説明会のときから「楽しいことばかりじゃないよ」と正直に話してくれたのもありがたかったです。説明会などでは自社の良い事だけを説明する会社も多いなかで、ちゃんと「厳しいこともあるよ」と教えてくれた真摯さには惹かれましたね。
社会人編計画立案をする「デマンドプランナー」ってどんな仕事?
――今のお仕事の基本的な業務内容を教えてください。
サプライ・チェーン・マネジメント本部 デマンド&サプライプランニング部という部署で、デマンドプランナーの仕事をしています。
カテゴリーとしてはコーヒーマシン「ネスカフェ ゴールドブレンド バリスタ」やカプセル式本格カフェシステム「ネスカフェ ドルチェ グスト」とその専用カプセル各種、スターバックスのネスプレッソ製品を担当しています。
――デマンドプランナーというのは?
需要を計画する仕事になります。計画立案をするうえで、営業の方々やマーケティングの方々と密にコミュニケーションを取りながら先々の予測を立て、どのように製品を製造し、販売するかといった計画の立案を行っています。
あとは供給のモニタリングですね。どれくらい製造しているのか、どのくらい出荷するかをモニタリングしながら、協働してビジネスを進めています。
――デマンドプランナーならではの仕事というのは、どういったものでしょう?
ネスレ製品の物流全体を担っているのがサプライ・チェーン・マネジメント本部で、そのなかでもデマンドプランナーは全体の情報、状況を把握していないといけないため、密なコミュニケーションが頻繁に行われます。
――あまり知られていない現在の仕事があれば教えてください。
サプライ・チェーン・マネジメント本部はバックオフィス業務と思われているかもしれませんが、例えば、製品の運搬に鉄道を使うことでトラックの出動台数を減らし、CO2を削減するという取り組みなども行っています。
また、フェリーを使うことでCO2やコスト、業務量の削減まで行っているのですが、これもあまり知られていないかもしれません。
――いろんなことをしているんですね!
他にも、夏場はペットボトルコーヒーの最需要期ですが、供給計画をしっかり行い、多くのお客様にご提供することで販売シェアの向上にも貢献できます。トラックだけでなく鉄道も利用してコストが削減できれば、それもやはり利益に繋がります。
――今の仕事で特に面白いと思う点はどこでしょう?
自分の判断や提案がビジネスに反映されるという点ですね。一ヶ月でどれくらい出荷したかもわかるので、ビジネスの成長に適正な供給でどれだけ貢献できたかも確認できますし、自分の仕事がビジネスに直結していることを実感できます。
――デマンドプランナーとして求められるスキルは何ですか?
ひとつはコミュニケーション能力です。社内の各部署の利害を一致させながら仕事を進めていくので、バイト時代に培ったコミュニケーション能力は活かされていると思います。
もうひとつは思考力や分析力。数字を扱うので、どこがどのような傾向を示しているのかを瞬時に見分けて、ロジックを立てられていないと意味がありません。
――では、学生時代に取り組んだことも役に立っているんですね。
そうですね。自分自身、学生時代は「色々な経験をしているな」と思っていました(笑)。でもそれが今こうして活きていますし、おかげで楽しく仕事ができています。
※記事内容及び社員の所属は取材当時のものです。
文:猿川佑
編集:学生の窓口編集部
取材協力:ネスレ日本株式会社