今後も内発的且つ持続的に維持発展できる佐渡島を創造する 〜新潟大学 Smart DESIGN―iの取り組み〜
新潟大学 Smart DESIGN―iの活動概要
近年、離島や過疎地域では人口急減や少子高齢化が進展し、里山の荒廃や耕作放棄地、空き家の増加など様々な社会課題があります。(全国で820市町村が過疎地域に指定、令和3年4月)
私たちは、「誰一人取り残さない社会をつくる」というSDGsの理念や我が国の目指す社会「Society5.0」といった第6期科学技術・イノベーション基本計画等を踏まえ、新潟県内の離島過疎地域の一つである佐渡島を研究のフィールドとして設定しました。
社会課題の中でも、多くの離島過疎地域が抱えている「U・Iターン課題」に着目し、若者の島外流出を抑制し、島内流入を促進するための施策を模索しています。
2021年は、「多様化・複雑化した社会課題解決のため、地域の担い手を創出する」と目標を掲げ教育的観点からのアプローチを実践しました。今回はその一部をご紹介します。
トピックス(1)SDGs人材育成のためのSTEP.1「プロセスを学ぶ」 ~サマーセッション~
2021年夏、佐渡島の高校生とオンラインで繋いでサマーセッションを開催しました。様々な場面でご活躍されている方々からの講演会や高校生・大学生間でのワークセッションなどを行い、課題解決に向けたプロセスを確立することの重要性を学びました。それらを通じて、自分たちが主体となって佐渡島で社会課題解決を行っていくためには、
課題発見力や課題解決力といった「スキル」
佐渡島の各種データや島内に住む人々のニーズといった「知識」
の2つの要素の習得が必要であると実感しました。
トピックス(2) SDGs人材育成のためのSTEP.2「スキルを付ける」~共創ワークセッション~
社会課題解決のために必要な基礎スキルを付けるための実践ワークとして、「共創ワークセッション」を実施しました。共創ワークセッションとは、「学生自ら課題を設定し、解決策を考え、実証・検証する」というSmart DESIGN―iの研究手法を短時間に凝縮したものです。
第1回のテーマは、「通常1つ100円前後の佐渡産のおけさ柿を、1つ500円で販売するためには?」でした。高校生・大学生混合の5チームに分かれて議論し、社会課題解決に必須スキルである課題発見力、課題解決力の向上を図ることができました。さらに、大学生にとっては高校生の意見表出を促し、集約するといったファシリテータースキルを試す貴重な機会となりました。
今後も積極的に取り入れていきたいと考えています。
トピックス(3)SDGs人材育成のためのSTEP.3「知識を付ける」~Web記事作成~
社会課題解決のために必要な基礎知識を付けるための実践ワークとして「さどりぞ」というサイトのWeb記事を執筆しました。
耕作放棄地や廃校を整備した多目的施設、空き家を利活用した宿泊施設等の視察や、実際に佐渡島の地域活性化・情報発信のためご活躍されている方々への直接取材から、佐渡島に関する知見を広げることが出来ました。
この実践ワークで得た経験をもとに、今後さらに地域活性化事業や情報発信に力を入れていきたいと思います。
サークル紹介
■新潟大学 Smart DESIGN―iとは
私たち"Smart DESIGN―i"は、現在16名の学生が在籍しています。メンバーのバックグラウンドは工学、法学、農学、経営学と様々です。この文理融合チームの利点を最大限活用し、多角的な観点からの課題解決や総合知の創出を目指していきます。
■執筆者
松本空人 新潟大学 法学部 法学科
■URL
新潟大学工学部smart DESIGN-i
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■新潟大学 SDGs推進プロジェクト基金
私たちの活動をはじめとした新潟大学のSDGs関連教育・研究のさらなる質向上に向けて設立されました。詳細は本学HPをご確認下さい。
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