【お仕事図鑑】ガムをオーラルケアのひとつに!業界の常識を変えたキシリトールブランドに携わる仕事とは? #株式会社ロッテ

編集部:ゆう

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小川貴昭さん
株式会社ロッテ マーケティング本部キシリトールブランド課 課長

2007年、(株)ロッテ入社。中部統括支店にて菓子の営業に携わる。その後、本社営業企画部門で消費者の購買行動について研究。2017年よりチューインガムのマーケティング業務に従事。2019年より現職で、キシリトールブランドのマーケティング責任者を務める。

株式会社ロッテの特定保健用食品「キシリトールガム」は、むし歯の原因となる酸を作らず、歯の再石灰化を増強する働きを持っています。「歯を丈夫で健康に保つ」ということで、普段から噛んでいるという大学生も多いでしょう。最近では世界中に笑顔を広げているBTSとともに「Smile to Smile Project」をスタートさせて話題になっていますね。

今回は、ロッテのキシリトールブランドを統括する小川貴昭さんに、仕事の内容や魅力を伺いました

ブランドを定義することが大事な仕事

――まず自己紹介をお願いします。 

2007年に入社し、中部統括支店や本社営業企画部を経て、4年前からマーケティング本部で仕事をしています。キシリトールブランド」については2年前からブランドマネージャーを担当しています。

――「ブランドマネージャー」の仕事について教えてください。

ブランドのイメージを長期的に向上させ、売上を持続的にアップさせるのが私の仕事です。具体的な宣伝制作や商品作りは他のメンバーが行っていますが、社内外のパートナーや各部署と連携して、ブランドに関わる取り組みを統括するのが私の役目ですね。

――ブランドの方向性を決める仕事ということでしょうか?

そうです。生産や研究、営業など各部署でさまざまな考えがありますが、そこに横串を挿し、ひとつの目標に向けてリードするのがブランドマネージャーの仕事です。関係各所にブランドの想いや大切にしていることを伝え、実際にプロジェクトを進めてもらうために、どのように伝えるか日々考えています。とことん「人と話をする仕事」ですので、日によっては1日中リモートで打ち合わせをすることもあります。

――「コミュニケーション能力」が問われる仕事なのですね。

コミュニケーションももちろんですが、忍耐も大事です。ブランドの発展を目指す上では何かしらのチャレンジが必要ですが、一方でブランドを守るためには断らないといけないこともあります。時には我慢も強いられることも多く、この仕事は耐える力も必要なのだと感じています。

社会的課題にチャレンジできる

――ブランドマネージャーという仕事の難しさや、やりがいに感じていることを教えてください。

ブランドマネージャーになる前に想像していた以上に難しいです。それぞれの要望や事情を汲み取りつつ、目指すべき方向性に進めていくところが、難しさとやりがいのある点です。

現場で仕事しているときの「仕事のハードル」を1だとします。その後、本社で営業部門を束ねる仕事に就きましたが、現場の10倍は脳みそに汗をかきました。ブランドマネージャーはそこからさらに10倍、つまり現場にいたころの100倍ぐらい困難な仕事だと感じています。

責任、意思決定、考えないといけない範囲も広く、一筋縄ではいかないこともあります。思考の深さを10倍、思考の速さを10倍にして100倍の思考力で対処を求められるといえばいいでしょうか。ブランドを預かるというのは、それだけ大変な仕事です。

また、企業の主力ブランドは、それだけ社会に対する影響力もあります。自分が手掛けた商品が全国の小売店に並び、お客様から評価される。いい評価を得ることもあれば、当然ですが悪い評価もあります。世の中に対して何かを発信し、そのフィードバックがダイレクトに得られる仕事は他にないと思います。これは難しさである一方で、モチベーションにつながっていることでもあります。

――キシリトールブランドに携わることの魅力は何でしょうか?

キシリトールというブランドはロッテだけで作っているものではありません。歯の健康に役立つブランドとして、歯科医、歯科衛生士などの歯科関係者、行政・教育機関にも協力してもらっています。そうした、多くの人の協力や理解を得ながら、歯の健康という社会課題にチャレンジできている点にも魅力を感じています。

当時珍しかった粒ガムを広めたのもキシリトールガム?

――キシリトールガムはどのようなきっかけで生まれたのでしょうか?

「お口の恋人」というキャッチフレーズがあるように、ロッテは口腔周りについての研究に積極的に取り組んでいる企業です。1970年代に、フィンランドで「キシリトールが歯の健康に役立つ」という研究結果が確認され、これはガムに使えるのでは?と考えたのがきっかけです。

――キシリトールガムがヒットした要因は何でしょうか?

キシリトールガムは1997年に発売されましたが、当時は「砂糖を使っているガムは歯に悪い」というイメージが一般的でした。そこで、「歯にいいガム」を開発できたのは画期的なイノベーションだったと思います。「むし歯のない社会へ。」というミッションを掲げて、社会課題の解決に貢献するブランドであることが大きな注目を集めました。

また、形状が「粒ガム」であったこともヒットした要因の1つです。現在は粒ガムが主流になっていますが、当時は薄く平たい板ガムが主流でした。キシリトールガムは板ガムと粒ガム、どちらのタイプでも発売しましたが、粒ガムは口を大きく開けなくても食べやすいと、女性からも高い評価を得ることになりました。

――ガムなのに歯にいい、板ではなく粒状と革新的な商品だったのですね。

マーケットを変えたブランドだと言っても過言ではないと思います。そもそもロッテ自体が板ガムを主流にしていたにもかかわらず、自らがメインストリームを破壊し、新しい市場を創造しました。業界を通じても革新的な事例だったのではないでしょうか。

――反対意見もあったのでは?

非常にチャレンジングなことだったので、当時は社内でも反対意見があったと聞いています。しかし、ロッテでは眠気スッキリ「ブラックブラック」、息スッキリ「フラボノ」、歯みがきガム「ノータイム」など付加価値のあるガムを発売していました。こうしたロッテの企業姿勢や機能性のある商品の存在がキシリトールガム誕生の追い風になったのではないでしょうか。

チャレンジを支援する姿勢が企業の魅力

――キシリトールガムにまつわる意外なエピソードがあれば教えてください。

実はボトルに入ったガムは、当時、国内では存在せず、(ガムの本場)アメリカやヨーロッパ視察でも見たことがありませんでした。これは3代目のブランド担当者が2002年に生み出したものです。毎朝、工場から届くガムを試食し、品質の確認をしている研究員が、残ったガムを試薬瓶に入れて、好きな時に取り出して食べているのを見て、ボトルタイプのガムを考案しました。

しかし、ボトルタイプは約800円とスティックタイプよりも高くなるため、当初は「ガムがそんなに高い値段で売れるのか」と反対意見もありました。結果的にボトルタイプはお客様に高く評価され、今では人気商品になりました。

キシリトールガム誕生の経緯もそうでしたが、チャレンジを支援する姿勢は、ロッテならではの魅力だと思います。

ロッテはお菓子メーカーの中では後発で、革新的な取り組みを行いながら成長してきた企業です。キシリトールガム以外にも、「ガーナミルク」ではチョコレート商品では当時異例だった赤いパッケージを採用しましたし、「クーリッシュ」は画期的な飲むアイスという新しいコンセプトでお客様に受け入れられています。

とにかくチャレンジを支援する企業で、特に若い人でも責任のある仕事に挑戦できる社風です。

――新しいことに挑戦するのをいとわない企業なのですね。

「他がしないことをする」という姿勢です。他のメーカーからすると「何をしてくるのか怖い」という企業のようです(笑)。ロッテという企業をよく表現しているのかなと思います。

国内だけでなく海外展開も視野に

――今後の展望を教えてください。 

現在、1万院以上の歯科医院でキシリトールガムを取り入れてもらっています。今後は幼稚園、保育園と協力して、教育機関でキシリトールを取り入れる活動を進めたいと考えております。すでに4つの自治体に協力していただいています(2021年9月時点)が、2023年までに10自治体にまで広げたいと思います。 

また、海外展開も視野に入れています。日本ではキシリトールを用いた製品はガムのナンバーワンブランド※です。ベトナムでは、ベトナム歯科医師会の推薦をもらったり、タイやインドネシアなど東南アジアでの展開も広がったりしています。海外でもキシリトールガムを普及させる取り組みにチャレンジしていきます。 

 (※) ・インテージSRI+ チューインガム市場 2017年4月~2021年3月 金額シェア
            ・インテージSRI チューインガム市場  1997年4月~2017年3月 金額シェア 

世界に笑顔を広げていく「Smile to Smile Project」をグローバルスーパースターBTSとともに発足したのも、そうしたグローバル戦略の一環です。これは、たったひとつの笑顔が自分の元気に、そして誰かの笑顔につながっていくという想いのもと、世界に笑顔を広げていこうというプロジェクトで、今年の5月に発足しました。

 ロッテ「キシリトール」では、「むし歯のない社会へ。」を掲げ、口もとから笑顔をお届けしていきたいと考えています。毎日を彩るすてきな笑顔を大切にするために、世界中に笑顔を広げているBTSとともにプロジェクトを行っています。 日本をはじめベトナム、インドネシア、タイ、台湾、アメリカ、カナダでの展開を予定しており、韓国のロッテ製菓も参画するグローバル横断*でのプロジェクトです。(*展開国によって、内容や実施時期は異なります) 

キシリトールブランドだけでなく、キシリトールの機能についても広めたいと思っています。

 ――最後に学生へのメッセージをお願いします。 

 今まで働いてきて、改めて「仕事は楽しいものだ」と実感としています。

就職する前は、仕事は指示を受けてやるばかりで生活のためにしなければならないものと勝手にイメージしていましたが、決してそうではありません。私の仕事の場合、自らが考えたものが表現され、評価される経験ができます。こうした経験は学生のうちはなかなかできません。意欲を持って働くことで、その経験はさらにエキサイティングで楽しいものになります。

例えば企業で職業体験をするなど、学生のうちから「働く楽しさ」に触れてみると、社会に出たときにより楽しめるのではないでしょうか。

 ――ありがとうございました! 

※記事内容及び社員の所属は取材当時のものです。

編集後記

「ガムを噛んで歯の健康に役立つ」という、それまでのガムの常識を打ち破ったキシリトールガムは、社会課題を解決する重要な役目も担っている商品です。それだけ重要な製品をマネージメントする仕事は、大変ながらもやりがいがあり、面白いとのこと。社員のアイデアを意欲的に取り入れ、支援するロッテの社風も、キシリトールガムの普及に影響したのでしょう。

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文:高橋モータース@dcp

編集:学生の窓口編集部

取材協力:株式会社ロッテ
https://www.lotte.co.jp/

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