【お仕事図鑑】大切なのは「枠に囚われない自由な発想」。フルグラ開発者に聞く、新商品の開発秘話 #カルビー株式会社

編集部:ゆう

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木村 桂太(キムラ ケイタ)さん
カルビー株式会社 研究開発本部 開発3部 シリアル課


2017年カルビー入社 研究開発本部 開発3部(新規商品)に配属
2018年から現職

数あるシリアルブランドの中で、売上ナンバーワンを誇る「フルグラ」。

手軽に食べられる朝食として大人気のシリアルですが、実はカルビーは10種類以上ものグラノーラ商品を販売しており、中には「甘くないグラノーラ」や「カレーグラ」など、“甘くて美味しいグラノーラ”のイメージとは一線を画した商品もラインナップしています。

そんなバラエティ豊富なカルビーのグラノーラシリーズですが、次々とヒット商品を生み出す秘訣はどこにあるのでしょう。

今回は、フルグラの開発者で、「甘くないグラノーラ」の生みの親でもある木村桂太さんに、商品開発の舞台裏や日々の業務内容についてお話をお聞きしました。

フルグラ担当者に聞く、新商品の開発秘話

――まず、木村さんの基本的な仕事内容を教えてください。

主な仕事はフルグラなどの商品開発ですが、新しい企画や製品を一から設計して、実際にお店に並ぶまでのいろいろな工程に携わっています。新しい商品だけでなく、既存の商品の品質を維持・向上させることも業務の一環ですね。

――改めて、フルグラの魅力を教えていただけますか?

カルビーの「フルグラ」は、いろいろな穀物をシロップと混ぜてオーブンで焼き、そこにリンゴ、イチゴ、パパイヤ、レーズン、カボチャの種をトッピングしていて、食物繊維や鉄分、ビタミンなどに富んでいます。忙しい社会人でも手軽に栄養価を摂れる朝食として設計した商品です。

――木村さんは「甘くないグラノーラ」も開発されましたよね。開発までの経緯をお聞きできますか?

私たちは、グラノーラを食べていただくシーンをもっと増やしたいと考えています。フルグラは朝食として定着し、認知度も上がりました。でも、朝食に限らず、昼食や夕食、間食などでも食べていただければ、もっとグラノーラのよさを知ってもらえるはず……そう考えて、一層いろいろな食べ方ができるよう「甘くないグラノーラ」を開発しました。

――「いろいろな食べ方」とは、具体的には?

例えば、コーンポタージュスープにクルトン代わりに入れたり、カレーライスのご飯をグラノーラに置き換えたり、グラノーラをリゾット風にしたりすることもオススメです。グラノーラは食物繊維、鉄分、ビタミンが豊富なので、白ご飯とはまた違った栄養素を摂ることができます。

――「グラノーラ=甘いもの」というイメージが強いので、「甘くないグラノーラ」の登場には驚きました。周りから反対されませんでしたか?

「本当に作れるのか」という不安の声はありましたが、「やってみる価値はある」という雰囲気もありました。他のメーカーもやっていないということは、それだけ難しいということです。実際、なかなかぶっ飛んだアイデアなので、作り込みも難しかったですね。

――どのあたりが難しかったんですか?

やはり「甘くないなら、どこで味を出すのか」という課題が大きかったと思います。あまり味を出しすぎると、スープやリゾットと合わせるときに邪魔になってしまうので。「なるべく商品の味は主張させたくないけど、単体で食べても美味しい」というバランス感が難しかったです。

開発段階では100種類近く試作しましたし、私が携わってきたなかでも一番試作を重ねた商品だったと思います。

試作に成功しても、工場でボツになる可能性あり!

――新商品の試作や開発をしたあとは、どのような業務に進むのでしょう?

新しい商品を作る際には、開発以外にもいろいろな業務が発生します。例えば、商品を工場で作っても問題ないか、事前にテストするのもそのひとつ。試作でいいものができても、工場で実際に作れるかは話が別なのですよ。試作は手作業ですが、商品化するには、工場でも同じものを作れるよう設計する必要があります。

――工場で試作と同じものが作れないというのは、例えばどういうケースですか?

例えば、工場では原料となる食材が上手く乾燥しないケースなど、季節によって品質にばらつきが出てしまう場合もあります。そうなると、せっかく採用された商品もボツになってしまいますから、そこが一番大変なところであり、一番スリリングな部分でもあります(笑)

――そんな舞台裏があったとは。おかげさまで、いつも美味しく食べさせてもらっています!

そういっていただけるのが一番嬉しいですね。やはり苦労した商品ほど思い入れは強くなりますし、店に並んだときの喜びもひとしおです。それを実際に手にとってもらえたらありがたいし、一層嬉しく思います。

――SNSで商品のエゴサーチとかもしますか?

しますね(笑)。SNSで美味しいと言っていただけるのも嬉しいですが、「ここが良くない」という意見も商品の改善につながるので、そういった声も商品開発に役立てています。たまに心が痛くなるときもありますが……(笑)。

木村さんが思う、「商品開発」の魅力

――パーソナルな話もうかがいたいのですが、木村さんはなぜカルビーに就職されたんですか?

※取材中の木村さん

カルビーの商品は幅広い年齢層の方々が手に取っているから、というのが大きな理由です。それに、僕自身、カルビーの商品が昔から好きでした。

特にポテトチップスのコンソメパンチが好きで、入社前から「これは唯一無二の商品だ!」と思って食べていました(笑)。絶妙なバランスで深みがあって、まるで料理を食べている感覚に近い味わいだと思っていたのです。

――そんなに好きだったんですね! 今の部署に入った動機は何だったのでしょう?

料理や栄養学には高校生の頃から関心があって、もともと商品開発したいという思いが強かったのです。

――木村さんがこの仕事の面白いと思う点は何ですか?

自分で一から味を作れるところです。もちろん、フルグラのイメージから大きくハズレる味の商品は作れません。でも、フルグラにはメープル味や抹茶味、チョコ味など、いろいろなラインナップがあり、すべて自分たちで原料の配合や風味の調整をしています。使用するフルーツやナッツなども、「どれが合うかな」と試行錯誤しながら選ぶのは楽しいですし、とても魅力的ですね。

大切なのは「枠に囚われない自由な発想」

――斬新な商品を開発するために意識していることはありますか?

なるべく「できない」とは言わないこと、難しそうなアイデアでも実現できる道を探ることなどは意識しています。そのためにも、新しいメンバーのアドバイスも大切にしています。やはり、フレッシュな人のほうがいろいろな発想を持っていたりもしますから。彼らと密にコミュニケーションをとることで、自分が凝り固まった考え方をしていないかも点検しています。

――商品開発の担当をするうえで、求められるスキルは何でしょう?

枠に囚われない自由な発想は大切ですね。実際、ぶっ飛んでいる人のほうが、普通の人が考えないようなアイデアを出してくれるので、貴重だったりもします。ゼロからの発想ってなかなかできない人はできないし、簡単なことではないんですよね。

――面白いアイデアって、例えばどんなものがありましたか?

カレーグラではカルビーグラノーラ史上初の「肉(チキン)」を採用しました。しっとりした食感のお肉がだったら面白いと思って始めましたが、特性上中々難しく、目標の食感にするのが難しかったです。

――楽しみにしています! 木村さんの今後の目標を教えてください。

やはり、これまでありそうでなかったグラノーラを発売したいと思っています。フルグラは朝食で食べるものとして定着しましたが、例えばおつまみになるようなグラノーラなど、食べていただくシーンのバリエーションをもっと増やしたいと思っています。この仕事をしている以上、常に新しいことにチャレンジ精神を持って取り組みたいですね。

――最後に、読者の学生さんたちへメッセージをお願いします!

大学生は、高校生や社会人以上に、自分の時間を自由に使うことができます。せっかくなら、自分の興味のあることにどんどん挑戦して、ぜひいろいろな経験を積んでいってください。

※記事内容及び社員の所属は取材当時のものです。

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文:猿川佑

編集:学生の窓口編集部

取材協力:カルビー株式会社
https://www.calbee.co.jp/

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学生に「一歩踏み出す勇気」を持っていただけるような記事を届けたいです。

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