自分は自分、憧れるより憧れられたい。成田凌の俳優論
蜷川実花監督の話題作『人間失格 太宰治と3人の女たち』で、憧れの太宰治(小栗旬)に執筆を依頼する熱心な若手編集者・佐倉潤一を演じている成田凌さん。メンズノンノ専属モデルとして活躍しながら、俳優としても活動の幅を広げ続ける成田さんに、演じられた佐倉の役柄にちなみ、「憧れという感情との向き合い方」についてお聞きしてきました。
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いつも「自分しかできない」という気持ちで挑んでいた
ーーこれまでの出演作を拝見すると、成田さんの役は「成田さんじゃないと」という役が多く、どの作品でも唯一無二の存在感を発揮されていると思うのですが、「役を自分のものにする」ために意識していることはありますか?
デビュー当初から、オーディションが始まる前から常に「オレだ! オレしかできない!」みたいな気持ちではいました。
オーディションの最中、横に並んでいるライバルを見て「絶対勝ち取ってやろう」と思って、わざわざライバルのほうを向いて芝居したり。
だからなのか、「この役、オレじゃなかったら誰なんだろう?」っていうのはちょっと考えちゃったりしますね。オーディションを受けることが多かったので、ヘンなクセみたいなものがついちゃってるだけなのかもしれないですけど。
ただ、最近は「これ、ホントにオレでいいのか?」って思うときもあります。自分の中に「らしさ」みたいなものをまだ見つけられていない部分があるので、いろんなことを試しながら見つけていきたいな、って。
せっかくこんな、星の数ほどいる役者の中から選んでもらっているので、自分のオリジナリティを作っていけたらいいなっていう思いがあります。
「役を自分のものにする」という部分でいうと、自分から役のほうに行くというよりは、役を自分に引き寄せるほうが多いのかな? とは思います。
小栗旬さんの演技を間近で見たことは、自分の財産
ーー主演の小栗旬さんからは刺激を受けましたか?
今回、太宰を演じた小栗さんを近くで見られたことは本当に財産になったと思います。役への向き合い方や現場でのたたずまいなど、素晴らしいと思いました。役としても一番近くにいる存在ですし、演じているときは「この人を離さない!」という気持ちでした。
ーー小栗さんが太宰を演じたことによって、成田さんがこれまで思っていた太宰治のイメージと変わったところや新たに発見したことはありましたか?
本当にスター性のある人なんだろうな、と思いました。それに、『人間失格』って言ってますけど、本当に人間味がある人だなって。理性がちょっと低いだけで(笑)。ちゃんと後悔もするし、自己嫌悪にも陥るし、でも、感情そのままで動くというか、本当に作品のために生きている人だったんだなと思いました。
写真でしか見たことがないので、知的で落ち着いた暗い人なのかなって思ってましたけど、そうではないんだろうな、と。
ーー太宰に強い憧れを抱く編集者・佐倉を演じていて楽しかった部分はどんなところですか?
佐倉は唯一実在しない人物なので、自由に演じることができるという部分は面白かったです。元々モデルになった編集者の方は2人いたらしいんですけど、その方たちも著書の中で太宰のことを思いっきり悪く書いてたりして(笑)。それでもやっぱり太宰の才能に惚れてしまって、そんな自分も嫌いみたいな(笑)。
佐倉は、自分の殻にこもってしまいがちな青年の感じが時々こぼれてたまに爆発する、みたいなところは演じていて気持ちよかったですね。
演じている最中、そのときの雰囲気にのまれてしまうというか、それゆえの不安定さが自分にあったんですけど、逆に「それがいいんじゃない?」って勝手に捉えて、ある意味自分を捨て“先生のために”という気持ちで演じていました。
ーー蜷川監督の演出や、現場の雰囲気はいかがでしたか?
蜷川監督はすごくかわいらしい人ですね。いるだけで現場が華やかになるし、「大事なシーンなのにドレス着てきちゃった」とか言いながら笑ってるような方なんで、現場もぐっと明るくなるし、きっと何本も作品を抱えててすごく忙しいと思うんですけど、ずっと明るいし、すごいタフだし。
それに、本当に人の気持ちがわかる方だなって。男の気持ちも女の気持ちもわかる実花さんだからこそ撮れるものというのは絶対にあると思います。
ーー現場ではみなさんそれぞれの色を放っていたのでしょうか?
もうね、激しいです。「美しさが激しい」ってすごいですよね。
「憧れ」という感情との付き合い方
ーー佐倉のように、誰かに憧れる気持ちは自分を前に進める原動力にもなると思うのですが、同時に憧れの人に引っ張られすぎて自分を見失ってしまう怖さもあると思います。成田さんご自身は、「憧れ」という感情とどう付き合っていますか?
たとえば本作でいうと、佐倉と太宰は職種が違うので、自分の進化した先にその人がいるわけではないということはあるかもしれないですね。それに、佐倉は太宰に尊敬と軽蔑のどちらも感じていますし、太宰の軽蔑している部分に憧れがあるわけがない。
それと同じように、「その人に憧れる」というより、「その人のこの部分に憧れる」と感じるようにしてます。そう思うと盲目的にはならないと思うし、自分は自分だと思えるので。あとは、憧れるばかりじゃなくて、自分も憧れられるようにがんばりたいなと思います。
ーー成田さん自身が憧れている方はいますか?
父親ですね。もし自分が父親になったら絶対口うるさくなっちゃうと思うんですけど、ウチの父親はなんにも言ってこないんで、それには本当に憧れます。
父のようになりたいです。でも、姪っ子とかにもすぐ怒っちゃうし……(笑)、難しそうですね。ウチの父親は、僕が高校に入って2週間経ってサッカー部のジャージが届くまで、どこの高校に入ったのかすら知らなかったんで。でももちろん、愛情はとってもある父親なんですけど。
ーー佐倉の気持ちに共感する部分はありましたか?
何にも勝る才能みたいなものを目のあたりにしてしまうと、やっぱりすごく魅力的に感じちゃいますよね。佐倉は現実の太宰に出会って「心の底から軽蔑します」と本人に言ってしまうぐらい軽蔑もするんですけど、たとえどんなにダメなところがあっても、才能に惚れてしまった結果、好きでいざるを得ないという気持ちはすごくわかります。
きっと佐倉は真面目に生きてきただろうから、この不真面目で危険な匂いのする男に憧れてしまうというのも気持ちとしてはすごくわかるし。今のご時世、もしこんな太宰みたいな人が本当にいたらこの世界では一瞬で生きていけなくなると思いますけど、ちょっと危険な匂いがしないと面白くもなんともないな、とも思ったりします。
文:落合由希
写真:為広麻里
編集:学生の窓口編集部
ヘアメイク:宮本愛(yosine.)
スタイリスト:伊藤省吾(sitor)
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『人間失格 太宰治と3人の女たち』
9月13日(金)より全国ロードショー
監督:蜷川実花
出演:小栗旬 宮沢りえ 沢尻エリカ 二階堂ふみ
成田 凌 / 千葉雄大 瀬戸康史 高良健吾 / 藤原竜也
脚本:早船歌江子、音楽:三宅純 撮影:近藤龍人
主題歌:東京スカパラダイスオーケストラ「カナリヤ鳴く空feat.チバユウスケ」(cutting edge/JUSTA RECORD)
配給:松竹、アスミック・エース
Ⓒ2019「人間失格」製作委員会