山崎紘菜は、恐れない。自分に期待しすぎないから。
9月6日公開の映画『スタートアップ・ガールズ』。大学生起業家・光と、その取り組みに出資をする大企業のOL・希を中心に展開される本作は、これから何かに取り組もうと思っている大学生におすすめの作品。今回は希を演じた山崎紘菜さんに、作品にちなんで、ご自身が学生時代にしていた「チャレンジ」や、これから挑戦してみたい夢について教えてもらいました。
文:落合由希
写真:島田香
編集:学生の窓口編集部
【INDEX】
1.自分に期待しすぎないで。
2.夢は、大学で心理学を学び直すこと
3.「継続」で天才になりたい
4.20代。好き嫌いで世界を狭めたくない。
新しいことをはじめるとき、自分に期待しすぎないで。
ーー山崎さん自身、学生時代にやってよかったチャレンジはありますか?
「東宝シンデレラ」オーディションが、いちばん大きなチャレンジだったと思います。それまでは将来の夢も特にないような普通の学生だったのが、オーディションがきっかけで人生が180度変わって。いろんな人と出会えて、いろんな新しい世界を知ることができて、夢や目標もできて。
“チャレンジ”っていうとすごく大きいことのように聞こえるけど、それよりは“アクション”のほうが近いかな。その結果、物事がいい方向に転がることもあるので、とにかくアクションを起こす、自分から動くことって大事だな、って。
ーー何か新しいことに取り組むときは「怖い」と感じるタイプですか? それともワクワクするタイプですか?
あまり不安は感じないほうですね。もちろん、お仕事で大きなプロジェクトが始まるときは不安になったりもしますけど、自分からやりたいことを始めるときは「合わなかったらやめればいい」って気楽に考えています。
一生続けなきゃいけないっていうわけではないし、合わなかったらまた違う方法で取り組めばいいやっていう気軽な気持ちで取り組むことが多いです。取り組んでいるうちに奥深さを感じたり、できない自分に直面したときには不安も感じますけど、最初のころは感じないです。
ーー新しいことを始めるのが「怖い」というタイプの人は、どうすればいいと思いますか?
怖かったり不安なときって、自分にちょっと期待しすぎているんじゃないかな?って思うんです。成功しなきゃいけない、絶対にそのチャンスを生かさないといけない、うまくやらなきゃいけないって、自分に対する期待が大きいから「できなかったら恥ずかしい」と思ったり、不安になると思うので、私はあまり自分に期待しないようにしてます。
100%完璧を求めてるのって案外自分だけで、意外と周りは求めていないと思うんです。新しく何かを始めるときって、誰もがまっさらな状態じゃないですか。だから周りの人もそんなに期待してないし、自分が思ってるほどハードルは高くない。自分は初心者なんだからと割り切ったり、まったくできないんだと思ってから始めると、すごくラクになるんじゃないかと思います。その意識で始めると何事も怖くないんじゃないかな。
いまの夢は、大学で心理学を学び直すこと
ーー学生時代だからこそ、しておくべき「チャレンジ」は何だと思いますか?
チャレンジというわけではないんですけど……、私の場合は勉強に対して、もっと真摯に向き合えばよかったと思っています(笑)。今、いろんなことを学びたいっていう思いがすごく強くて。でも、仕事をしていると、本を読んだり映画を観たりする時間がなかなか取れないんですよね。
ーー今、時間があったらいちばんやりたい勉強は?
私の大きな夢のひとつに、また大学に行き直して「心理学」を勉強したい、極めたいという気持ちがあるんです。もともとすごく興味があって、悩んだりマイナスな気持ちになっているときは心理学の本を読んでいます。そうすると客観的になれたり、原因が掴めたりするので、すごく助けられていて。できれば海外の大学に行きたいんですよね。きっとお芝居にも役立つと思うので、いつか叶えられたらいいなと思います。
「継続」で天才になりたい。
ーー山崎さんは、安定志向の希と自由奔放な光、どちらに近いタイプだと思いますか?
私は完全に希タイプだと思います。自分は天才肌でもない普通のタイプなので、天才肌で自由奔放で、自分の気持ちに素直に動ける人にはすごく憧れます。
ーー希の描写に共感していた部分も多い?
そうですね。私自身、ガマンしちゃったり、自分の言いたいことをグッと飲み込んでしまうところがあるので、希の「本当は言いたいけど言えない」っていうもどかしい気持ちにはすごく共感しました。
ただ、今回希をやらせてもらうにあたって、これまで経験してきたそうしたやるせない気持ちもムダにならなかったなって思います。たとえマイナスな感情だったとしても、私の場合はお仕事に生かすことができるので、希という役を通してその気持ちが救われたなって思いました。
ーー「自由奔放な人に憧れる」そうですが、具体的に憧れている人はいますか?
このお仕事をしていると、天才的な素質がありながら、それをちゃんと裏付ける努力をしている方も多くて、「天才で努力されたらもう最強じゃん! かなわないじゃん!(笑)」って思う人はたくさんいます。
でも、将棋の羽生(善治)さんの「継続できる人が天才だ」っていう言葉が好きで、私はその言葉を胸に日々過ごしています。自分にはもともと持っているものはないかもしれないけど、きちんと努力を継続することで天才になろうって。
20代。好き嫌いで世界を狭めたくない。
ーー劇中「好きか嫌いかで仕事してない。それが自分に与えられた仕事だから(やっているんだ)」という希のセリフがありますが、山崎さん自身はそのセリフに共感しますか?
共感しますね。デビューしたての頃は、やっぱり自分が想像していたものとは違うお仕事をお願いされたこともありました。そのとき、「自分には全然向いてないのに、なんでやってるんだろう」と思う瞬間もあったんですけど、今考えたらそれって自分の可能性をすごく狭めてたな、って。
20代って、いろんなところからいろんなものを吸収するべきだと思ってます。でも、そのときの好き嫌いに左右されるのって、すごくもったいないことだと思うんです。そのお仕事を経験することで、新しい世界が見えたり、新しい自分が発見できたり、「実は好きだった!」って気づいたり、ハマっちゃったりすることもあると思うし。苦手だったりイヤだと思うことって、本当はただの思い込みかもしれないし、やってみないとわからないじゃないですか。
たぶん希も、嫌だと思っていた仕事が気づけばすごく楽しいものになっていたり、嫌だと思っていたことで自分自身が成長していたという部分があるんじゃないかと思います。
ーー作中では子育てにまつわる問題をネットやIT技術で解決しようとしていますが、もし山崎さんが起業するとしたらどんなことをしてみたいですか?
美容やダイエットに興味があって、お仕事をする上でもすごく気を遣っているんですけど、知識がないころは間違ったダイエットをしてしまうことが多かったんです。いろいろ調べたり、プロに話を聞くことで、やっと自分のダイエットが間違っていたことに気づいたりして。だから、それを変えたいですね。
特に10代の方は、いちばん体が成長する大事な時期なのに「ご飯を食べない」ダイエットをしてしまう方も多いと思うので、それを解決できるような“ダイエットのプロ”や管理栄養士さんと気軽に話ができたり、つながれるシステムがあればいいなって思います。
ーー最後に、今スタートアップに取り組んでいたり、これからチャレンジしようと思っている現役の大学生にエールをお願いします。
まずスタートアップをしたいと思う気持ちを持っていることが、本当にすごいなと思っているので、そのパッションを持ち続けてほしいです。この作品がみなさんの背中を押すような作品になっていたらうれしいです。映画を観終わった後に、ほんの1ミリでもいいから背中を押せたり、前に進む勇気を与えることができたらいいなと思ってます。頑張ってください!
『スタートアップ・ガールズ』
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公式サイト:http://startup-girls.jp/
公式Twitter:@startupgirlsmov