俳優は「下請け」。どんな悪役にでもなる本郷奏多のあたまの中
「ザ・美少年」なルックスと、それを生かしたひと癖もふた癖もある役柄で数々の映画に引っ張りだこの俳優・本郷奏多さん。
7月5日公開の映画『Diner ダイナー』では、天才シェフ・ボンベロ(藤原竜也)の作る極上の料理を目当てに殺し屋が集う食堂(Diner)にやって来る、見た目は純粋な子ども、しかし中身は残忍な殺し屋・キッドを演じました。
今作で“子どもの体を持つサイコパスな殺し屋”という、かなりトリッキーな役柄を演じた本郷さんに、役作りや撮影のエピソード、また、仕事に対する考え方から見えてきた本郷さん流の「チャンスのつかみ方」を伺いました。
INDEX
「僕は器用貧乏な俳優」
ーー今回演じた「キッド」を含め、これまでさまざまな役を演じてこられていますが、演じるときに“自分らしさ”みたいなものは出そうと思われますか?
あんまり思わないですね。特に原作があるものは……今回は原作よりも蜷川さんの世界観のほうにシフトした特殊な作品でしたけど、基本的にマンガ、アニメなど人気の原作モノを演じるときは、そのイメージ通り演じることを心がけています。
もちろん、何が正解かはわかりませんが、僕はあまり自分を出すというのは考えたことがないですね。
ーーでは、ご自身の“俳優としての強み”はどういうところにあると思いますか?
バランス力かなって思います。
器用貧乏で「わりとなんでもできるけど、突き抜けて得意なことはない」タイプの俳優だと思うので、現場でも常にバランスを考えて「意見を言うタイプの俳優さんだったら、この台本のこのセリフはけっこう引っかかるんだろうなぁ」と思っても「それで現場が止まるぐらいだったら、僕が(セリフを)言えば済む話だから」って思っちゃう(笑)。
みなさんがよきように、というか。もし誰か、機嫌の悪い俳優さんがいたらうまく潤滑油になりたいですし……まぁ、とにかく自分が早く帰りたいんで(笑)、それだけですね。全体の和を一番大事にしてます。
ーー本郷さんは、「潔癖症」「給与明細がやりがい」など、ご自身のことをメディアで正直に語っている印象がありますが、そういった本音も隠さずに話そうと思ったのはなぜですか?
いろいろウソついてても絶対どっかでボロが出ますし、思ったことを言ってるほうがラクなんですよね、基本的に。自分がノーガードでいれば相手も歩み寄ってきてくれますし。
ただ、きっと思ったことを言いすぎたせいでCMが全然もらえないんだろうなって思うので、そこは後悔してます(笑)。
ーー「自分がいま得意なこと」からさらに一歩先に行くためには何が大事だと思いますか?
自分よりさらにレベルの高い人たちと戦うことですね。仲間内でいちばんになるのってすごく簡単だと思うので、そこで満足しないで、さらに上の人たちと戦っていくことが大事だと思います。
俳優は「下請け」。全力でやるしかない
ーー俳優として仕事を得るために、工夫していることはありますか?
我々俳優の仕事は、与えていただいたお仕事をやるという、言ってみれば下請けなので、与えてもらったことを全力でやるというだけですね。
自分から「こういうことをやりたい」と言ってもそれができる世界ではないので、与えていただいたことを一生懸命やって、それで評価してもらえれば、また次に別のところから声がかかるかもしれない。その繰り返しなだけなので、いただいたものを一生懸命やってます。
ーーキッドの役を「やりたい役だと思った」そうですが、キッドのどういうところに魅力を感じましたか?
キャラクターの面白さですね。最初、「見た目は子どもの役で……」って聞いて「え、どういうこと!?」って思ったんですけど、話を聞いてみたら、殺しをやるにあたってちっちゃい姿の方が有利だから全身整形して子どもの姿を維持していると聞いて、「めちゃくちゃ魅力的なキャラだな」と思いました。実際どういうふうにできあがるのかにもすごく興味ありましたし、ぜひやってみたいなと。
蜷川実花さんとご一緒したいなというのもあって。この作品は、撮影の前から楽しみなことが多かったですね。
ーー蜷川さんのどういうところが気になっていたんですか?
まず、クリエイターとしても、人としても「どんな人なんだろう?」っていう純粋な興味がありました。実際にお会いしてみたらすごく柔らかくて優しい素敵な方だったので、そこは意外というか、素敵なギャップでしたね。
映像美にすごくこだわりを持っていらっしゃって、日本の商業的な映画を撮っている監督にはなかなかない感性をお持ちの方だと思うので、世界観がすごく素敵だなと思いました。
ーー今回は“サイコキラー”という役ですが、そういう役を演じる上で心がけたことはありますか?
この映画にはすごい変なキャラクターがいっぱい出てくるんですけど、その中でもかなり変わっているほうだと思うので、とにかく全力で楽しんで暴れるだけというか。蜷川さんも「好きに暴れてくれたらそれでいいから」っておっしゃっていて。こういう、突き抜けた、ブッとんだお芝居ってあんまりする機会がないので……。だから、すごく楽しく演じさせていただきましたね。
ーーやっていていちばん楽しかったシーンは?
ボンベロに「そいつの死体の処理はお前がしとけ」みたいに言われて、「やったぁ!」って喜んで、ずっとひとりでハサミを持って暴れるシーンがあるんですけど、そこは「好きなようにやって」って言われて、セリフもなかったので、本番前は「どうしたらいいんだろう?」って思ってたんです。でも、本番になったら無限にフレーズが出てきて……。自分の中に眠るサイコな部分が垣間見えて、ちょっと怖かったです(笑)。
藤原竜也さんと窪田正孝さんと共演するのが夢だった
ーー藤原竜也さん、玉城ティナさんとの共演シーンが多いですが、共演されてみていかがでしたか?
玉城さんは、キャラクターがすごく役と合っていて、「イジメがいがある」というか「イジメられている姿が似合う」というか……(笑)、怯えた表情がすごく素敵で、光るものを持っていらっしゃる素敵な女優さんだなと思いました。
藤原竜也さんと共演させていただくのは今回が初めてなのですが、藤原さんの出演作は全部観てるぐらい好きな俳優さんで、藤原さんが主演だということも今作に「出たい」と思った理由のひとつだったので、ご一緒できてうれしかったですね。
ーー以前から好きだったという藤原竜也さんから学んだことはありましたか?
藤原さんはすごくクリエイティブ。監督やスタッフと一緒に「このシーン、どうしたほうがいいかな」とか「どう組み立てていこうか」みたいなディスカッションをすごくされていたのが印象的でしたね。
すでに実績がある方なのに現場で一からディスカッションできるってすごいことだと思うので、素敵な姿を見させていただきました。
実は僕、窪田正孝さんもすごく好きで。会ってみたかった俳優さんが2人いて、それが藤原さんと窪田さんだったので、一度に共演が叶ってうれしかったです。
窪田さんは“スキン”という役を演じられてるんですけど、スキンのビジュアルがめちゃくちゃカッコよくて、さらにファンになりました(笑)。スキンがプチンといっちゃって暴走するとことか、すごくカッコよかったです。
悪役を演じるときは100%情けなく
ーー今作に限らず、『キングダム』の成蟜(せいきょう)役も印象的な悪役でしたが、今後やってみたい悪役はありますか?
悪役って、あまりバランスを考えないで振り切ってやれるからすごく楽しくて好きなんですよね。ただ僕、どんな役をやらせてもらっても戦闘能力が著しく低いんです(笑)。一度は強い敵役をやってみたいですね。
ーー悪役の、やられっぷりの美学みたいなものはありますか?
『キングダム』でもそうですけど、自分がやられるシーンにどういう目的があるかと考えると、絶対に倒す側をカッコよく見せたほうがいいんですよね。だから、やられるときはより情けなく、とにかくしっかりやられようって思ってます。
美学というより、作品全体を考えたらそうしたほうがいいと思うので、「やられる」って台本に書いてあったら100%でやられるか、みたいな。それだけですね。
早く動いてたやつは、強い
ーーお話を聞いていると、本郷さんは、演技でもバラエティでも「自分に何が求められてるか」を考え抜いて、全力で取り組んだ結果、今の人気を獲得されているのではないかという気がしました。
大学生がチャンスをつかむためにはどうすればいいと思いますか?
僕も大学に行っていたので、その経験からひとつだけ明確に言えることは「早め早めに動いてるやつがちゃんと成功してる」っていうことですね。たとえば就活にしても、今卒業して6〜7年経ってるんですけど、ギリギリまでやらなかったやつは、早くから動いてたやつと比べるとやっぱりすごい差が開いていってるんです。
だから、基本的にどの世界でも何事も、早くから動いてたやつが強いって思います。
文:落合由希
写真:為広麻里
編集:マイナビ学生の窓口編集部
7月5日(金)ロードショー
©️2019「Diner ダイナー」製作委員会
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