「信念を貫く」ということ|シム・ウンギョン×松坂桃李 映画『新聞記者』特別インタビュー
6月28日(金)に公開される、権力とメディアの“たった今”を描く孤高のサスペンス・エンタテインメント作『新聞記者』。このドラマでW主演を果たしているのが、韓国の若手トップ女優、シム・ウンギョンさんと、昨年『娼年』『孤狼の血』等話題作への出演で賞レースを総なめにした松坂桃李さんのお2人です。今回は主演2人の豪華対談をお届け!作品についてはもちろん、映画のテーマにも通ずる、お2人にとっての「正義」や「信念」についてお聞きしてきました。
INDEX
1.初共演で味わった、芝居を通してキャッチボールする楽しさ
2.自分の信念をどう貫く? 2人の仕事観は
3.迷ったとき、指針になるのは身近な人と「自分自身」
4.ルールを守ることと、流されることはたぶん違う
5.苦しみの乗り越えかたは「対話」「お笑い」そして「時間」
初共演で味わった、芝居を通してキャッチボールする楽しさ
お2人が今作に出演しようと思った理由をお聞かせください。
理由は3つあって、まずはシム・ウンギョンさんと共演できるということ、次に藤井(道人)監督と一緒に仕事ができるということ、さらに台本の内容が純粋にエンタテインメントとしてもサスペンスとしてもおもしろいなと思ったからです。
難しいテーマの作品ですが、出演することをリスキーだとは思いませんでしたか?
誰もが自分自身に問いかけられるような内容になっていると思うし、伝えるべきものがこの作品にはちゃんとあるので、それをまっすぐに伝えたいという思いのほうが強かったですね。
私も松坂さんと同じで、映画のひとつのジャンルとして理解しました。たしかに、今の社会を反映している部分もありますが、『新聞記者』という映画は人間の話だと思っていて。この2人のような人々がきっとこの世の中には沢山いると思いますし、それがちゃんと見えたことが今作に出演したいと思うきっかけでもありました。
お2人は初共演だと思いますが、共演されたご感想は?
すごくうれしかったです。本人を前にして言うのはちょっと照れくさいんですけど、共演する前から映画で拝見していた女優さんで、まさか共演できるチャンスが来るとは思ってなかったので、本当にいい時間をすごせたなと心から思います。
実際に共演されてみていかがでしたか?
刺激がいっぱいでした。シムさんの演技は監督の言葉によってしなやかに変わっていきますし、周りに落ちているヒントを吸い取って、それをすぐに表現に変える瞬発性を目の当たりにできたのは、僕にとってはすごくいい経験になりました。
私も松坂さんのドラマ『ゆとりですがなにか』や、さまざまな出演作を拝見して、役者のいろんな顔のある方だと思いました。私もまさか共演できるなんて思っていなくて、今回共演できるのが本当にうれしかったです。実際に共演して勉強になりましたし、「私ももっと頑張らなきゃ」って思いました。
(照れて)いやいや…。
おかげで吉岡エリカというキャラクターにより集中することができましたし、松坂さんと一緒にお芝居して、芝居を通したキャッチボールの楽しさを感じられました。そういった意味でもすごく松坂さんに助けてもらいました。ありがとうございました。
こちらこそ、本当にありがとうございました。
演技力の高いお2人ですが、お互いの尊敬する演技のポイントを教えてください。
表情ひとつでいろんな感情が伝わってくるところですね。実際お芝居したときに、迷いや決意、強さだったりという感情が一気に伝わってくるのはすごいなって思いました。
松坂さんは、どんな役でもオーソドックスな芝居じゃなく、松坂さん式に理解して表現される表現者だと思っています。『ゆとり〜』もそうだったし、色んな作品を観て感じました。それぞれのキャラクターが本当に松坂さん自身のようで、どこかに本当にいる人みたいな自然さにすごく刺激をもらいましたし、私の芝居にも参考になりました。
自分の信念をどう貫く?2人の仕事観は
本作は、同調圧力の中でいかに自分を保つかというのがテーマでもあったと思うんですけど、お2人が普段仕事やプライベートで自分をどうやって保つのか、自分の信念をどうやって貫いているのかを教えてください。
信念を持ち続けることができる理由として、仕事に助けられている部分が大きいと思います。仕事を通してさまざまな作品に携わりますが、「この人はこういう感情だ」って僕が思うことによって、その役が作品の中で生きるということにつながるので。そこでわりと自分の思いが強く保たれている気はしますね。
本作の主人公たちも、周りに反対されたり衝突したりと壁がたくさんありますが、そういう衝突は怖れずに進むタイプですか?
いやぁ、僕はけっこう怖がりで、不安は絶対につきまとうものだなと思っています。特に新しい作品のクランクイン前日なんかは毎回眠れないですし。今でもそうなんですけど、「この作品、演じることができなかったらどうしよう」って、いつも不安にかられながら初日を迎えています。
私は、周りのことの前に自分自身との戦いが常にあります。自分を信じることができれば、相手のことを信頼したり、世の中のいろんな情報をちゃんと見極めたりできると思うので、できるだけ自分自身に向き合おうと思っています。
映画の中では吉岡エリカや杉原拓海が「正義感」から行動を起こしますが、お2人が何か行動を起こすときに原動力になるものはなんですか?
やっぱり「興味」が強いかもしれないです。たとえば、「この監督とやってみたい!」っていう気持ちが大きいと、その監督と仕事をするためにはどういうプロセスでたどり着けるか考えながら進んでいくというか。たどり着くまでに時間がかかったとしても、思いが強ければ強いほど行動を持続させる力が働くので、興味や好奇心を軸に動くことが多いですね。
私は、仕事の前にごはんを食べることですね(笑)。
大事ですよ、大事(笑)。
でも、私も一度興味を持つとハマっちゃうほうなので、原動力は「好奇心」かもしれません。いろんな方法で一日中調べたり、気になることがあるとすぐに「これはなんですか?」って聞いたり……とにかく質問が多いんです。たぶん、周りの方々が「うるさい」って思っているかもしれないです(笑)。
新聞記者向きかもしれないですね。
でも、吉岡みたいにスマートではないのですが(笑)。とにかく子どもの頃から、気になったことはすぐ質問して、知りたいことがあったら「すぐ解明したい!」と思うタイプでした。
迷ったとき、指針になるのは「身近な信頼できる人」と「自分自身」
吉岡も杉原も、行動を起こすときに葛藤する姿が描かれますが、お2人が迷ったときに指針としている存在、頼りにしている人物はいますか?
僕の場合は、10年ぐらい一緒に仕事をしているマネージャーさんですね。仕事面での信頼度はいちばん高いです。迷いや不満があったとしても、この人と二人三脚でやっていこうって思うくらい頼りにしていますし、意見を言い合える仲です。
言い合いになったりもするんですか?
結構しますね(笑)。お互いわりと頑固なところがあって、頑固なところを出し尽くして、最後に「じゃあこういう方向性でいきますか」みたいな。
でも、とことんぶつかりあえる人ってあんまりいないので、その存在は大きいし、マネージャーさんと二人三脚じゃなかったら間違いなくここまで来れなかったと思います。
私も事務所の方々との信頼と相談で色々と乗り越えています。これからどんな俳優になりたいかを相談して、自分に足りないところについて話しながら「次の作品ではそこをもっと補っていきましょう!」と決めるなど、仕事をするための力をもらっています。
「ルールを守ることと、ただ流されることはたぶん違う」
今作は「正義とは何か」もテーマのひとつだと思うのですが、お2人は何かを決断するときに「正義」について考えますか? また、「社会の正義」と「個人の正義」、どちらを優先させますか?
世の中にはルールというものがあるので、そこに反発しながら生きていくのは本当に難しいですよね。でも、ルールを守ることと、ただ流されることはたぶん違うと思うんです。これまで歩んできた人生の中で少しずつ作り上げた自分なりのものさしがあると思うので、流されず常に思考することが大事なんじゃないかと。
自分自身を信じることは、自分の正義につながると思います。自分の考えを否定しながら生きていくのはたぶん大変だと思うので、そこは保ちつつ「社会の正義」も考える。
でも、「社会の正義」と「個人の正義」、どちらかが0か100かの問題ではないと思います。「社会の正義」が「個人の正義」とぶつからない場合もあると思うんです。
個人が集まってできたものが社会であり、その個々の意見が集まって「社会の正義」になるのだと思うんです。たとえば法律もそうですし。一方で、「どう生きるのか」という自分の考え方も確かにあるんですけど、大事なのはどちらを選ぶかということではなくて、その両方でバランスをとることでは、と思います。
「社会の正義」の中には、時を経てだんだん変化していく部分もあり、常に検証する必要はあるように感じます。
苦しいときの乗り越えかたは「対話」「お笑い」そして「時間」
お2人は、なにかに苦しんだとき、どういう風に乗り越えていますか?
僕の場合は、ヘコむだけヘコんで、一回苦しむだけものすごく苦しんで、もうこれ以上苦しめないっていうところから気持ちがポジティブに戻っていく。その繰り返しかもしれないです。
悩んだときにすることはありますか?
仕事の話は、マネージャーさんと話したりはしますね。話しつつ解決していくというか。
あとはお笑い動画を見たりします。笑うと自分が悩んだり苦しんだりしていたことがわりとどうでもよくなるというか、「意外とちっちゃいことだったな」って思うんです。
芸人さんはホントにお芝居がうまいなって思います。間の取り方とか、「なるほど!」って思ったりします。
演技の勉強にもなっているんですね。シムさんはいかがですか?
韓国では、苦しいことは「時間が薬(時間が解決してくれる)」と言います。その時はすごくつらくて大変かもしれないですけど、時間がたつと「ああ、人生において感じるべき感情だったんだな」と思えたりするので、それは決してムダな時間ではないというか。
人は生きている限り歳をとっていきますし、経験を積むことで、似たようなことがあったとしても感じ方が変わってくると思うんですね。
だから、時間が流れていくということは本当に大切なことだなと思います。
ライター:落合由希
カメラマン:島田香
●シム・ウンギョンさん
ヘアメイク:遠山 美和子(THYMON Inc.)
スタイリスト:Babymix
●松坂桃李さん
ヘアメイク:AZUMA(M−rep by MONDO-artist)
スタイリスト:TAKAFUMI KAWASAKI (MILD)
●作品情報
映画『新聞記者』6月28日(金)新宿ピカデリー、イオンシネマほか全国ロードショー
©︎2019『新聞記者』フィルムパートナーズ
スターサンズ/イオンエンターテイメント
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2019年6月27日(木)16:00〜2019年7月11日(木)17:00
■抽選方法
・当選者は、ご応募いただいた方の中から抽選で決定させて頂きます。審査経過および結果に関するお問い合わせや苦情については応じかねます。
■当選連絡
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