【例文つき】ゼミの志望理由の書き方は? 構成やポイントをチェック!
ゼミの志望理由といっても書くことがないーーー。志望理由書を書こうと思っても、何も思いつかない、こんなケースも多いのではないでしょうか。「先生の研究に興味があり……」というだけだと具体性がなく、あまりインパクトがありませんね。
今回は「ゼミの志望理由の書き方」について徹底解説。書くことが思いつかない、という方は、もしかしたらまだ書くための材料が不足しているのかもしれません。この記事をお読みいただくことで、事前にすべき準備や、構成に沿った書き方のコツが分かるようになります。
志望理由書の例文は、400字版と500字版をご紹介しています。自分に合った方を参考にしていただき、魅力ある文面に仕上げてみてください。
▼目次
1.ゼミの志望理由書では何を見られているのか?
2.志望理由を書く前にまずすべきたった1つのこと
3.ゼミの志望理由書を書く際のポイント
4.ゼミの志望理由書はどのような構成にする?
5.ゼミの志望理由書の例文を紹介
6.意外に難しい!?『締めの一文』集
7.まとめ:見直しも忘れずに
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ゼミの志望理由書では何を見られているのか?
ゼミの志望理由書とは、名前のとおり「なぜこのゼミを志望するのか」について書くものです。ではこの志望理由書を通して教員はどんなことをチェックしているのでしょうか。それは大きく次の2点です。
・どれだけ熱意があるか
ゼミは同じ学部内でもたくさんあるものです。その中で「なぜうちのゼミを選んだのか」を見られます。たとえば「先輩がいるから」といった理由では、ゼミに入っても大きな成果は期待できないと判断されてしまうでしょう。
「なぜうちのゼミなのか」を聞くことで、どれだけそのゼミに興味を持っているのかを知る手がかりとなります。さらに「どれだけ熱意があるか」もあわせて志望理由書から読み取ることで、ゼミの研究に真剣に取り組む学生を探している、ということなのです。
ちなみに志望理由書の重要度はゼミによって異なります。さほど志望者が多くないと思われるゼミなら、志望理由書を簡単に済ませたとしても入れる可能性は高いでしょう。反対に人気のゼミでは競争率も高くなるため、志望理由書をどのように書くかが重要になってきます。
志望理由を書く前にまずすべきたった1つのこと
先ほどお伝えしたとおり、「どれだけそのゼミに興味を持っているのか」というのは志望理由書を書く上での最重要ポイントとなります。そこで、志望理由を書き始める前にまずしていただきたい、たった1つのことがあります。それは…
志望するゼミについて徹底リサーチすることです。
具体的には次のような方法が考えられます。
・ゼミの方針を理解する
・教員の出した本や論文に目を通す
・ゼミの先輩に教員のツボを聞く
・研究室を訪問して話を聞く
リサーチすることで、そのゼミに興味を持っていることをアピールしやすくなります。そして、あなたの志望理由とゼミの活動内容をリンクさせることができるようになります。志望理由が「ゼミでの研究概要」や「教員の研究テーマ」とズレていると、教員の心には刺さらないのです。
何よりも、リサーチをすることで「自分だったらこんなテーマで深掘りしてみたい」といった具体的なビジョンを持てるようになります。そうすると志望理由書に書く内容も頭に浮かびやすくなるのです。
特に、ゼミ生の先輩に話を聞くことができればベター。「自分の時はこうした」「教授はここを大切にしている」といった先輩の生の声は役立つこと間違いなしです。
ゼミの志望理由書を書く際のポイント
教授にアピールできる志望理由書に仕上げるためのポイントは次の4つです。
2.そのゼミで何をしたいのか「具体的に」伝える
3.あなたの「熱意」を伝える
4.文体は「です/ます」調で
1つ目に「自分の言葉で」伝えることがとても大切。特に競争率の高いゼミでは、どこからか引っ張ってきた言葉を並べても教員の目に留まることはないでしょう。
2は「ゼミにどのように貢献できるか」を語ることでもあります。ゼミにいい影響を与えることができる人間であることをアピールするのです。
文体は「です/ます」調を用います。「ゼミに入れてほしい」という主旨であり、依頼文になりますから、教員に失礼のないよう注意してください。
ゼミの志望理由書はどのような構成にする?
ここからは、具体的な志望理由書の構成に入っていきます。各セクションごとに文章を分けると読みやすくなります。セクションの区切りでは1行開けるなど工夫してみましょう。
2.そのゼミで何をしていきたいかの展望
3.自分のこと、長所など
4.締めの一文
1.書き始め・ そのゼミを志望する理由
・私は□□先生のゼミへの所属を志望しています。その理由は〜
・私が□□先生のゼミを志望したのは、〜からです。
書き始めは、最も言いたいことからズバリ切り込んでいきます。志望理由を書く文書ですから、志望理由を一番先に出していくというのが鉄則です。
「〜からです」と端的に理由を述べたら、
(そのまま続いて)
その理由に至った説明をします。
理由に至った説明のところは、志望理由書のいわばメインとなる部分。ここを自分の言葉で、しっかりと伝えていくのがポイントです。自分の経験にもとづく説明ができるとオリジナリティが出て、教員の目にも留まりやすくなるでしょう。
2.そのゼミで何をしていきたいかの展望
・ゼミに入ることができましたら〜していきたいと考えております。
・先生や先輩方、同級生と〜していきたいと思います。
・◯◯に関して熱く議論し、研究を深めていけることが今から楽しみです。
ここでは、今後どんなことをしていきたいかについて、熱意が伝わるように記載しましょう。
3.自分のこと、長所など
・子どもの頃から本を読むことが好きでした。
・私は明るい性格で、協調性を持って人と接するのが得意です。
(そのまま続いて)
ゼミでもその長所を活かしていきたい旨をアピールします。
自分のアピールは、文書の後半に軽く入れていきます。大学での優秀な成績については、場合によっては自慢のように受け取られてしまう可能性も。ですから成績そのものをアピールするよりも「最後までやり遂げる」「工夫して取り組める」「努力できる」のように行動の方をアピールするといいでしょう。
4.締めの一文
最後になって意外に困ってしまう『締めの一文』サンプルについても何点か集めてみましたので、後ほどまとめてご紹介します。
ゼミの志望理由書の例文を紹介
ではここまでの内容を踏まえた例文をご紹介します!
例文1:経営学部系ゼミ(500字)
担当教授 田中先生
私は田中先生のゼミへの所属を志望します。その理由は、田中先生のDXに関する著書を拝読して大変感銘を受けたからです。
実は私の実家は◯◯エリアにて工務店を営んでおります。昔からの職人は高齢化が進み、かといって若い働き手もなかなか見つからず、人手不足は深刻化しているようです。そんな中で出会ったのが田中先生の著書『▲▲▲▲』でした。
デジタル技術が産業に革命を起こすというデジタルトランスフォーメーションの考え方は衝撃でしたが、その一方で、古い体質の組織の中に組み込んでいくことの難しさも感じています。しかし、ゼミでDXの研究を深めることで、何か糸口が掴めるのではないかと希望を持てるようになったのです。
日本では建設業に限らず、さまざまな分野でDXの遅れが指摘されていると聞きます。もしゼミに入ることができましたら、DXにおける現状の課題や「どうしたらもっと推進できるか」について何らかの結果を出していきたいと強く希望しています。
好奇心が旺盛なところが自分の長所です。地元で頑張っている両親のためにも、新しいことへの好奇心を忘れず積極的に取り組んでいきたいと考えています。何とぞご検討のほど、よろしくお願い致します。
ABC大学 経営学部 経営学科
高橋太郎
これで、宛名や自分の名前部分を除いて500文字程度となります。「1000字以内で」と指示されることもあるようですが、その場合はメインとなる「理由の説明」部分を中心に、しっかり書き込んでいくようにしましょう。
例文2:法学部系ゼミ(400字)
担当教官 鈴木先生
私が鈴木先生のゼミを志望する理由は、鈴木先生の研究テーマである「SNS上での誹謗中傷に関する政策」に強い興味があるからです。
SNSでは遠方の友人や同じ趣味の人たちと簡単にコミュニケーションでき、私は多くのフォロワーに恵まれました。しかし、実は匿名でいわれのない誹謗中傷を受けた経験もあります。その頃から「誹謗中傷を受けた人々を守ってあげられる仕組みづくりがしたい」と考えるようになりました。
ABC大学に入学し、鈴木先生がSNSに関連する政策や法整備について研究されていることを知り「これだ」と思いました。鈴木先生のもとで、SNSトラブルにどんな対処法があるのか、どんな法整備がなされているのか、そしてどんな課題があるのかを明らかにしていきたいです。
私はおっとり型ですが、興味のあることにはとことん突き進む性格です。ゼミの仲間たちと切磋琢磨しつつ、研究に没頭する覚悟です。何卒よろしくお願い致します。
ABC大学 法学部 法学科
白井花子
これでおよそ400字となります。400字程度と指示されるケースも多いようですので、ここでボリューム感を掴んでおきましょう。ちなみに「400字以内」と指示されたら、8割以上、つまり320字以上は書くようにして下さい。あまり文字数が少なすぎると印象として良くありません。
意外に難しい!?『締めの一文』集
最後になって意外に悩んでしまうことの多い、「締めの一文」を集めました。
●先生や仲間たちとともに知識を深めていけることが本当に楽しみです。どうぞよろしくお願いいたします。
●先生のご指導のもと、仲間たちとより良い研究ができればと思っていますので、ぜひよろしくお願いいたします。
●仲間同士のディスカッションで色々な考え方に触れるのも何より楽しみです。ぜひご検討をよろしくお願いいたします。
●ぜひ、先生のもとでの研究の機会をいただけますよう、ご検討のほどよろしくお願いいたします。
●何とぞよろしくお願いいたします。
●ご検討をよろしくお願いいたします。
●ぜひともよろしくお願いいたします。
●何とぞご検討いただければ幸いです。
まとめ:見直しも忘れずに
今回はゼミの志望理由書の書き方について、例文つきでご紹介してきました。志望理由書を書く際は「熱意を持って」「自分の言葉で」「具体的に」伝えることを心がけてみましょう。
そしてゼミの志望理由書を書き上げたら、読み返して見直すことも忘れずに。誤字脱字があったらそれだけでマイナスイメージがついてしまいます。また、志望理由書のフォーマットが用意されている場合には、その書式にのっとって記載しましょう。教員の目に留まるような、強くアピールできる志望理由書に仕上がるといいですね。