2021年05月31日 更新
一人暮らしにおすすめのインターネット環境。失敗しない回線の選び方とは?
一人暮らしにおすすめのインターネット環境とは? インターネット回線の種類や利用料金の目安、光回線とモバイル回線の違い、賃貸マンションでの契約方法&注意点などを解説します。「テザリングだけでも大丈夫?」「セキュリティは安全?」といった一人暮らしのインターネット回線に関する疑問もスッキリ解決!
一人暮らしを始める際に、インターネット回線の契約について頭を悩ませる人は少なくありません。今回は、「そもそもネット回線が必要かどうか判断できない」「賃貸での契約方法がわからない」といった人に向けて、インターネット回線の種類や利用料金などをファイナンシャルプランナーの氏家さんに聞きました! ぜひ、暮らしを快適にするヒントにしてくださいね。
氏家 祥美
ファイナンシャルプランナー
FP事務所ハートマネー代表。家計アドバイス歴16年。お金と仕事、生活時間のバランがとれた幸福度の高い家計づくりをサポート。家庭科教科書や金融機関のコンテンツ制作セミナー等を通じて金融教育を普及している。
https://www.heart-money.net/
一人暮らしにおすすめのインターネット回線の種類
携帯電話やスマートフォンなどの契約とは異なり、一般家庭に引くインターネット回線にはさまざまな種類があります。また、回線のタイプによってニーズや満足度も変わってくるもの。まずは、一人暮らしにおすすめのインターネット回線を紹介します。
インターネットの種類(1)光回線
光回線のインターネットは、自宅に光ファイバーケーブルを引きこむことで利用できます。さらに、ケーブルを無線ルーターに繋げば家の中にWi-Fiが飛ぶようになり、電波の範囲内であれば家中どこでもインターネットを使えるようになります。代表的な光回線の会社は、「フレッツ光」「ドコモ光」「auひかり」「ビッグローブ光」「ソフトバンク光」など。
氏家さん
月額料金の相場は5,000円前後。スマートフォンと同じ会社の光回線にすることで、スマホ料金が割引になるケースがあります。
光回線のメリットは、電波が安定する上に通信速度が速いこと。同時に複数の端末をネットに繋いでも速度は落ちません。「ギガ使い放題」など、通信料を気にせず使えるパックも充実していますよ。
デメリットは、光回線を導入するのに費用や手間がかかる点です。Wi-Fiを利用したい場合は、ルーターの購入も必要です。また、持ち運びができないため外出先でノートパソコンなどを使いたい人にも不向きだといえます。
光回線は家庭向きで、パソコンやスマホ、テレビなど複数のデバイスをインターネットに繋ぎ、動画視聴やゲームなども同時に使う人に適しています。
インターネットの種類(2)モバイル回線
モバイル回線のインターネットは、携帯電話の電波を使った通信方法です。モバイルルーターで携帯電話の電波を受信して、そこからさらにWi-Fiを発信します。代表的なモバイル回線の会社は、UQモバイル系列の「UQ WiMAX」、Y!mobileによる「Pocket WiFi」などがあげられます。
モバイル回線のメリットは、月額料金の相場は4,000円前後と、光回線よりも費用を抑えられる点と、工事や設定が不要な点です。すぐに始められる手軽さと、どこにでも持ち運べる便利さも魅力的です。
氏家さん
マンションやアパートに光回線がない場合・工事ができない場合には、必然的にモバイル回線を使うことになります。
モバイル回線のデメリットは、光回線よりも電波の安定性に欠ける点です。データ使用量が増えたときに、速度制限がかかることも把握しておきましょう。使用する時間帯によっては、通信速度が遅くなることも。そもそもスマホの電波が届きにくいエリアでは、モバイルルーターの電波も届きにくいことにも注意が必要です。
モバイル回線が向いているのは、一人暮らしの人や、家の中でも外でもインターネットを使いたい人です。動画視聴やオンラインゲームなどをあまりしない人も向いています。そのほか引越しが多い人や、将来的に引越しを予定している人にも持ち運べるモバイル回線がおすすめです。
一人暮らしのインターネット使用に関するQ&A
一人暮らしでインターネットを使用するにあたり、疑問や不安もあるはず! テザリングの有効性やセキュリティ面など、インターネットを使う上で知っておきたい、Q&Aを見ていきましょう。
Q1:テザリングだけで対応できる?
テザリングとは、スマートフォンやタブレット端末をモバイルルーターの代わりとして使う方法です。インターネット回線として、テザリング機能のパフォーマンスは十分なのでしょうか?
A1:テザリングは使用量によって向き不向きが異なる
テザリング機能を使うことで、Wi-Fi環境がない場所でもパソコンでインターネットを使用できます。メールのやり取りや軽い調べもの程度なら、テザリングのみでも十分に対応できるでしょう。
氏家さん
ただし、スマートフォンなどの小さい画面よりも、パソコンの大きな画面でネットを閲覧するぶん、データ使用量はかさんでしまいます。テザリング機能を使った端末はバッテリーの消耗も早くなります。動画の閲覧やオンラインゲーム、大きなデータの送受信、オンライン通話などは、データ通信量が増えやすくなります。そのため、テザリングは仕事や授業でビデオチャットツールを多用する人には向きません。
それでもテザリングで対応する場合は、データ使い放題や20~50GB使用できるプランなど、データ容量が大きい料金プランを選ぶとよいですよ。
Q2:インターネット無料の物件だった場合、セキュリティや通信速度は大丈夫?
入居と同時にインターネットを無料で使える物件が増えてきました。インターネットで調べものくらいしかしない、という人は気にならないかもしれません。ですが、パソコンで仕事や買い物をしている人は企業情報やクレジットカード情報など、流出すると困るものもありますよね。インターネット無料の物件で、インターネットを利用しても安全なのか聞いてみました。
A2:不安や不満があるなら独自にインターネット契約をするのがおすすめ
インターネットを無料で使える物件だと工事が不要で、LANケーブルをパソコンに繋げるだけで使えるため、とてもお手軽です。しかし、回線速度については、物件側が契約している通信会社やプラン、回線の混み具合によって異なります。住んでみないとわからないというのが実情です。
氏家さん
またセキュリティについては、建物全体で同じIPアドレスを使用するため、自分でインターネットに加入するよりも弱い可能性があります。自宅でセキュリティレベルに気をつかう仕事をする場合、不安に感じるかもしれません。とはいえそうした仕事の場合、会社側からセキュリティツールなどを設定されることがほとんどです。
実際に住んでみないと快適さがわからないのがネックですが、まずは無料回線を使ってみましょう。セキュリティに不安がある、速度通信が遅いなど不安や不満を感じたら、独自にインターネット回線を契約することをおすすめします。
氏家さん
ちなみに、インターネット無料でも家賃にインターネット料金が上乗せされている場合もあります。その場合は、相場よりも高めに家賃が設定されていることも。「インターネット無料だけど家賃の高い物件」と「自分でインターネットを契約して、家賃の安い物件」のどちらがよいのか比較してみるのもよいでしょう。
Q3:インターネットの月額料金を抑えるにはどうしたらいい?
インターネットは必要なものですが、料金が高いと感じている人も多いのでは。月額料金を抑えるにはいろいろな方法がありますよ。
A3:月額料金を抑える主な方法は3つ
あまりインターネットを使わない人は、データ通信用の格安SIMを契約して、テザリングを活用することで毎月の通信費を抑えることができます。データ使用量をチェックしつつ、料金プランを上手く調節しましょう。
インターネット利用料が無料の物件を探すのもおすすめ。ただし、インターネット料金分が上乗せされている場合があるので、同条件の物件と確認してみましょう。
インターネット回線を契約する場合は、スマホ代とセットで割引される会社を選ぶのがポイント。モバイルルーターを契約する場合は、スマートフォンのデータ容量を小さいプランに切り替えることでスマホ代を節約できます。
Q4:物件によって回線は決まっているの?
A4:特定の記載があれば好きなプロバイダと契約可能
一般的に、物件に「インターネット完備」「光ファイバー対応」と記載がある場合、自分の好きなプロバイダと契約できます。これから物件を探す予定で、インターネットの使用を想定している場合は「家賃+インターネット回線」「家賃(無料インターネット付き)」といった条件で物件を比較するのがおすすめ。ただ、物件選びでは基本的にインターネット回線ありきではなく、広さや日当たりを重視しましょう。
ライフスタイルとあわせてじっくり検討してみよう
インターネットの使用頻度や求める機能は人それぞれ。契約方法や物件を決めるときは、自身のスマートフォンやパソコンでの利用状況、アプリや動画などどんな使い方が多いのかなど普段のライフスタイルを思い返して、物件で利用できるインターネット環境と照らし合わせてじっくり検討しましょう。