目次
この記事で書いている3つのポイント
①学生の場合、引越しに伴う住民票の住所変更手続きは必須ではない
②郵送での手続きは転出届のみ可能
③自分で手続きできないときは代理人による住民票の住所変更が可能
②郵送での手続きは転出届のみ可能
③自分で手続きできないときは代理人による住民票の住所変更が可能
引越したら住民票は必ず異動させなきゃいけないの?
初めて一人暮らしをする人にとって、住民票はこれまで接することがなかった人も多いでしょう。「引越したら住民票を異動させる必要がある」と聞いても、何をどうすればいいのかわからない人も多いと思います。
その前に、そもそも住民票とは何かわからない人もいると思いますので、まずは住民票がどんなものなのかご紹介します。
その前に、そもそも住民票とは何かわからない人もいると思いますので、まずは住民票がどんなものなのかご紹介します。
住民票とは
住民票とは、どこに住んでいるのかを公に証明する書類です。住民票に記載されているのは主に以下の6項目です。
- 氏名
- 生年月日
- 性別
- 住所
- 住民となった年月日
- 届け出日および従前の住所
記載されている事項に「住所」がある以上は、引越しで住所が変わるときに、住所変更の手続きが必要になります。ただ、状況によっては手続きをしなくていい場合もあります。
住民票の異動には生活拠点が変わるかどうかが重要
学生の場合は、一人暮らしで住まいが変わったからといって、卒業した後もその場所に住み続ける人ばかりではありません。卒業したら実家に戻る人の場合、一人暮らしの住所地は一時的なもので、生活拠点はずっと実家のままということもありえます。
住民票に記載されている住所を変更するのは、基本的に「生活拠点が変わること」が重要なポイントなので、学生で一時的にその場所に住むのであれば、住民票を異動させないのも認められています。
住民票に記載されている住所を変更するのは、基本的に「生活拠点が変わること」が重要なポイントなので、学生で一時的にその場所に住むのであれば、住民票を異動させないのも認められています。
住民票を異動しない場合のデメリット
5万円以下の罰金が発生することがある
住民票の異動が必要な引越しをした場合、住民基本台帳法により、手続きは引越し後14日以内に行うことが定められています。違反すると、過料という数千円~5万円以下の罰金が課される可能性があるため、注意が必要です。
ただ学生の場合は、一時的な居住で過料に該当しないこともあります。住民票の異動をしないことにより、以下の場面で不便に感じることがあるかもしれませんので、気をつけましょう。
ただ学生の場合は、一時的な居住で過料に該当しないこともあります。住民票の異動をしないことにより、以下の場面で不便に感じることがあるかもしれませんので、気をつけましょう。
必要書類が自分のもとへ届かないことがある
住民票を異動していないことによる不便な場面
- 健康保険証や年金保険料などの書類が実家に届く
- 運転免許の更新や試験などの会場が実家近くになる
- 成人式の案内や選挙の案内が実家に届く
特に影響を受けやすいのが運転免許関係です。学生生活が始まった後の運転免許証の試験や更新を行う場合は、住民票に登録されている場所へ戻る必要があります。
運転免許の試験は自動車学校卒業から1年以内、更新は誕生日の前後1か月以内に行う必要があるため、戻る時間が確保できないような場合や都度帰省するお金がもったいないと感じる人は、住民票を異動しておくようにしましょう。
運転免許の試験は自動車学校卒業から1年以内、更新は誕生日の前後1か月以内に行う必要があるため、戻る時間が確保できないような場合や都度帰省するお金がもったいないと感じる人は、住民票を異動しておくようにしましょう。
住民票の異動は難しくない。パターン別のやることまとめ
住民票の異動手続きは、同じ市区町村内で引越す場合と異なる市区町村へ引越す場合で手続きが異なります。
同じ市区町村内での引越しの場合
同じ市区町村内での引越しの場合は、最寄りの市役所などに転居届を提出するだけで手続きは完了です。窓口で住民異動届という用紙を受け取り、転居届にチェックを入れて必要事項を記入して提出すれば、新しい住所が記載された住民票を受け取れるようになります。
異なる市区町村への引越しの場合
異なる市区町村に引越しをする場合は、転出手続きと転入手続きの2回の手続きが必要です。まずは、前の住所地の市役所などで転出届を提出し、転出証明書を受け取ります。その後、新しい住所地の市役所などに転出証明書と転入届を提出すれば手続きが完了です。
住民票の異動の際は、提出する書類のほかに、運転免許証などの本人確認書類や印鑑が必要になります。
また、住民票を異動させる際には転入先でマイナンバーカード、もしくは通知カードの住所変更も一緒にするのがおすすめです。持っていくのを忘れると、手続きが二度手間になるので忘れずに準備しましょう。
住民票の異動の際は、提出する書類のほかに、運転免許証などの本人確認書類や印鑑が必要になります。
また、住民票を異動させる際には転入先でマイナンバーカード、もしくは通知カードの住所変更も一緒にするのがおすすめです。持っていくのを忘れると、手続きが二度手間になるので忘れずに準備しましょう。
住民票の異動手続きは役所に行かなくてもできるの?
引越し前に転出届を提出して転出証明書を受け取ろうと思っていたものの、忙しいなどの理由で、先に引越しが完了してしまった場合にはどうすればいいのでしょうか?
引越し後14日以内であれば、引越し前に住んでいた市区町村の役所に行って転出届の提出が可能です。そこに遅れると過料が課されることがあるので、気を付けてくださいね。
引越し後14日以内であれば、引越し前に住んでいた市区町村の役所に行って転出届の提出が可能です。そこに遅れると過料が課されることがあるので、気を付けてくださいね。
転出届は郵送で提出も可能
役所に行くのが難しい場合は、郵送での提出も受け付けています。転出する役所ホームページ上に掲載されている転出届(郵送専用用紙)を印刷し、必要事項を記入してから、切手を貼った返信用封筒と運転免許証などの本人確認書類の写し、印鑑登録証を同封します。
郵送してから1週間程度で転出証明書が送られてきますが、急いでいる場合には「速達」と記載した封筒を同封し、速達分の切手を貼っておくようにしましょう。
郵送してから1週間程度で転出証明書が送られてきますが、急いでいる場合には「速達」と記載した封筒を同封し、速達分の切手を貼っておくようにしましょう。
引越しの前後とも忙しければ代理人手続きという方法も
また、役所に手続きに行きたくても、土日にしか時間を確保できなくて手続きを行うことができない場合があります。そのような場合には代理人に依頼することでも手続きが可能です。
ちなみに、郵送手続きは転出届に限定されていて、転入届や転居届では受け付けていませんが、代理人による手続きは全ての届け出を行うことができます。
基本的には、申請者本人の自署・押印のある委任状、代理人の印鑑と本人確認書類が必要です。また、転入届を出す際には転出証明書も必要になるので注意しましょう。
ちなみに、郵送手続きは転出届に限定されていて、転入届や転居届では受け付けていませんが、代理人による手続きは全ての届け出を行うことができます。
基本的には、申請者本人の自署・押印のある委任状、代理人の印鑑と本人確認書類が必要です。また、転入届を出す際には転出証明書も必要になるので注意しましょう。
▼引越しに伴い、郵便局にはどのような手続きが必要か確認しよう
・転居届はいつまでに出せばいい? 引越したら、行政用と郵便局用2つの転居届を出そう!
・郵便の転送届はネットで手続きOK。引越し時の手続き方法
・転居届はいつまでに出せばいい? 引越したら、行政用と郵便局用2つの転居届を出そう!
・郵便の転送届はネットで手続きOK。引越し時の手続き方法
まとめ
高校卒業後の進学に伴う引越しでは、住民票の異動手続きは必要ないこともあります。しかし、運転免許証の取得・更新時や行政書類の届き先などで、不便に感じる場合があるかもしれません。
自分の状況と照らし合わせて、どうするべきか判断してみてください。
自分の状況と照らし合わせて、どうするべきか判断してみてください。
監修:矢野翔一
暮らしやお金のアドバイザー
宅地建物取引士、管理業務主任者、2級FP技能士(AFP)
関西学院大学法学部法律学科卒。
数々の保有資格を活かしながら、有限会社アローフィールド代表取締役社長として学習塾、不動産業務を手掛ける。引越しや住宅ローンといった暮らしやお金の様々な悩みに対してアドバイスを行う。