目次
なぜ住民票の転出届が必要なの?
転出届とは
転出届は、簡単に言うと「引越しをするために住民票を他の市区町村に移します」ということを、自分の住んでいる自治体へ報告する届け出です。住民票については、住民基本台帳法に「行政は住民に関する記録の管理を適正に行い、住民はそれを妨げる行為をしてはならない」と明記されています。「それを妨げる行為」とは、住所の異動について行政にわざと届け出ない、といった行為も指します。
つまり、本来転出届は、引越しの際には必ず提出しなくてはならないものです。
しかし、学生が引越しする場合、「通学のための一時的な転居」「生活の拠点は実家にある」と解釈されるため、転出届を出さなくても罰せられることはありません。
つまり、本来転出届は、引越しの際には必ず提出しなくてはならないものです。
しかし、学生が引越しする場合、「通学のための一時的な転居」「生活の拠点は実家にある」と解釈されるため、転出届を出さなくても罰せられることはありません。
転入届とは
新しく住民票を移す市区町村には転入届の提出が必要です。転入届とは「引っ越しのため新しい住所に住民票を移します」という届け出のこと。これまで住んでいた市区町村から違う場所に住む場合には「転出届」「転入届」の両方を提出することになります。期限は引っ越してから14日以内と定められており、引越し先の役所や役場に、転入届と転出証明書をあわせて提出します。代理人が提出する場合は委任状が必要となります。
転出届・転入届を出さないことのデメリット
「転出届」「転入届」を出さずに引越しをすると、どんな問題が生じるのでしょうか。
例えば、税金や年金に関する書類は、住民票に記載された住所に送付されるため、選挙や成人式の案内などは住民票のある実家へ届いてしまいます。
また転入届を出さずにいると正当な理由がない場合、5万円以下の罰則が課せれます。大学生であれば、運転免許の取得試験と初回の免許更新の時にも不便が生じるでしょう。運転免許の教習はどの場所でも受けられますが、最終の学科試験と適性試験、また初回免許更新は、住民票のある自治体で受けることが決められています。
住民票を移していなければ、試験を受けるために帰省しなければならず、引越し先が遠方ならば旅費がかかってしまいます。このようなデメリットがあることをきちんと理解しておきましょう。
例えば、税金や年金に関する書類は、住民票に記載された住所に送付されるため、選挙や成人式の案内などは住民票のある実家へ届いてしまいます。
また転入届を出さずにいると正当な理由がない場合、5万円以下の罰則が課せれます。大学生であれば、運転免許の取得試験と初回の免許更新の時にも不便が生じるでしょう。運転免許の教習はどの場所でも受けられますが、最終の学科試験と適性試験、また初回免許更新は、住民票のある自治体で受けることが決められています。
住民票を移していなければ、試験を受けるために帰省しなければならず、引越し先が遠方ならば旅費がかかってしまいます。このようなデメリットがあることをきちんと理解しておきましょう。
転出・転入届の手続きはいつまでにすればいいの?
引越し前と異なる市区町村に引っ越す場合
- 転出届:引越しの14日前~当日
- 転入届:引越し後14日以内
引越し前と同じ市区町村に引っ越す場合
- 転出届:手続きなし
- 転入届:引越し後14日以内
転出届は、市区町村にもよりますが、転出日の14日(2週間)前から、転出後14日(2週間)以内に提出しなければならない、と定められている場合がほとんどです。ただし、引越した後の市区町村に提出する転入届も、転出日から14日(2週間)以内に提出しなければならないため、早めに手続きしておいたほうがよいでしょう。
転出届はどこに出せばいいの?
引越し先にある市区町村の役所
基本的には住んでいた市区町村の役所の住民課などに提出します。役所の受付時間は基本平日8時~17時頃ですが、地域によっては時間を延長しているところもあるので、必ず最寄りの役所窓口の営業時間を確認しておくとよいでしょう。
また転入届と転居届の提出期限は、実際に引越しをしてから14日以内と法律で定められています。この期限を守らないと、市区町村から裁判所を通じて過料が科されることになるので注意しましょう。
また転入届と転居届の提出期限は、実際に引越しをしてから14日以内と法律で定められています。この期限を守らないと、市区町村から裁判所を通じて過料が科されることになるので注意しましょう。
平日に役所窓口に行けない場合
平日に本人が手続きへ行けない場合、転出届は郵送や代理で受理してもらうことも可能です。
郵送の場合、次のものを準備して同封し、市区町村の役所の窓口に送付します。
郵送の場合、次のものを準備して同封し、市区町村の役所の窓口に送付します。
- 各市町村のホームページから印刷した郵送用転出届用紙
- 本人確認書類のコピー (次章で詳しく解説)
- 返信用封筒(宛名を書き、返信用切手を貼り付けたもの)
スムーズに受理されない可能性もあるので、印鑑の押し忘れなど、届出書には不備がないかきちんと確認してから送りましょう。
代理人による申請の場合は、委任状と代理人の身分証明書・印鑑などが必要なため、注意が必要です。委任状の形式は、市区町村に用意されている場合もありますので、事前に確認しましょう。
代理人による申請の場合は、委任状と代理人の身分証明書・印鑑などが必要なため、注意が必要です。委任状の形式は、市区町村に用意されている場合もありますので、事前に確認しましょう。
引越し前に住民票の転出届を済ませた場合、デメリットはあるの?
引越し前に済ませておけば、後から忘れてしまって罰則を受ける恐れもなく、気持ちのよい新生活がスタートできますから、これといったデメリットはありません。転出届は原則として新しい住所に引越しをする前後2週間(14日)以内がよいでしょう。
転出届提出に必要なものと提出の流れ
転出届に記載する内容
転出届は、初めての引越しの場合、どう書いていいのかわかりにくい部分もあります。転出届に記す内容は、市区町村によって多少の違いはありますが、主に次のような内容が中心になっています。
- 引越しする人の氏名と生年月日
- 引越す前の住所と世帯主の氏名、続柄
- 新しい住所と世帯主の氏名(一人暮らしを始める学生の場合、自分が世帯主になります)
- 引越しする人の本籍、戸籍の筆頭者(戸籍の一番上にくる人)
- 引越した日(または予定日)
- 連絡先となる電話番号
- 申請者
この中で学生が悩んでしまうのは、本籍と続柄ではないでしょうか。
「本籍」とは、戸籍を置いている場所のことです。保護者の方に確認するか、役所で戸籍謄本(または戸籍抄本)などの写しをとることで確認ができます。
また「続柄」は、世帯主から見た本人の関係性を書きます。学生の場合、実家の時は保護者が世帯主になっていることが多いため、転出届の続柄の欄には「子」と記入します。
「本籍」とは、戸籍を置いている場所のことです。保護者の方に確認するか、役所で戸籍謄本(または戸籍抄本)などの写しをとることで確認ができます。
また「続柄」は、世帯主から見た本人の関係性を書きます。学生の場合、実家の時は保護者が世帯主になっていることが多いため、転出届の続柄の欄には「子」と記入します。
転入届に記載する内容
転入届も、市区町村によって多少の違いはありますが、主に次のような内容が中心になります。
- これまでの住所と世帯主氏名
- 引越し先の住所と世帯主氏名(世帯から独立して一人暮らしになる場合は、自分の氏名を記入しましょう。)
- 異動年月日(引越日または予定日)
- 引越する人の氏名と生年月日
- 引越する人の本籍と戸籍の筆頭者(筆頭者は戸籍の一番上にくる人で、世帯主とは違うので注意しましょう。)
- 申請者
- 連絡先電話番号
転出届・転入届を出すときに準備するもの
- 本人確認書類(運転免許証・パスポート・マイナンバーカード・写真付き住民基本台帳カードなど)
- 印鑑
- 国民健康保険証、印鑑登録証など公的機関が発行したもの(あれば)
本人確認の書類は、顔写真付きのものであれば、1点のみで本人確認の証明として通用しますが、健康保険証・学生証・国民年金手帳などの顔写真がないものの場合は、2点の提示が必要ですので注意しましょう(学生証は公的機関が発行した証明ではないため、顔写真付きでも1点の提示では認められません)。
なお、転出届の提出に手数料はかかりません。
なお、転出届の提出に手数料はかかりません。
転出届・転入届を出したあとはどうする?
転出届が受理された後に「転出証明書」が交付されますので、受取を忘れないように注意しましょう。
引越しを済ませたら、2週間以内に今度は新しい住居のある市区町村の役所で「転入届」を提出します。転出証明書は転入届を出す際に必ず必要になるので、しっかりと保管しておくことが大切です。例外として、マイナンバーカードまたは住民基本台帳カードで転出届をした場合、転出証明書は発行されません。それぞれのカードを持参するだけで、転入届の提出が可能となっています。
転入届を提出し終えて初めて、一連の手続きが終了します。転出届のみを出していて、転入届を出し忘れてしまうと、自分の住所が不明ということになってしまい、重要な書類が届かなくなることもありますので、どちらも出すのを忘れないようにしましょう。
引越しを済ませたら、2週間以内に今度は新しい住居のある市区町村の役所で「転入届」を提出します。転出証明書は転入届を出す際に必ず必要になるので、しっかりと保管しておくことが大切です。例外として、マイナンバーカードまたは住民基本台帳カードで転出届をした場合、転出証明書は発行されません。それぞれのカードを持参するだけで、転入届の提出が可能となっています。
転入届を提出し終えて初めて、一連の手続きが終了します。転出届のみを出していて、転入届を出し忘れてしまうと、自分の住所が不明ということになってしまい、重要な書類が届かなくなることもありますので、どちらも出すのを忘れないようにしましょう。
まとめ
大学生が初めて一人暮らしをする際に必要な手続きについてご紹介しました。学生の場合は転出届を出さずに引越しをすることも可能ですが、デメリットがあることも理解しておくことが大切です。届け出をする際は記載内容に不備がないかを確認し、転入届の提出期日はきちんと守るようにしましょう。この記事を参考にしながら事前に準備して、ぜひ明るい気持ちで新生活をスタートさせてくださいね。
監修: 髙野 友樹
不動産コンサルタント
これまで、不動産業界に10年以上従事してきて、現在は不動産コンサルティング事務所の代表を務める。個人の方の土地売買仲介から、不動産ファンドでの投資家への資産運用を行うアセットマネジメント業務まで、幅広く経験。 これまでの経験を生かし、現在「不動産・税金・建築・投資」等のテーマを中心に、複数のWEBメディアで監修や執筆を担当。個人・法人の契約書作成等も代行している。
【所有資格】公認 不動産コンサルティングマスター/宅地建物取引士/賃貸不動産経営管理士