2019年09月26日 更新

賃貸借契約書とは?トラブルを防ぐための各項目の読み方やポイントを紹介

不動産会社で賃貸物件を契約するときは、賃貸借契約書を出さなければいけません。しかし、はじめての一人暮らしとなると「賃貸借契約書とはそもそもなんなのか」「どのような内容が書いてあるのか」など、知らないことも多いですよね。実はどの賃貸借契約書にも記載されている内容はだいたい同じ。そこで今回は、賃貸借契約書の読み方やトラブルを防ぐための注意点をご紹介します。借主にとって不利とならないよう、賃貸物件を契約前にしっかりと確認できるようにしましょう!

賃貸借契約書とは

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賃貸借契約書とは、その名の通り「賃貸物件を借りるための契約書」のこと。賃貸借契約書に書かれていることを確認してサインをしたら、正式に契約完了となります。トラブル発生時などは契約書に書かれていることを基に処理されるため、このことを覚えておきましょう。また、契約を締結した後に途中解約を申し出ても、違約金などが発生してしまう可能性があるため、注意して下さいね。

重要事項説明書と賃貸借契約書の違い

重要事項説明書の役割

重要事項説明書とは、不動産契約をする前段階で物件に関する重要事項をまとめたものを指します。不動産は専門性が高く、わたしたち一般消費者がすべての内容を理解するのが困難なため、国が不動産業者に対して、物件などの重要事項を書面で明記するよう法律で義務づけたのです。

賃貸借契約書の役割

賃貸借契約書とは、賃貸物件を借りるための契約書のことを指します。上記の重要事項説明書の内容を確認し、契約を決めたときに記入します。賃貸条件に関する詳細の事項が明記されているので、しっかりと目を通した上で署名捺印を行いましょう。

賃貸借契約書で確認すべき重要事項

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賃貸借契約書には、賃貸物件を借りる上での条件などが記載されています。禁止事項を破ってしまうと退去を命じられることもあるため注意が必要です。主に以下の10項目が記載されているので、しっかりとチェックしましょう。
  1. 賃貸物件の契約期間と更新について
  2. 賃料や管理費および共益費、支払いや滞納について
  3. 敷金について
  4. 反社会的勢力の排除について
  5. 禁止事項について
  6. 修繕について
  7. 契約解除について
  8. 借主からの解約について
  9. クリーニング・鍵の交換などについて
  10. 特記事項について
次からは各項目にどんなことが書いてあるのか解説していきます。

1.賃貸物件の契約期間と更新について

賃貸物件の契約期間および更新の手続きについてなどが記載されています。
「毎月、いつまでに賃貸料が振り込まなくてはいけないのか」「更新料はあるのか、どのくらいかかるのか」といったことを、確認しておきましょう。

2.賃料や管理費および共益費、支払いや滞納について

賃料・管理費・共益費などの金額や支払い方法、滞納したときの延滞利率などが記載されています。
各項目の金額はもちろんのこと、支払い方法や延滞した際の延滞利率なども確認しておきましょう。

3.敷金について

敷金の金額や、退去時の原状回復、クリーニング、鍵の交換などの費用負担について記載されています。原状回復とは住み始める前の状態に戻すことです。

4.反社会的勢力の排除について

借主が反社会的勢力(暴力団など)との関与がないかを確認するための条項です。
不動産会社や大家さんが暴力団と取引、関与することを避けるために一般的に設けられている項目です。

5.禁止事項について

大家さんが禁止していることが記載されています。
たとえば、ペット飼育、楽器演奏、同居人に関する禁止事項などです。
賃貸借契約書にサインをしたら「知らなかった」「聞いていなかった」は通用しません。ルール違反のことをしてしまわないよう、しっかりと内容をチェックしておきましょう。

6.修繕について

入居予定である物件の修繕費用について記載されています。
修繕費用とは、部屋を使っている期間で劣化した部屋をもとに戻すときにかかる費用です。たとえば、畳は特別な使い方をしていなくても年月とともに日焼けしていきますが、退去時に畳の張替えを貸主側の負担とするか、借主側の負担とするかといった条件が記載されています。一般的に過失とは関係なく時間とともに勝手に劣化していくもの(経年劣化)であれば貸主側の負担であることが多いです。
ただ、貸主側の負担になるのか、もしくは、借主側の負担になるのかは、ケースによって異なります。
これらの線引きを明確にしておくことが、後のトラブルを未然に防ぐポイントです。

7.契約解除について

「禁止事項を破った場合は、退去を命ずる」といった契約解除に関する事項が記載されています。
どのような条件で契約解除となるのか、内容を把握しておきましょう。

8.借主からの解約について

引っ越しをしたくなったときに、何日前に貸主もしくは不動産会社に伝えればよいか、どう伝えればよいかが記載されています。
契約解約のために必要な期日や手続きをしっかり認識しておくことが大切です。
たとえば、「契約解約の通知は2ヵ月前までにすること」とあるにもかかわらず、通知が遅れてしまった場合、たとえそこに住んでいなくても家賃を支払わなければならなくなります。

9.クリーニング・鍵の交換などについて

貸主が借主の退去時に必ず請求してくる費用がまとまっている項目です。
契約を終了して退居する際のクリーニングや鍵交換の代金は時に高額になります。貸主側の負担または借主側の負担になるのか、確認しておきましょう。

10.特記事項について

貸主側の都合による事項です。
たとえば、「物件の清掃にかかる費用はすべて借主の負担とする」など、場合によっては借主側に大きな負担がかかる場合もあります。

トラブルの原因になりやすいこと

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上記の中でも特にトラブルの原因になりやすい事項をまとめました。具体的に内容を把握し、不明点がないよう確認しておきましょう。

ペットの認識の違いによるトラブル

「禁止事項について」の事項で、ペット飼育や楽器、同居人に関することはトラブルに発展しがちです。たとえば「熱帯魚はペットに含まれないと思っていた」と、ペットの認識の違いからトラブルが生じたケースもあります。
周りの住人がこれらの禁止条件にメリットを感じて入居している場合、ペットへの苦情や同居人の騒音などから隣人とのトラブルに発展する場合もあります。

経年劣化か故意・過失かの線引きでトラブル

次に、「修繕について」や「原状回復工事ならびにクリーニングについて」もよくトラブルになります。
一般的に借主の通常使用による破損や汚れは貸主負担、借主の故意や過失による破損や汚れは借主負担となることが多いです。
しかし、通常使用によるものなのか、故意・過失によるものなのか、判断が難しいケースもよくあります。金額が高額になるほどトラブルにも発展しやすくなるので、これらの線引きを曖昧にしておかないことが大切です。

国土交通省の「賃貸住宅標準契約書」には、これらを明瞭にするための具体例が掲載されているので、そちらをチェックするといいでしょう。

実際に、賃貸借契約書に目を通してみると「なんだか専門的な言葉が多くて分かりづらい」と感じるかもしれません。
しかし、万が一のトラブル発生時に備えて、「文章の内容を確認するのが面倒くさいから……」「何かあっても何とかなるでしょう」などといった安易な気持ちで読み飛ばし、サインをしてしまわないようしてくださいね。

まとめ

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賃貸借契約書に焦点を当てて、賃貸物件の契約を結ぶときに一体どんなことに注意すればいいのか紹介しました。賃貸借契約書の内容は、生活のルールと退居のルールを取り決めるもので、入居後の暮らしやすさにもつながります。物件選びの際は物件の雰囲気や金額だけではなく、どのような取り決めが必要なのかもよく確認するようにしましょう。
監修: 髙野 友樹
不動産コンサルタント

これまで、不動産業界に10年以上従事してきて、現在は不動産コンサルティング事務所の代表を務める。 個人の方の土地売買仲介から、不動産ファンドでの投資家への資産運用を行うアセットマネジメント業務まで、幅広く経験。 これまでの経験を生かし、現在「不動産・税金・建築・投資」等のテーマを中心に、 複数のWEBメディアで監修や執筆を担当。個人・法人の契約書作成等も代行している。

【所有資格】公認 不動産コンサルティングマスター/宅地建物取引士/賃貸不動産経営管理士

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