2020年01月21日 更新

一人暮らしのインターネット。住環境や目的別にベストな回線を紹介

一人暮らしをする際、インターネットを固定(光回線)にすべきかモバイル(ポケットWi-Fi)にすべきか悩む方も多いですよね。パソコンを使って仕事やレポート作成をすることもありますし、スマホだけでは対応が難しいこともしばしば。この記事では比較表を元に通信速度や各回線をのメリットやデメリットを紹介していきます。またスマートフォンだけで問題がないのかについても触れていますので、あなたの住環境に合ったインターネット回線選びの参考にしてください。

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インターネットの速度はどのくらいあれば快適?

インターネット回線には、インターネットを介してメールを送信したりインスタグラムに写真を掲載したりする際に使用する「上り」と、動画の視聴やサイトのページを表示する際に使用する「下り」に分けることができます。

インターネットを利用する際は何かしらのファイルをダウンロードしたりサイトを閲覧したりすることが多いので、下りの通信速度が重要です。
頻繁に大きなファイルをネット上にアップロードしなくてはならない人以外は、「上り」の回線速度は1Mbpsもあれば快適に利用できるでしょう。ただ、最近流行りのYoutuberや実況配信等を行いたい場合はこの上りの速度が非常に重要になってきます。その場合は上りも下りも最低30Mbpsは欲しい所です。

用途別の快適な通信速度

通信速度について、用途毎に快適な下りの回線速度の目安を紹介します。

  • メールやチャットなどに利用:1Mbps

  • 調べもの:1~10Mbps

  • 動画閲覧に利用:10~50Mbps

  • オンラインゲームに利用:100Mbps以上

動画閲覧に関しては、スマホで見るかテレビで見るかによってきれいにみられる画質が異なり、高画質になるほどより速い速度が必要になってきます。スマホ画面なら5Mbpsもあれば十分なことが多いですが、自宅で4K動画を見ようとすると20~25Mbps程度あると安心でしょう。

このように用途に応じて必要とされる、回線速度は違います。自分が何のためにインターネットを利用しようとしているのかをきちんと考えて契約をするようにしましょう。

固定回線・モバイル回線の比較表

固定回線 モバイル回線
料金 2,000円前後 2,000円前後
通信速度
速度制限 制限なし 制限あり
開通スピード 2週間~2ヶ月 即日
工事の有無 あり なし
外出先での使用 できない できる
引越しでの影響 あり なし

料金

固定回線の場合、戸建てプランか集合住宅プランかで料金が変わります。戸建てプランで1から工事をするとなった場合は18,000円~35,000円程度と高額になりますが、集合住宅プランであれば、工事費用は2,000円前後と安価で済む場合が多いです。そうなるとモバイル回線との金額の優劣はほとんどなくなります。

通信速度

断然、固定回線に軍配が上がります。しかし集合住宅プランの場合、ネット回線の混む時間帯になると速度が落ち、モバイル回線以下になることもしばしば。通信速度が気になる人はモバイル回線のほうがよいと言えます。

速度制限

固定回線は基本的に速度制限はかかりません(1日の通信量が尋常ではない場合、速度制限がかかる場合があります)。一方で、モバイル回線は速度制限があり、「月に○GB」という契約が一般的です。通信量が足りなくなったら買い足すという手もありますが、割高になるため注意が必要です。

開通スピード

モバイル回線の場合は、各キャリアなどで契約すると即日の開通が可能です。固定回線の場合は、最低でも2週間以上、工事が混む春先やお盆時期等は2ヶ月程度待たされる場合があります。

工事の有無

モバイル回線は工事が不要です。固定回線の場合は業者の立ち入りが必要な派遣工事、もしくは無派遣工事の必要があります。戸建てや新築マンションでは派遣工事、既存アパートでは無派遣工事の場合が多くなっています。

外出先での使用

固定回線は、文字通りで固定の回線のためその場でしか使うことができません。半固定のSoftBank AirやAU HOMEルーターなどは持ち運びできないわけではありませんが、約款に持ち運んではいけないと書いてあるため、固定回線しての使用がメインとなります。モバイル回線は、もちろん持ち運ぶことができます。しかし携帯電話と同じく、電波の強いところや弱いところ、届かないところがあります。

引っ越しでの影響

引っ越した場合、固定回線は手続きが必要です。国内の引っ越しの場合、モバイル回線は特に手続きの必要はありません。
固定回線は安定した通信速度と接続を求める人に向いており、モバイル回線は持ち歩くなどの手軽さを求める人に向いています。ネット通信量を節約するためにスマートフォンを2台持ちする人がいますが、費用がかさんでしまいますよね。モバイル回線を使えば、スマートフォンの2台持ちより通信量を節約することができます。また、複数のデバイスに接続することができるのも大きなメリットです。

固定回線のメリット・デメリット

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安定した高速度が魅力の固定回線

光ファイバーを使った「固定回線」は、安定した高速通信が可能。自宅に回線を直接引き込んで利用するので、回線が途切れるリスクが少ないです。特に有線でインターネットに繋ぐと、速度、安定性ともに無線に比べてかなりの優位性があり、動画閲覧やオンラインゲームでも十分な速度を発揮してくれるでしょう。

使えるようになるまでの時間と工事費用がネック

固定回線は、立ち会いのもとで回線を引く工事が必要です。無派遣工事と呼ばれる、人が来ずに回線仕様の切り替えスイッチを入れるだけの工事であれば、工事費用2,000円程度で指定日から使えるようになりますが、引き入れからスタートする大規模な派遣工事の場合は日程調整に時間がかかり、使えるようになるまで日数がかかります。工事費も30,000円前後と高額。

また、モバイル回線などと違って使用できる場所が自宅に限られるという点と、Wi-Fi機能付きのルーターがないと、自宅でも有線接続でしかインターネットに繋げません。

固定回線はこんな人におすすめ

固定回線は自宅でメインにインターネットを使うという人におすすめです。快適にゲームができますし、動画もスムーズに見られます。Wi-Fiを利用してさまざまな機器との連携ができるので、部屋をスマート化したい人にも良いでしょう。

外でも動画閲覧がしたいというのであれば、自宅でダウンロードしておけるサービスを利用すれば外で使えないストレスもあまりありません。

ただ、サークルやアルバイトなどでほとんど家にいない場合は、あえて契約する必要はないでしょう。

モバイル回線のメリット・デメリット

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セキュリティ付きインターネットが外で使える自由

モバイル回線は、持ち運びができるのが一番のメリットです。ルーターを持ち運びすることで、外出先で無料Wi-Fiスポットなどを探すことなくネットワークを利用した作業が可能になります。

また、無料Wi-Fiはセキュリティがかかっていないものが多いため、クレジットカードやネット銀行を利用する場合にリスクが伴うことを考えると、セキュリティのかかっているモバイル回線は安心です。

工事が必要なく、契約したらすぐにWi-Fi利用が可能になるのもポイントです。

対応エリア、速度、充電など、さまざまな制限が付く

モバイル回線には対応エリアが存在し、対応エリア圏外では使用できません。また対応エリア内であっても、時間帯や利用者が殺到するエリアでは通信速度が遅くなることがあります。

速度が速い状態でも固定の光回線より速度が出ないことも多く、加えてモバイル回線は使いすぎると利用制限がかかることもあります。後はモバイルの為、充電切れも心配な所です。人によっては持ち運ぶ必要があることで、荷物が増えるのが嫌という人もいるでしょう。

モバイルである以上、使い方をコントロールしないといけないわずらわしさからは逃れられません。

外でも快適な速度で作業がしたい人向け

モバイル回線は、外でインターネットを使うにあたって、ある程度快適な速度とセキュリティのあるインターネットを使いたいという人におすすめです。また、スマホにパソコン、タブレットといったように、複数のデバイスをネットワークに繋いで軽作業がしたい人には便利です。

外でもオンラインゲームをしたり、高画質動画をじっくり見たいとなると、速度や応答性で難がありますし、外ではスマホしか使わないようなら、スマホの契約プランを容量の多いものにしたほうが楽です。
カフェで作業する際にも、無料のWi-Fiが提供されているところが増えてきて、ちょっとしたパソコン作業であれば、学校のパソコン室やカフェで十分な場合も。よく考えて選びましょう。

スマホだけにするメリット・デメリット

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身軽さと安さのスマホオンリー

インターネットをスマホだけにするという方法もあります。スマホだけでネット環境が賄えるのであればネットにかかる費用や固定回線を引く手間の削減、支払いの簡略化もできます。
各キャリアの大容量プランは、月々の料金に対して使用できる通信料がかなり多いので、通信料の低い節約プランで我慢しながら使うよりは、大容量プランのほうがおすすめです。

主にスマホだけしか使う予定がない人や、学校のレポートなどは学校のパソコンだけで済ませられるような人におすすめです。

パソコン作業が発生しそうなら対応を考える必要あり

モバイル回線と一緒でスマホの通信量の上限が決まっているので、インターネットを使いすぎてしまって回線に制限がかかる可能性があります。シビアにコストを抑えたい場合は、自分が使う量を見極めて容量の適したプランにしないと、毎月通信制限に悩まされることになるでしょう。

また、パソコンを普段から使うのに、スマホのテザリングだけで済まそうとすると、パソコンのOSアップデートのたびにかなりの時間と通信容量を消費することになるので、自分のパソコンを持っている人にはおすすめできません。
テザリングを利用して他のデバイスをネットに接続する場合、場所や時間帯によっては通信速度が不安定になりますし、通信容量もスマホページに比べて多く、スマホの電力もかなり消費するので、その点には注意が必要です。

パソコンを持っていない人向け

インターネット回線をスマホだけで賄うのは、主にスマホだけしか使う予定がない人や、レポートなどは学校のパソコンだけで済ませられるような人でないと難しいでしょう。

自分のパソコンやタブレットで作業をする人の場合は、固定回線かモバイルーターのどちらかで考えるべきです。自宅作業がメインなら固定回線、外での作業が多いならモバイル回線がおすすめです。

回線の契約方法は?

回線の契約方法は、大きく分けて3つあります。メリット・デメリットと併せて、それぞれの契約方法についてご紹介します。
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ショップや家電量販店で契約する

・メリット
直接店舗へ足を運び、対面で説明を聞きながら契約をするので、困ったときすぐに質問することができ安心です。

・デメリット
直接店舗まで足を運ばなければいけないのが面倒、キャッシュバック額や商品券還元が少ない場合があります。

電話アポイントメントで契約する

・メリット
電話ひとつで契約することができるため、外出などの必要もなく、その場で全部終えることができます。

・デメリット
契約内容が複雑で、不要なオプションをつけられてしまう場合があります。また困ったときに電話で問い合わせをしたとしても繋がらない場合があるため、かかってきた電話で契約することは極力避けましょう。またキャッシュバックなどの還元施策の恩恵は、ほとんど受けることができません。

ネット申し込みで契約する

・メリット
自身で必要最低限の事項だけ記入するだけで契約ができるため、非常に楽です。また高額のキャッシュバックなどの恩恵を受けられたり、不安なオプションなどはきちんと電話相談をしたりすることも可能です。

・デメリット
お得な還元施策を見つけるために、若干の手間がかかる場合があります。

まとめ

スマホ以外の端末でネットワークを使わないのであれば、スマホだけでも生活に影響はないでしょうし。一方で、外出先でレポートを作成する可能性が高いのであれば、モバイル回線がおすすめです。今は気になっていないとしても、一日中SNSやゲームをしているのであれば、大学でのレポートをはじめとした自宅作業も見越して固定回線を引いておくというのもよいでしょう。

一人暮らしを始める前に、自分の生活スタイルを想像して、自身に合ったネットワーク環境を考えてみてくださいね。
監修:たろっさ
プロの家電販売員 兼 家電ライター
プロの家電販売員 兼 家電ライター。 札幌市在住。33歳。趣味はゲームと電器屋巡り。 20歳から家電量販店で働き、年間2億円、11年で25億円を売り上げた。 家電でわからないものはない家電スペシャリスト。
※掲載の価格、商品スペック等は掲載時の情報です。

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