2021年04月14日 更新

一人暮らしの電気使用量って? 平均的な電気代から節約方法まで解説

一人暮らしの平均的な電気使用量や電気代が決まる仕組み、電気代を抑える節約術、電気使用量に関するQ&Aなど、一人暮らしの電気使用量に関わる情報をさまざまな角度から解説していきます。プロのフィナンシャルプランナーに聞いた一人暮らしの電気使用量を抑えるためのコツは必見です!

電気代の請求書をなにげなく見てびっくり! 自分の電気使用量の多さに驚く人もいるのではないでしょうか。
今回は一人暮らしの平均的な電気使用量や電気代が決まるしくみ、電気代を節約する方法をフィナンシャルプランナーの氏家さんに聞きました! 電気使用量を抑えたいと考えている人は、ぜひ一人暮らしの生活にいかしてみてください。
氏家 祥美 ファイナンシャルプランナー

FP事務所ハートマネー代表。家計アドバイス歴16年。お金と仕事、生活時間のバランがとれた幸福度の高い家計づくりをサポート。家庭科教科書や金融機関のコンテンツ制作セミナー等を通じて金融教育を普及している。

https://www.heart-money.net/

一人暮らしの電気代のアレコレを知ろう!

毎月なんとなく支払っている電気代。でも、その金額がどんな仕組みで決まるか、はたまた自分の電気代が普通より高いのか安いのか、正直ピンとこない……という人も多いのでは。
まずは電気代が決まる仕組みや一人暮らしの平均的な電気代などを知っておきましょう。

1ヶ月の平均電気代と電気使用量(kWh)

2019年度の「家計調査(総務省)」によると、単身世帯の電気代の平均は1ヶ月当たり約5,700円(年間68,399円)になります。そのうち勤労者世帯の電気代は1ヶ月当たり約4,738円(年間56,866円)となっています。
氏家さん

ちなみに、電気代には電気使用量(kWh)が深く関係しています。
kWh(キロワットアワー)とは、1kW(1,000w)の電力を1時間(h)使用したときの電気量です。一般的に、家庭の電気料金は「1kWhにつき○○円」という計算式で算出されます。

この電気使用量を上手に減らすことが、一人暮らしの電気代節約の鍵となりそうですね。

出典:「家計調査結果」(総務省統計局)

電気代が決まる仕組みは?

電気代は「電気代=電気使用量(kWh)×料金単価」で料金が決まります。ただし、実際に請求される電気料金はこれで終わりではありません。
正確な電気代は、「電気料金=1)基本料金+2)電力量料金+3)再生可能エネルギー発電促進賦課金-4)口座振替割引」で計算できます。
  • 1)基本料金

    基本料金はその月の電気の使用量に関わらず、毎月定額でかかる金額です。契約アンペアが大きいほどこの金額が高くなります。 契約アンペアとは、一度に流せる電流の量のことを指します。つまり、大きい契約アンペアなら、その分一度にたくさんの家電製品を使えるのです。一度にたくさんの家電製品を使うとブレーカーが落ちてしまうのは、契約しているアンペア数が小さいことが原因です。

  • 2)電力量料金

    電力量料金は、その月の実際の電気の使用量に応じて決まります。 東京電力の一般的な家庭向け料金(従量電灯B)では、電力量料金は以下の3段階に設定されています。

    • 120kWまでは1kWあたり19円88銭
    • 120kW超~300kWまでは1kWあたり26円48銭
    • 300kW超は1kwあたり30円57銭

  • 3)再生可能エネルギー発電促進賦課金

    再生可能エネルギー発電促進賦課金とは、太陽光発電などの再生可能エネルギーの普及によって電力を買取る制度ができました。その電力を買取る際に費用を国民の電気料金に上乗せしている料金です。料金は、単価×使用量で決まります。月々の電気使用量によって、再生可能エネルギ―発電促進賦課金は比例します。

  • 4)口座振替割引

    電気代の支払いは、コンビニ払いやクレジットカード払いなど、支払い方法は多岐にわたります。少しでも電気代を抑えたいなら口座振替がおすすめ。口座振替にすると月額あたり55円が割引になります。


夏と冬の電気使用量の違いは?

夏と冬はエアコンや暖房などの稼働率があがり、電気代がかさむ季節。実は夏と冬で比べると、冬のほうが電気使用量が増えることを知っていますか?
大都市に住む単身世帯の季節ごとの、1ヶ月当たりの電気代の推移を見てみましょう。
2018年 2019年 2020年
1~3月 5,219円 5,492円 5,616円
4~6月 4,227円 4,223円 5,284円
7~9月 4,568円 3,741円 4,624円
10~12月 3,668円 4,140円 4,387円
氏家さん

表を見てわかるように、1月から3月の電気代は例年高めです。
電気料金は1ヶ月遅れで請求が来るため、家計に反映されるのは翌月から。1~3月の生活費=12~2月の電気料金と考えると、一番寒くエアコン利用が増える時期で、さらに年末年始で家にいる時間も長いためと考えられます。

夏に比べると外気温との差がより大きい冬は、エアコンのエネルギーがより多く必要となり、電気使用量も増えがち。「冬は電気代が高くなる」ということを頭の片隅に置いておきましょう。

出典:「家計調査結果」(総務省統計局)

主に電気使用量(kWh)をしめている家電はコレ!

一人暮らしの電気使用量を押さえたいと考えているなら、電力の大きい家電製品も把握しておきたいところです。経済産業省の資源エネルギー庁の調査によると、電気を消費する家電ベスト4は以下の通り。
  • 電気を消費する家電ベスト4

    1位:冷蔵庫

    2位:照明器具

    3位:テレビ

    4位:エアコン

24時間稼働している冷蔵庫や一年通して使用する照明やテレビ、そして夏や冬の必需品であるエアコンがランクインしています。

出展:「家庭でいちばん電気を消費するものは?」(経済産業省 資源エネルギー庁)

電気代を節約する方法6選!

一人暮らしの平均的な電気代や電気使用量が多くなってしまう原因がわかったところで、今度は電気代を節約する方法をチェックしましょう!

節約法1:契約アンペア数は低めに

契約アンペアが高いほど、電気代はかさんでいきます。アンペア数を低くして基本料金を抑えましょう。一人暮らしの場合、20~30アンペア数程度を目安に考えておくのがおすすめです。

節約法2:省エネ家電を使う

日々の使い方を工夫することも大事ですが、思い切って省エネ効果の高い家電に買い替えてみるのもひとつの手。古い家電はエネルギー効率が悪く、最新型のものと比べるとぐっと電気使用量が増えるので要注意です。
初期費用は高くても、長い目で見て省エネができる家電を選ぶことも重要です。

節約法3:エアコンの効率をあげる

電力消費の大きいエアコンは効率をあげて、なるべく少ない電気使用量で適温を保てるようにしましょう。
氏家さん

冬場は床までのカーテンを掛けて外の冷気が入ってこないように、夏場はすだれなどを使って直射日光が部屋に差し込まないようにすると室温の上下を和らげてくれますよ。
また、扇風機やサーキュレーターと併用して空気をうまく循環させたり、エアコンの室外機を日陰に設置したり、エアコンのフィルターをこまめに掃除したりする方法も効果的です。

節約法4:部屋着の工夫

設定温度が高くなるほど、外気温との差が広がりエアコンの電気使用量が増えていく冬場。暖房の温度をあげる前に部屋着も工夫してみましょう。厚めの靴下を履いたりいつもより1枚多めに上着を羽織ったり、あたたかい恰好を意識して設定温度を上げ過ぎないようにすると電気代を節約できますよ。

節約法5:ライフスタイルにあった料金プランを選ぶ

電力会社はそれぞれ独自の料金プランを打ち出しており、夜間の電気代がお得になるプランや土日の電気代が安くなるプランなど、その種類はさまざま。自分のライフスタイルに合った料金プランを選ぶことで、ぐっと電気代を安くできます。

節約法6:電力会社を比較しよう

氏家さん

2016年に電力が小売全面自由化されたことにより、自由に電力会社を選べるようになりました。多くの電力会社があるので、複数の会社を比較することをおすすめします。
よりお得になる電力会社を見つけることも、一人暮らしの電気代を節約するポイントですよ◎

上記以外にもできる節約方法として、照明やエアコンの切り忘れ防止を徹底したり、冷蔵庫の扉をこまめに閉める、といった日々の心がけも大切です。

電気使用量に関するQ&A

一人暮らしの電気使用量を少なくしたい!と思っていても、いざとなるとあれこれ疑問が浮かんで立ち止まってしまうことも。ここでは気になる電気使用量について、その疑問を解決していきます!

オール電化にしたら電気代は安くなる?

オール電化向けの料金プランは夜間電力が安めに設定されています。夜間に電気給湯器でお湯をまとめて沸かすなど、需要の少ない夜間電力を積極的に使うことで電気料金を抑えることができますよ。また、オール電化住宅の場合、ガスを使わないことでガスの基本料金がかからないメリットもあります。
氏家さん

ただし、在宅ワークが増えて昼間の在宅時間が増えれば、昼間に電気を多く使うのでそこまでお得ではない可能性も。また停電になったときには、調理も冷暖房もすべてストップしてしまうリスクもあります。
こうした点を踏まえると、電気とガスをセット契約してお得な料金で契約するほうがおすすめです。

契約する電力会社によって電気代って異なるの?

電力会社によって電気料金は異なります。電気・ガス・携帯などを同じ会社にすると割引料金が適用されることがあります。また、昼間不在がちで夜間の使用量が多い人向けの料金を安めに設定している会社もあります。
電気料金の比較サイトなどで、「一人暮らし」「住まいのエリア」「自分がよく電気を使う時間帯」などを入力して比較してみると、自分に合った会社、料金プランを選べるのでぜひ検索してみてください。

一人暮らしの電気使用量を見直してコツコツ節約しよう!

一人暮らしの電気代を節約するには、普段の電気使用量を把握しておくことが大切。日々の小さな節電や料金プランの見直しなどをおこない、無駄なく電気代を抑えて、その分を貯蓄にまわしたり好きなものを買ったり楽しんでいきましょう♪
※掲載の価格、商品スペック等は掲載時の情報です。

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