2021年05月28日 更新

一人暮らしの水道光熱費の平均は? 節約方法とエリア別の平均料金も解説

一人暮らしの光熱費を抑えたい人は必見! エリア別の一人暮らしの平均金額や日常でできる節約術、電気やガスの料金プランについてなど、気になる一人暮らしの光熱費のいろいろをプロのフィナンシャルプランナーの観点からじっくり解説していきます。

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電気代・ガス代・水道代は毎月必ずかかる費用ですが、癖付けさえできれば、コンスタントに節約できる項目です。そこで今回は、一人暮らしの水道光熱費の毎月の平均金額から、料金プランやそれぞれの節約術まで、フィナンシャルプランナーの氏家さんに聞いてみました! 「お金の心配」で一人暮らしが台無しにならないよう、チェックしておきましょう。
氏家 祥美 ファイナンシャルプランナー

FP事務所ハートマネー代表。家計アドバイス歴16年。お金と仕事、生活時間のバランがとれた幸福度の高い家計づくりをサポート。家庭科教科書や金融機関のコンテンツ制作セミナー等を通じて金融教育を普及している。

https://www.heart-money.net/

一人暮らしの水道光熱費。1ヶ月の平均は?

一人暮らしの1ヶ月あたりの光熱費・水道料金っていくらかかる?

2019年総務省「家計調査」によると、単身世帯の1ヶ月あたりの平均額は以下の通りです。
電気代 月額約5,700円(年間68,399円)
ガス代 月額約3,012円(年間36,139円)
水道代 月額約2,120円(年間25,434円)
氏家さん

光熱費はどれも生活に不可欠なライフラインですが、そのなかでも電気代が半分以上の割合を占めているのがわかります。電気代の上手な節約が、一人暮らしの光熱費を見直す重要な鍵となりそうですね。

エリア別だとどのくらい差があるの?

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住んでいる地域によって気温が異なるので、かかってくる光熱費の傾向もさまざまです。今回は総務省家計調査から、地方別に単身世帯の光熱費を調べました。自分の住んでいる地域の平均額を知って、ぜひ日々の節約に役立ててくださいね。

【北海道・東北地方】1ヶ月あたりの一人暮らしの光熱費平均

電気代平均 5,709円 
ガス代平均 2,931円
水道代平均 2,628円 

【関東地方】1ヶ月あたりの一人暮らしの光熱費平均

電気代平均 4,883円
ガス代平均 2,422円
水道代平均 2,211円

【北陸・東海地方】1ヶ月あたりの一人暮らしの光熱費平均

電気代平均 5,612円
ガス代平均 2,373円
水道代平均 2,283円

【近畿地方】1ヶ月あたりの一人暮らしの光熱費平均

電気代平均 4,590円
ガス代平均 2,494円
水道代平均 1,990円

【九州地方】1ヶ月あたりの一人暮らしの光熱費平均

電気代平均 4,711円
ガス代平均 2,665円
水道代平均 2,157円

物件選びによって光熱費は影響するの?

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気密性の高い新しい物件のほうが光熱費を抑えられる?

古い木造住宅は気密性が低くなりやすく、冬場は室温が温まらなかったり、反対に夏はとても蒸し暑かったり。こういった物件の場合はどうしてもエアコンの使用量が増え、気密性の高いマンションなどに比べて電気代は高くなりがちです。
氏家さん

家賃との兼ね合いもありますが、長い目で見れば、気密性が高く築年数も少ない新しい物件のほうが結果的にお得になる可能性も。一人暮らしの光熱費を抑えるためには目先の安さだけにとらわれず、長期的な目線で物件選びをしましょう。

「都市ガス」の物件だと光熱費を抑えられる!

ガスには「プロパンガス」と「都市ガス」という種類があり、どちらのガスが使われるかは地域によって分かれます。
基本的にはプロパンガスの料金は、都市ガス料金の1.8~2.0倍高いといわれています。プロパンガス会社によっては、都市ガスの1.2~1.3倍程度というところもありますが、どちらにせよ都市ガスのほうがガス料金は安いです。

物件選びのときに確認を! 地域によって違う水道代

水道代は、住んでいるエリアで料金が異なります。水源からの距離や水質、人口密度、自治体の財政状況などで、その地域の水道料金が決まってくるのです。これから一人暮らしをする人は、引っ越す前にそのエリアの水道料金もチェックしておきましょう。

一人暮らしの光熱費を賢く節約する方法

ここからは具体的な一人暮らしの光熱費の節約方法をご紹介していきます。日常でできる小さな節約術から料金プランの見直しまで、さまざまな方法を紹介しているので、一人暮らしの光熱費を抑えたいと考えている人はぜひ活用してみてください!

【電気代編】一人暮らしの光熱費を賢く節約する方法6つ

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  • 1)エアコンの設定温度1度の差が電気代を左右する

まずエアコンの節約といえば、設定温度を高くすること。条件にもよりますが、設定温度を1度あげるだけで約10%の消費電力を節約できるといわれています。
氏家さん

実際、外気と室内の温度差が大きいほど消費電力は大きくなるので、その日の外気の温度との差が大きくなりすぎないよう、可能な範囲で調節するなどして、節約効果を高めましょう。

  • 2)エアコンの風量調節を上手に使って節約効果UP!

設定温度以外に、風量調節機能を有効に使うことでも大きな節約効果が得られます。
実は、風量の強弱の調節による電気代は、設定温度が与える影響ほど大きくありません。なので一気に室温を下げたいときは、設定温度を下げるより、風量を強にするほうが◎ 早く室温を下げつつ、電気代も節約できます。
  • 3)サーキュレーターを活用する

エアコンとサーキュレーターを併用すれば、より効率的に部屋の温度を快適に保つことができ、節約につながります。
氏家さん

冷房運転時には、エアコンとは反対側にサーキュレーターを設置して、壁伝いに降りてきた空気をエアコンへ向けて送り込むようにします。暖房時は、暖かい空気がたまりやすい天井に向けて空気を循環させると効果的です。

  • 4)冷蔵庫は内部の温度が上がらないようにする

冷蔵庫が最も電力を使うのは、庫内を冷やすとき。扉の開閉が多く、開けている時間が長いと、庫内の温度が上がってしまいます。詰め込み過ぎも、冷やすために電気をたくさん使うことになるので要注意。冷蔵庫の開け閉めは最低限の回数で、ものを詰め込み過ぎず、開けたらすぐに閉めるのが節約の基本です。
  • 5)節電タップは節電にならないことも!?

待機電力節約のため節電タップを利用している人もいるかもしれませんが、実は接続しているときに光るタイプのものだと、それ自体に電気代がかかってしまい逆効果なんてもことも。
たとえば、現在のテレビはほとんど待機電力ゼロなので、気にする必要はないことも。節約しているつもりが……ということのないように、家電ごとの節約能力をチェックするようにしましょう。
  • 6)照明は白熱電球ではなくLEDにする

照明設備は、物件に備え付けられているものを使っている人が多いと思いますが、もしそれが白熱電球を使ったものなら、電気代が高くなっている可能性があります。最近は省エネ性に優れたLED電球が主流で、その節電効果は6~10倍。白熱電球は熱を持ち、冷房の効きにも悪影響をおよぼします。できることならLED電球に交換するようにしましょう。

【ガス代編】一人暮らしの光熱費を賢く節約する方法7つ

一人暮らしの場合、ガス代の多くを占めるのはガス給湯器。お湯の使用料を抑えられればガス代の節約につながります。
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  • 1)お風呂ではシャワーが節約のポイント

給湯が最も多いのがお風呂です。一人の場合は浴槽にお湯をはるより断然シャワーのほうがお得。ただし設定温度と使う時間がガス代に大きく影響します。資源エネルギー庁によれば、45℃の湯を流す時間を1分間短縮しただけで、年間約2,190円の節約にもなるといいます。
シャワーを出す時間は1分でも短く、設定温度は熱すぎないよう適温を心掛けましょう。
  • 2)節水シャワーヘッドはガス節約にも効果的!

節水シャワーヘッドはその名の通り、水の使い過ぎを防いでくれる便利グッズ。節水効果だけでなく、実はガス代の節約にも効果があります。シャワーから出る水が少ない分、ガスで温める水も少なくなるので、ガス代も低く抑えられるのです。
  • 3)洗い物は温度設定を低めに。

お風呂の次にお湯を使うシーンがキッチンで洗い物をするとき。温度設定を低めに抑えて洗い物をすることが節約の基本になります。冬場には耐えられないという方は、ゴム手袋などの使用でカバーしましょう。
  • 4)お湯を使わないときは給湯パネルをオフに

キッチンや洗面台では、お湯を使うとき以外、給湯パネルのスイッチを切っておきましょう。というのも、不用意にお湯を出してしまうことを防ぐと同時に、待機電力も抑えることにつながるので電気代の節約にもなります。
  • 5)ガスコンロの使い方も意識して

料理をするときは、「煮物」「蒸し物」「炒め物」の順でガス代がかかります。ただ、節約のために毎日炒め物というわけにもいきません。意識しておくだけで十分でしょう。
また、鍋などを火にかける際、火が強すぎて炎が鍋の横にはみ出てしまうと、加熱ロスが生じてしまうので、こちらも気を付けたいポイントですね。
  • 6)調理時はフタや落しフタを上手に活用すべし

ガス代を節約するなら、ガスを使う時間をなるべく短くすることを意識したいですね。料理をするときは、フタや落しフタ、圧力鍋などを積極的に活用すると調理時間の短縮になり、ガスの使用時間を抑えることができますよ。
  • 7)これを機にガス会社の見直しも

根本的なところで、現在使っているガス会社を見直してみるというのもあり。今はさまざまなガス会社がそれぞれのサービスや料金プランを打ち出しているので、複数のガス会社を比較し、自分に一番合うプランを探してみましょう。
氏家さん

電気・ガスの自由化の影響で、ガス料金は会社によって差があります。日々の節約に努めることももちろん大事ですが、基本に立ち返って、そもそものガス料金を見直してみてはどうでしょうか。

【水道代編】一人暮らしの光熱費を賢く節約する方法6つ

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  • 1)1ヶ月当たりの使用量を10立方メートルに抑える

多くの地域の水道料金は「基本料金+従量料金」で計算されます。従量料金の設定は、使用量が少なければ少ないほど1立方メートルごとに課金される単価も低くなるという仕組み。1ヶ月当たりの使用料が10立方メートル以上になると単価が高くなるので、ここがひとつのボーダーライン。
氏家さん

10立方メートルの水量は家庭用のお風呂で一般的な200Lの浴槽5杯分に相当します。実際にお湯をはるのは150L程度ですが、そのほか炊事・洗濯・洗面などで水を使うので、月にお湯を溜めるのは5回以内にするくらいの意識でいると、うまく10立方メートル以内に抑えられるかもしれません。

ちなみに『平成28年度生活用水等実態調査』(東京都水道局)によると一人当たりの使用水量平均は8.2立方メートル。浴槽にお湯を貯めてお風呂に入ることが多い人でない限りは、あまりオーバーすることはなさそうです。使用量は戸外にある水道メーターで確認することができるので、月の途中でチェックするようにすると、節約意識も高まりそうですね。
  • 2)シャワーヘッドを節水型に

シャワーの使用量を抑えるには、節水型のシャワーヘッドへの交換が最も手軽で効果的です。シャワーの使用時間を1日1分短くすれば、ガス代と水道代の合計で年間約3,000円の節約ができます。シャワーヘッドが取り替えられない場合は日々、使用量を少なくすることを意識してください。
  • 3)トイレは自動洗浄をオフに大小を使い分ける

最近のトイレには、自動洗浄機能がついているものが多いです。ちょっとしたことで流れてしまったり、常に大の水量を流したりとロスが多くなってしまうことも。
トイレの大で流す水量は6L、小は5L以下と1回で1L以上の差があるので使い分ければそれだけ節約になります。自動洗浄をオフにして大小を使い分けてみましょう。
  • 4)洗濯の回数を減らす

洗濯機を回す回数を減らせば水道の使用料は減ります。一人暮らしの場合毎日洗濯する必要はないので、何日分かをまとめて洗うようにしましょう。
  • 5)お風呂の残り湯を活用しよう

お風呂のお湯を洗濯に再利用するのもおすすめ。お風呂は大量の水を使いますので、お湯を沸かした日は積極的に活用しましょう。残り湯を洗濯に使用するのは衛生的に心配……という人は「洗い」のみを残り湯で、「すすぎ」に関しては水道水を使って見る方法も!
  • 6)水を出しっぱなしにしない

普段は節水しているつもりでも、食器を洗うとき、髪を洗っている間、歯磨きのときなど、日常の何気ない場面で水を出しっぱなしにしていませんか? 今一度自分の生活を見直してみて、こまめに水道を閉めるクセをつけましょう。

一人暮らしと電気・ガスの自由化について

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電気とガスの自由化。一人暮らしでもメリットあり?

誰もが一度は耳にしたことがある電気やガスの“自由化”という言葉。2016年には電気が、2017年にはガスが自由化され、さまざまな会社の料金プランから自分にあったプランを選べるようになりました。
しかし、その多くは使用量が多い家族向けのプランであるという現実も……。そこでポイントとなるのが、電気使用量が少ない一人暮らし世帯でもメリットがあるかどうかを見極めるということ。
氏家さん

使用量に関係なく割引が適用されるプランや、他業種商品とのセット契約による割引やポイント還元サービスがついたものであれば、電気会社を乗り換えることで節約につながることもあるので、自分の生活スタイルや現在契約しているその他の光熱費に関わるものに合わせて考えてみましょう。

パソコンやスマホで「一人暮らし 電気代 自由化」などと検索すると、料金プランやサービスの比較ができるサイトが簡単に見つかります。なかにはメールフォームで相談できるものも。
規約内容を見直す際は、トラブルにならないように事前に管理会社や大家さんに一度相談しておくとさらに安心です。

一人暮らしの光熱費はちょっとの節約意識で変わる!

一人暮らしの光熱費の節約はいつもの行動にちょっと節約意識をプラスするだけで、簡単にできるものばかりです。長く続ければ続けるほど効果が大きくなるのが節約。目標を達成したら自分にご褒美を用意するなど、楽しみながら続ける工夫もしてみてくださいね。
※掲載の価格、商品スペック等は掲載時の情報です。

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