まず、大まかにお伝えすると、「総合職」とは総合的な判断が必要とされる企業運営の軸となる業務に従事する正社員のことであり、「一般職」とは、正社員であることは同じですが、定型的・補助的な業務を行う社員であるため、仕事の範囲は総合職のそれほど広くない社員とされています。
次に職種ごとの特徴をご説明します。
「総合職」は将来的に管理職となることを期待された幹部候補の職員でもあるので、仕事内容は多岐にわたります。
例えば、企業内のどんな仕事にも精通するために定期的なジョブローテーション(人事異動)があり、ゼネラリスト(特定分野に限定されない広範囲な知識や技術・経験などを持つ人)としての道を進むことが多いです。
また、将来のキャリアプラン(人生の目標)によって「事務系総合職」と「技術系総合職」とに分かれている企業もあり、それまで何を学んできたかによって応募する職種を選ぶことができる企業もあります。
いずれにしても数年ごとに配置転換があり、さまざまな職種を経験しながら昇給したり、成長や昇進する機会が与えられており、企業によっては役員への道が開かれているところもあります。
しかし、場合によっては職種転換も考えられるので畑違いのところで定年を迎えたり、転勤の可能性もあります。
ただ、実績を上げれば男女の区別なく昇進や昇給もしていきます。
「一般職」は定型の仕事や総合職の補助的な仕事をすることが多く、昇進に限度があったり、あらかじめ総合職より基本給を少なくして差を設けていたり、業務の評価システムを変えていたり、住宅手当や福利厚生で総合職と差をつけている企業もあります。
ただ、原則的に引っ越しを伴う転勤はありません。
近年は入社試験のときに、総合職と一般職の両方の職種を併願できる企業があったり、入社後に職種を変更できる企業もあります。
企業によっては総合職と一般職で選考時期を変えているところもあり、どちらにするか悩んだときには両方とも応募してみるのも良いかもしれません。
また、ある一定の能力や条件がそろえば、入社時は一般職だったけれど総合職へ転換する、あるいはその逆を認めている企業もあります。
最終的には自分が正社員として入社して40年近く過ごす職業人生の中で何を優先して働きたいのか、どのように仕事をしていきたいのかを考えて、総合職と一般職のどちらが自分に合いそうなのかを考えてみる必要があるでしょう。
瀧本博史さんプロフィール(http://profile.ne.jp/pf/office-takimoto/)
オフィス瀧本 心理&キャリアカウンセラー。17年間学校法人で新卒の民間企業および公務員試験の筆記・面接対策指導を行い、就職講演や内定者向けセミナーなどを実施。また、職業訓練校ではキャリア研修担当講師とジョブカードの作成を担当。公共機関では職業紹介と相談員としてメンタル・ケアとキャリア・カウンセリングと紹介業務を行い、職業理解のためのセミナーや自治体主催の合同企業説明会の相談員などの業務を行っている。