企業は、毎年、何百~何千という自己PRに触れているのですから、特別な内容で評価されることを目指すのは困難です。しかし、文章そのものを工夫することで、自己PRの評価をアップさせることができます。
前回は、マイナス評価を受けないためのアドバイスが中心でしたが、今回は、積極的にプラス評価を狙う方法をアドバイスします。
連載第四回で紹介した自己PRの文章を工夫しました。比較して下さい。
<工夫前>
私の長所は創意工夫力です。この長所を主に発揮したのは、3年間続けている居酒屋でのアルバイトです。この経験を通し、自分の小さな努力も、お店の売上170%UPという大きな成果に繋がることを実感できました。売上UP達成までの過程では、全員で何度も意見を出し合い、良さそうなことは、どんどん実践しました。私自身は、二人連れ以上の方を特に狙ってチラシを配布する、チラシ効果を逃さず次に繋げるために、誘導やお通しを出すまでをスピーディにすることを提案しました。この結果、新人や後輩の教育を任されるようになり、時給も少し上げて頂きました。このアルバイトを通して得た自信をもとに、貴社の売上UPに貢献できるよう販売職で頑張りたいと思います。 |
<工夫後>
私の長所は創意工夫力です。それゆえ、(A)「創意工夫、これをつらぬくには、たゆまぬ努力がいる」という本田宗一郎氏の言葉を座右の銘としています。 (B)<長所を発揮した経験> 3年間続けている居酒屋でのアルバイトです。特に、お店の売上170%UPを実現する一員となれたことは、大きな自信となっています。 (B)<170%UP実現までの過程> 以下の3点を特に心掛けました。(C)
(B)<アルバイト全体を通しての自信> このように取り組んだ結果、社員から認められ、(D)新人や後輩の教育を任されるようになり、時給も少し上げて頂きました。役割や時給のアップという具体的な形で認められたことが、大きな自信となっています。このアルバイトを通して得た自信をもとに、貴社の売上UPに貢献できるよう販売職で頑張りたいと思います。 |
どのように工夫したかおわかりですか? 工夫点は、以下の通りです。
(A)一言加え、回答に付加価値をもたせる。特に自己PRでは、「座右の銘」や「モットー」を付け加えると分かりやすいです。
(B)見出しを加える。ここに何を書いているかを、相手に理解させやすくなります。
(C)箇条書き。複数のアピールがある場合、このように箇条書きすることで、より明示できます。
(D)下線。ここはポイント! という部分に読み手の注意を向けることができます。
「企画書作成」という仕事を任せるならばどちらの人がいいか? を考えてみて下さい。後者ですね。つまり、ほぼ同じ内容ながら、(A)~(D)の工夫で評価が上がったわけです。実は、これらは工夫と言えるほどのものではない誰もができる当たり前のことなのです。しかし、多くの就活生が文字を並べただけの文章を作成し、提出しているという事実があるゆえに、他社との差別化として効果的なのです。