スーツというのはなかなか着慣れないもの。就活中、自分のスタイルや着こなしに不安を持ってしまうという人も多いのではないでしょうか。今回は、就活生のファッションに関するお悩みに、スタイリング&カラーコンサルタントの都外川八恵さんにご回答いただきました。
Q.この数ヵ月の就活のストレスで太ってしまい、せっかく購入した就活スーツがきつくなってきました。パツパツになったスーツを着ていると、印象はよくないでしょうか。
A.
スーツのサイズ感を計る一つの目安として、サイズが小さくきつい所には「ヨコ」のシワが、逆に、サイズが大きくゆるい所には「タテ」のシワができます。
パツパツの度合いにもよりますが、あまりにもヨコのシワが多すぎると、確かに印象はあまりよくないかもしれません。
せっかくお手入れをして、身支度を整えても、サイズが合わないことで余計なシワができてしまうのは、とてももったいないことです。
「TPO」という言葉がありますが、Time(時)とPlace(場所)とOccasion(場面)に応じて「装いを整える」ことは社会人として必須です。
合わせて「身の丈を知る」という言葉がありますが、その本来の意味とはまた別に、「自分のサイズを知る」ということは、装いにおける基礎中の基礎、おしゃれの大前提だと思うのです。
色んな意味で、「自分自身を知っている」ということは「強さ」につながります。
就職活動においても「自己分析」は必ずやりますよね。
自分の「現在地」が見えているからこそ、自分がやるべきこと、クリアすべきことが見えてくるのです。
装いにおいても同じです。
装いにおける「現在地」を知る作業とは、自分のサイズ感とか、自分に似合う色・素材・柄・形などを知ること。
TPOや好き嫌いも含めて、こう見られたいとかこう見せたい……など、装いの「目的」は無限にありますが、現在地を無視した装いは、自分ではなく服が主役になってしまったり、服に着られてしまったりして、なんだかおかしなことになってしまうのです。
「現在地」が分からないと「目的地」が目指せない「ナビゲーション」や、「現在地」が分かって初めて行きたい「目的地」へと目指すことができる「旅」と同じですね。
今回の装いの「TPO」や「目的地」(ゴール)は、
■TPO=「就職活動」という『時』に、「会社」という『場所』で、「面接」という『場面』に着ていき、
■目的=好印象を与え、内定をもらう
ということですよね。
このゴールに向けての「現在地」(スタート地点)として、自分の正しいサイズや、自分に似合う(自分らしさを表す)色や素材や柄や形を知りましょう。
また、もしそれを知っていたとしても、それを無視した装いは、知らないことと同じと見なされてしまいます。もし、パツパツ感やヨコのシワが気になるようであれば、思いきって一度専門家に見ていただいて、サイズのお直しに出すことも一つの手です。
ぜひ、自分らしさ(現在地)から、好きな会社(目的地)へとゴールできますように。頑張ってください!
都外川八恵さんプロフィール( http://profile.ne.jp/pf/totokawa-yae/)
スタイリング&カラーコンサルタント。COCOLOR(ココカラー)代表。
「感性の理論化」が得意な「感性の理論家」。感覚や感性の世界だと思われがちなカラーやスタイリングの世界をロジカルに解説&提案するのが得意。スタイリング業界初の検定となる「ファッションスタイリング検定」を立ち上げ、その公式テキストを全面執筆。その他代表作に「配色&カラーデザイン〜プロに学ぶ永久不滅テクニック」などがある。その人の「似合う」を見極め、「なりたい」を実現するスタイリングにおいてはファッション業界のみならず、各種メディアでもとりあげられている。