就活の肝とも言われるOB・OG訪問。早い人だと3年のサマーインターン前から活動を開始している人もいるほど時期はバラバラですが、確実にやったほうがよい活動の1つです。知り合いのOB・OGを訪ねることもあれば、ゼミ、研究室、サークル、キャリアセンターなどから紹介されて連絡を取る場合もあります。フラットな状態で、働く社会人の意見が聞ける貴重な機会になるため、しっかり準備して臨むようにしましょう。 特にどんな質問をするかについては事前にしっかりと聞くべきことを整理しておく必要があります。
ここではOB・OG訪問を考えている人に向けて、OB・OG訪問で聞くべき質問や、OB・OG訪問をするのに適切な時期についてなど、知っておきたいマナーやコツをお伝えします。
目次
1.
OB・OG訪問は何のためにするの?
2.
OB・OG訪問の時期
3.
OB・OG訪問でやるべきこと
4.
OB訪問で聞いておきたい質問内容例
5.
OB訪問の依頼メールの例文をチェック!
OB・OG訪問とは、自分の興味がある業界や企業で働いている先輩を訪ねること。インターネット、企業説明会や面接などでは聞けない生の声を聞ける貴重な機会となります。自分のやりたいと思っていた仕事がより具体的にイメージできるようになるため、志望動機や自己PRにとても役立つでしょう。
また、社会人になってからも同じ業界の先輩ということで今度は社会人としてのネットワークが広がるかもしれません。そういった意味でも失礼のないように準備をして伺うようにしましょう。
最近では毎年のように解禁の時期がずれるため、数ヶ月単位でずれ込む可能性がありますが早めに動くに越したことはありません。くれぐれも、乗り遅れないように注意をしましょう。人気のOB・OGは何ヵ月も先までランチが埋まっているということもありますので、早め早めの行動が鍵です。
<一般的な企業>
・サマーインターン先を探す場合:3年の5月6月
・自己分析のためのOB・OG訪問:3年の12月から2月
・業界絞り込みのためのOB・OG訪問:3年の2月から4月
・業界内の企業研究:4年の4月から5月
・内定をもらって絞り込む場合:7月から9月
<大手総合商社、メガバンク>
大手総合商社やメガバンクの場合は希望者が非常に多いため、対策を立てるためにも複数名のOB・OG訪問を行うとよいでしょう。そのため、通常の時期よりも2ヶ月ほど前倒しして行動するようにしてくださいでしょう。
<外資系>
外資系であれば3年の5月6月のサマーインターン前、サマーインターン後の8月から10月の間がオンシーズンとなります。選考自体も早い傾向にあるので就活サイトなどで情報を収集しながら確認するようにしましょう。
OB・OG訪問でやるべきこととしては以下の3つが挙げられます。
・OB・OG訪問で到達したいゴールを決めておく
・質問のリストアップ、メモ
・社会人から見た自分を学ぶ
OB・OGの方にとってもらった時間で、あなたは何をしたいのか、何ができたらこのOB・OG訪問のゴールなのかを決めておきましょう。例えば業界研究をしたい人は業界において求められるスキルや経験、将来性を聞ければ役立ちます。自己分析をしたい人は自分が初対面で与える印象や話してみて感じる印象などを聞くことができれば就活に役立てられますよね。
自分が自己分析をしたいのか、業界研究をしたいのか、企業研究をしたいのか。あるいは入社先を決めたいのかなどの目的を決定し、「これが聞ければ◯◯が決められる!」という質問を用意しましょう。たくさん聞きたい質問があると思いますが、質問を分類してリストアップしておきましょう。時間によりますが、1時間で5つ程度に抑えると1問に対して深く聞くことができますよ。10問程度だとOB・OGの方にもよりますが、若干急ぎ足になるため、慌ただしいものになる可能性があります。5〜7問程度に抑えれば、余裕を持って話せるのではないでしょうか。
質問によっては回答の時間が長くなる可能性が考えられます。そんとため、絶対に聞きたい質問は4問、できれば聞きたい質問を3問、時間が余ったらできれば聞きたい質問は5問程度用意します。スムーズに聞けるように聞きたいものから順に優先順位にそってリストアップしておくようにしましょう。そして質問した内容は必ずメモに取り、後ほど読み返せるようにしておいてください。
また、自己分析や面接に不安がある人は社会人から見える自分の印象を聞いてみるのもよいと思います。もしかしたら、思いもよらない貴重なアドバイスを得られるかもしれませんよ。
◯OB・OGに対する質問
OB・OG訪問の事前準備として一番取り組んでおく必要があるのが、当日聞いておきたい質問を考えておくことです。質問を整理し準備しておけば、聞きたかった内容を漏れなく聞くことができ、貴重な時間を有効に使うことができます。また、質問したいことがまとまっていない状態で話し始めてしまうと、OB・OGの方も答えに困ってしまいます。よくある質問例をチェックし、自分が聞いておきたい質問をまとめておきましょう。
・その会社の志望理由と併願した企業
・その仕事のやりがいと辛いこと
・会社としてはどのような人材を求めているか
・入社してからのよい意味、悪い意味両方のギャップ
・仕事をする上で気をつけていること
・会社の雰囲気
・1日の流れなどの具体的な業務スケジュール
その先輩がどのように企業を選び、今仕事のどのような点にやりがいを感じているのかなどの上記質問を聞くことで自分の志望動機や企業を選定する基準にもなります。
◯業界研究の質問
・業界の将来性
・業界が求める人材の特徴
・業界を選んだ理由
・この業界の仕事の面白さ、辛さ
・◯◯(目指す役職者があれば)の年齢は何歳でどんな人か
業界に入ってみないとわからない出世スピードや業界地図等ではわからない業界の将来性などその業界に勤める人しかわからない情報を聞き出すことができるので、ぜひこの機会に聞いてみましょう。
◯企業研究に関する質問
・競合他社との違い
・業界のポジション争いなどの動向
・活躍している人の特徴
・その企業を選んだ決め手
・社内の雰囲気
・自分が活躍できそうか
競合他社との違いを質問しておくと、就活の面接で絶対に聞かれる「その業界の中でなぜこの会社を選んだか」という質問に答える上で役立ちます。また、順位だけではわからない業界内でのポジショニング、またその企業で活躍できる人物像とそれに対して自分の足りないところなどをヒアリングすると、今後の対策を立てることができます 。
◯内定を獲得するための質問
・学生時代力を入れていたこと
・自己PRと志望動機を見たフィードバック
・面接時の注意点、NGワードなど
・他の社員さんの紹介依頼
実際に入社されているOB・OGの経験を聞くこと、自分が作成した自己PRや志望動機を見てもらうことによって、その企業の就職試験や面接を受験する際に役立てることができます。
このようにOB・OG訪問で聞いておくべき質問にはさまざまなものがあります。割いていただいた時間でできる質問数を計算し、優先度の高いものから質問できるようリストアップしておきましょう。
学生の常識=社会人にとっては非常識となりますので依頼メールの出し方には気を配りましょう。依頼メールで入れなければならないポイントは下記の流れとなります。
・件名
・相手方の企業名→部署名→役職名→お名前
・自己紹介
・OB・OG訪問をしたいという趣旨
・OB・OG訪問の目的
・日時の提示
・結びのご挨拶
・署名
■OB・OG訪問依頼メールの例文1:業界研究目的の場合
件名:OB訪問のお願い
相手方のお名前:
株式会社◯◯
◯◯部
役職名
◯◯◯◯様
という形式で書きましょう。お名前はフルネームを書き、漢字の変換間違いや、社名、前株後株の間違いがないようによく見直しましょう。
■OB・OG訪問依頼メール例文2:内定がほしい、もしくは企業研究の場合
■聞きたい質問がたくさんある場合など
質問がたくさんある場合は、事前にメールで質問リストを送付してボリューム感や内容を伝えておくと、OB・OGの方々も準備がしやすいのでおすすめです。
いきなり送り付けると失礼にあたりますので、日程の返信が来た際に事前に目的と質問の目安数を伝えておいてください。そのうえで、「先に質問内容をお送りしたほうがよろしいでしょうか?」とお伺いしておくとよいでしょう。
■OB・OG訪問のお礼メール例文1
お礼メールは当日中に送るのが礼儀です。間違っても送り忘れや誤字脱字がないように何度も見返して送付するようにしましょう。
就活の肝と言われるOB・OG訪問について、聞いておくべき質問やOB・OG訪問をする時期、実際に訪問する際のマナーなどをご紹介しました。時期を逃さず複数の先輩にアポイントを取りOB・OG訪問することで、自分の方向性や先輩との共通点を見つけ、自己分析が深まり、業界に対する理解が深まる可能性があります。 特に年齢の近い社会人の先輩からの話は、就職活動を進める上でなにものにも変えがたい貴重な意見となります。OB・OG訪問の機会を得たらしっかりと質問を準備して臨み、伺えた話をしっかり自分の就活に反映して、よい報告ができるように努力していきましょう。
執筆:高下真美(ナレッジ・リンクス)
新卒でインターンシップ紹介、人材派遣・人材紹介のベンチャー企業に入社。ベンチャー企業から大手IT・流通・情報・サービスなど多岐に渡る業種で営業・コーディネーターを担当。その後、大手採用コンサルティング系企業で8年の勤務を経て、夫の転勤を機に退職。現在は人材系コラムの記事執筆など、フリーライターとして活動中。