学生の皆さんが、入社していきなり社会貢献をするような仕事や、何かを企画したり開発したりする仕事に就けることはとても稀(まれ)なことです。そういうことを担当する部署に配属になることはあるかもしれないけれど、実際に担当する仕事は下っ端仕事というのがほとんどだと思います。
新社会人が1年目で、徹底的にすり込まれることは、「売ること」と「利益を出すこと」です。泥臭くて、地道で、スマートな仕事ではないけれど、企業にとっては最優先命題です。
でも多くの学生は、この命題がスッポリ頭から抜けています。個人個人の「働く動機」は、色んなものがあっていいし、本音丸出しでも全然構わない。でも企業サイドから見る「働く動機」というのは、実をいうと、以下の2つしかありません。
逆に言うと、この感覚を理解できる素質を感じられない学生は、面接での評価が低くなることがあります。理屈ばかり、能書きばかりで、現実に背を向けそうな人。こういうタイプは、入社後に安易にすぐ辞めていく可能性が高いのです。
どんな業界だって、そしてどんな職種だって、表から見える華やかそうな顔があれば、裏にはドロドロした顔があります。美しい経営理念の裏側に、泥臭くお金を儲けようとする側面があるように。
今まで書いてきた、就活における「学生サイドのゴール」と「企業サイドのゴール」の温度差。一番大きな要因は、この「お金を儲ける」という部分です。
こういう切り口の志望動機を並べる人は多いです。耳ざわりもいい。口上の切り口としては、間違いないかもしれない。
でも、このことだけに終始している人は、面接のやり取りで、うまくすり抜けて内定をもらっても、入社後のギャップに悩んで、早々と退職していく可能性が強いタイプなんです。