人の死には「2種類」の別れがある…舞台となったのは、あの都⁉ 『ある魔女が死ぬまで』著者の坂さんが作品に込めた想いとは?

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©坂(電撃の新文芸/KADOKAWA刊) イラスト:コレフジ

出版甲子園実行委員会のこころ(出版甲子園実行委員会所属・新大学3年生)です。

突然ですが、もし信頼する相手からあなたがあと1年で死ぬと告げられたら、どのような気持ちになるでしょうか。ショック?悲しみ?絶望?

2025年4月からTVアニメ化もされた『ある魔女が死ぬまで』(電撃の新文芸/KADOKAWA)。魔女見習いの女の子、メグ・ラズベリーが、17歳の誕生日に師匠から1年の余命宣告を受けるという衝撃的なシーンからスタート。寿命に抗って助かる方法を師匠から教わったメグは、死を回避するために無理難題を成し遂げるべく奔走するという物語。

この物語はどのようにして誕生したのでしょうか?原作著者の坂さんにインタビューさせていただきました。

『ある魔女が死ぬまで -終わりの言葉と始まりの涙-』

十七歳の誕生日。見習い魔女のメグは、師である永年の魔女ファウストから余命宣告を受ける。呪いを解く方法は、人の嬉し涙を千粒集めて『命の種』を生み出すことだけ。メグは涙を集めるため、閉じていた自分の世界を広げ、たくさんの人と関わっていく。出会い、別れ、友情、愛情――そして、涙。たくさんの想いを受け取り約束を誓ったその先で、メグは魔女として大切なことを学び、そして師が自分に授けようとするものに気づいていく。明るく愉快で少し切ない、魔女の師弟が送るひととせの物語。

著者:著者:坂/イラスト:コレフジ 発売:2021年12月17日  定価:1,430円 (税込み)
発行:電撃の新文芸/KADOKAWA
詳細ページ:https://www.kadokawa.co.jp/product/322106001099/

坂さんがこの作品を書き始めたきっかけは何ですか?

公募の賞にチャレンジしつつ、Webでも長期連載できるものが書きたいと思って書き始めました。

いつから構想していたのでしょうか?

構想は6年ほど前からありましたが、当時は別の新人賞用の作品を書いていたため、草案から実際に書き始めるのに半年ほど間が空いています。

坂さんが原作を書く際に参考にされたという資料一覧(左)と、既刊たち(右)

どういう思いでこの作品を書いたのでしょうか?

本作は元々カクヨムというサイトで連載していたWeb小説なのですが、書き始めた時は、作品を読み終えた人が「“誰か2人くらいににオススメしたくなるようなもの”を書こう!」と思いました。

ただ、Webで人気が出るような要素は全部無視し、書きたいことを書きたいように書いたんです。そのため、本作がWebで人気になるとしたら口コミしか無いと思い、自分の全力を込めて書くようにしました。

どのキャラクターも生き生きと描かれていますが、キャラクターにモデルはいるのでしょうか?

ほとんどのキャラクターにモデルがいるんです。『ある魔女が死ぬまで』は、アニメやマンガ、実写に限らず、自分の好きな作品のキャラクターや俳優さんをモチーフにしています。自分が作る映画作品に出演する“演者”になってもらうようなイメージでキャラクター設定をしていきました。なので、割と『夢の共演』みたいなものを擬似的に実現した作品なのかなと考えています。(笑)

執筆するうえで取り入れた自身の価値観や経験があれば教えてほしいです。

大きな経験として2つあります。

1つ目は、本作の会話劇に、地元である京都での経験を活かしていることです。

僕の地元は口の悪い友人が多く(笑)、互いに酷い言葉を投げ合うような風潮があるのですが、それが“ノリ”というか…コミュニケーションの一貫になっています。本作の会話劇は、そうしたやり取りを元にしています。

©坂(電撃の新文芸/KADOKAWA刊) イラスト:コレフジ

2つ目は、自分の大切な友人や祖母が亡くなった経験です。

お葬式で大切な友人や祖母の遺体と対面した時、最初はショックが大きく、彼らの死を実感することが到底出来ませんでした…。しかしその後、ふと彼らの写真を見たり、いつもの集まりにいないことに気づいた時に「もう会えないのだな」と本当の意味で彼らの死を理解した気がします。

その時の経験から、人の死には二種類の別れが含まれるのだと思いました。現実世界で誰かが亡くなってしまうという物理的な別れと、自分自身の心がその人の死を受け入れる精神的な別れですね。そしてこの2つの別れは同時には訪れず、少しラグがあるのだと思います。『ある魔女が死ぬまで』には、この経験で感じたことを取り入れています。

©坂(電撃の新文芸/KADOKAWA刊) イラスト:コレフジ

本書を読み終えた読者に何を感じ取ってほしいですか?

作者として伝えたいテーマはありますが、それより読み終えた読者さんには、読んだ時の素直な感想や感じ方を大切にしてもらいたいです。ライトノベルとして「面白かった」でも良いと思いますし、自分の経験に当てはめて何かを感じてもらっても良いと思います。自分の感受性を大切にしてもらいたいです。

アニメがいよいよスタートしましたが、今の気持ちを教えてください。

アニメになると本当に忌憚のない意見が飛び交うので、楽しみというよりは緊張しています。(笑)

最後に、読者の学生(大学生・高校生がメインです)にメッセージをお願いいたします。

もし今、新しくやりたいことがあるなら、物怖じせずやりたいと思った瞬間に始めてほしいです!

以前友人に「私たちこの先の人生で今が一番若いんだよ」と言われハッとしたことがありました。

僕は学生時代にやりたいと思ったことを「今始めてももう遅い」と諦めた経験が何度もあります。もしあの時始めていれば、今頃は20年近い経験を得ていたはずです。

また、小説の世界では子育てや仕事が落ち着いたことをきっかけに小説を書き、3040代でプロデビューする人が割といたりします。遅い場合は50歳でデビューする人もいます。

これからの人生、何をやるにしても今が一番適したタイミングなのだと思います。逆に今以上のタイミングはこの先訪れません。なので、遅すぎると思わず、やりたいことはすぐに始めて、なるべくたくさん経験してみてください。

取材を終えて…

この作品では、主人公であるメグの心の動きがとても細かく描かれています。素直で明るくまっすぐでありながらも心の動きは繊細で、読みながら励まされたり共感したり、切なくなったりを繰り返していました。

冒頭にも述べた通り、彼女にとっては余命1年という非常事態なわけですが、それを感じさせない前向きなエネルギーと行動力で、次第に人々に認められていく過程に読んでいて胸が熱くなりました。

また他の魔女との出会いによって、今まで考えもしなかった外の世界や将来に目を向けるようになるメグの姿が随所に描かれており、彼女の世界がどんどんと広がっていく様子が、大学生になって留学や就職について真剣に考えるようになった自分と重なって、ワクワクしながら読んでいました。

ミステリアスで淡々としながらもメグへの愛情を持ったファウスト師匠、可愛らしい使い魔の動物たち、世界的な影響力を持つ偉大な魔女「七賢人」、そしてメグが暮らす街ラピスの温かい人々。それぞれがいろいろな思いを抱えながらも、メグと関わる中で泣いたり笑ったり、前向きになったりと、非常に生き生きと活躍しているキャラクターたちもこの作品の魅力の1つです。

1冊を通してとても読みやすい文章で、一気に読みきってしまいました。登場人物の掛け合いがテンポよく、思わず笑ってしまう場面もあります。その一方で死という重いテーマがこの作品全体を流れています。自分の死、避けがたい身近な人の死。将来への希望を語るあいだも、いつも脳裏に浮かぶのは自分の命に運命付けられた最期。漫才みたいな掛け合いの裏に、思わずため息をついてしまうような悲しい現実がしっかりと存在しているという、シリアスとユーモアのバランスが絶妙なところもこの作品の魅力だと感じました。

今回のインタビューに当たり、1巻を読ませていただきましたが、まだ明かされていない謎も多く、続きが非常に気になります。今後どのようにつながってくるのかという点も楽しみです。皆さんもぜひ、作品を手に取ってみてくださいね!

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取材・文/出版甲子園実行委員会 こころ
編集/学生の窓口編集部

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