「オゾン層」って今どうなってるの? #もやもや解決ゼミ
日常に潜む「お悩み・ギモン」=「もやもや」を学術的に解決するもやもや解決ゼミ。今回は、「オゾン層の現在の状態」がテーマです。
成層圏にあるオゾン層は、有害な紫外線を吸収し、地上に住む生物を守る役割を果たしています。かつては「フロンガスでオゾン層が破壊され、深刻な状況になっている」と報じられていましたが、現在はどのような状態なのでしょうか?『国立環境研究所』に答えていただきました。

オゾン層の状態は回復している
オゾン層の状態は、「最悪の時期(1990年代~2000年頃)と比べて少しは良くなっている」というのが現状です。
南極の上空でオゾン層の穴、いわゆる「オゾンホール」が日本の観測隊によって発見されたのは1982年でした。当時、オゾンホールは大きな問題として取り上げられ、現在40代の人は、小さいころに「オゾン層が破壊されて大変なことになる」と教えられたのを覚えているかもしれません。
そもそも、オゾン層は大気中にある酸素から作られるオゾンによって形成された層です。実は自然の状態でも化学反応によって一定の量が破壊されていますが、本来は、破壊される量と作られる量があるところで釣り合って、正常な濃度を保っています。しかし、フロンガスやハロンガスが多く輩出されることでそのバランスが崩れて破壊が進み、オゾンホールができたのです。
そのため、1987年に「オゾン層を破壊する物質を指定し、その物質の製造や消費などを規制すること」を目的とする「モントリオール議定書」が制定されました。この議定書を基に、各国がオゾンホールの原因であるフロンガス・ハロンガスを規制したのです。
すでに排出されてしまっているフロンガス・ハロンガスは取り除くことはできないため、すぐに規制の効果は出ず、オゾンホールの拡大は2000年ごろまで続きました。しかし、その後は規制の効果もあり、大気中のフロンガスとハロンガスの一部の濃度は低下しました。オゾン層の状態も少しずつ改善しており、成層圏の高いところ(高度40~50km)では、オゾン層が回復していることが目に見えて分かっています。オゾン層が薄くなりやすい特殊な環境の南極も、最もひどかった時期と比べると、わずかながら回復している状況です。
現在のシミュレーションでは、2066年には南極のオゾン層が1980年の状態(フロンガス・ハロンガスによってオゾンホールができる前)に戻ると推測されています。

◇けつろん!
かつては深刻な状態だったオゾン層ですが、各国が原因となるフロンガス・ハロンガスを規制したことにより、状況は好転。南極のオゾンホールも回復の兆しがわずかながら見られ、2066年には以前の状態に戻るようです。とはいえ、原因物質を規制してから36年と、長い時間がかかっています。壊れてしまった環境を戻すのは簡単なことではない――ということですね。
文:大西トタン@dcp
編集:学生の窓口編集部
記事協力:国立環境研究所 秋吉英治・山下陽介
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