声優・水瀬いのり、内山昂輝「自分の気持ちに正直にぶつかってほしい」#学生の君に伝えたい3つのこと
人生の先輩である著名人の方々から、まだまだ自由に使える時間が多い大学生のみなさんに、“学生のうちにやっておいたほうがいい3つのこと”をアドバイスしてもらおうという連載「学生の君に伝えたい3つのこと」。
今回のゲストは、現在好評放送中のTVアニメ『山田くんとLv999の恋をする』で、予期せぬ失恋に落ち込む女子大生・木之下茜を演じる水瀬いのりさんと、超イケメン高校生のプロゲーマー・山田秋斗を演じる内山昂輝さんのお2人です。
14歳で声優デビューを果たし、その後は歌手としても活躍している水瀬さんと、同じく10代の頃から役者と声優業を務めている内山さん。これまで学業と仕事を両立させてきた経験をもつお2人は、大学生にどんなエールを送ってくれたのでしょうか。
▼荻原利久さん、板垣李光人さん、もーりーしゅーとさんが登場!
学生の君に伝えたい3つのこと
声優・水瀬いのり、内山昂輝が<学生の君に伝えたい3つのこと>
1.周りをいっぱい見てみることも大事
――学⽣のうちにやっておいたほうがいいと思うことはありますか?
水瀬いのり(以下、水瀬):私は無意識に人の顔色を伺ってしまうところがあったんです。おじいちゃんやおばあちゃんにも気を遣っちゃうというか…。両親からもらったお年玉やお小遣いも「うちのお金がなくなっちゃう!」と思ってずっと使えなくて(笑)。自分ではそういう体質だと思って生きてきたんですけど、友だちに話すと「気にしすぎだよ!」って言われたりもしました。それってけっこう生きづらいと思われがちですけど、人のいろんな心の機微に気づけるようになると、“傷つけたくない”という気持ちで接することができるからか、人に頼ってもらえるようになったんです。人から相談されることもすごく多くて、「信頼してもらえてるのかも」と感じて嬉しかったりしました。学生時代って、自分のことに夢中になったり、自分に向き合うことも大切ですけど、周りをいっぱい見てみることでいろんな発見ができるんじゃないかなと思います。
2.学生のうちに“極限まで”みたいな体験をしてみる
――学生のうちに見てほしいと思うモノはありますか?
内山昂輝(以下、内山):社会人になると時間がなくなりがちなので、学生のうちにめっちゃ長い映画とかを観るのはいいと思います。僕は大学生の頃、学校の近くに名画座っていう古い映画を観られる劇場があったんで、4時間以上ある白黒の軍事裁判のドキュメンタリーとか、昔のヨーロッパ映画とかを観たりしてたんです。映画も2本立てを連続で観ると、1本が2〜3時間あったらそれだけでもう1日終わっちゃうみたいな日もあって。そういう耐久レースみたいな……(笑)、“何本立てで観る”とか“シリーズ全制覇”とか、 夏休みなんかの時間がたくさんあるときにやると、知識として役立つだけでなく、体験としてもいいんじゃないかな。仮にその映画が自分の好きなジャンルとは違うものだったとしてもやるべきだし、映画に限らず、そういう“極限まで”みたいな文化的な体験をするのがいいと思います。
3.自分の気持ちに正直にぶつかってほしい
内山:やっぱり、ひとつは人間関係じゃないですか? 仕事をしていると、新たな出会いといっても同じ業界の人たちが大半だから、そうじゃない人たちと出会っておくことは大事。学校の友だちと遊ぶっていうのは、学生時代の思い出としても大事だし、その後それぞれが社会人になってまた集まって話したりすると、気持ち的に風通しがよくなるというか、「あ、その業界、その世界ではそういう感じなんだ」って発見があるので、そういうのはやっておいてよかったなって思います。大学生の頃は今と比べると友だちと遊ぶことも多かったなと思いますし。僕は今32歳なんですけど、あれからみんなそれぞれ結婚したり、子どもが生まれたりして。子どもが生まれたからちょっと離れたところに住むとか、そういう人生のイベントがあるたびに心も距離もだんだん離れていくことが多いんですよね。だから、振り返ると、集まれるうちにたくさん集まっとくのがいいと思います。
水瀬:うん、うん。
内山:「あのとき楽しかったな」って、最近たまに思い出して切ない気分になりますね。
水瀬:あぁ……! またありますよ、楽しいこと、これから先。
ーー(笑)。
内山:もう楽しいことは何もないんだ……(笑)!
水瀬:ここは書かないようにしてもらわないと。みんな大人になるの怖くなっちゃうから(笑)。
内山:みんな大人になってしまったんだ……(笑)!
水瀬:(笑)。でも確かに、社会に出たり、家族を持ったりして年を重ねていくうちに、責任とか守らなきゃいけないものがどうしても増えていくと思うので、やりたいと思うことがあったらダメ元でぶつかっていってほしいですね。私自身、学生の頃はいろんなことに興味を持って、 自ら行動を起こすタイプだったんです。当たってくだけろ精神というか、あまり怖じ気づかずに、なんにでも興味を持って、ハマったものを追求していく、みたいな性格だったんですけど、今、大人になってから振り返ると、あの頃、自分の気持ちに正直になってよかったな、って。なので、みなさんもなにか迷っていることがあったら……大人になると、迷いにリスクとか時間が伴ってなかなか決断できなくなっちゃうので、やりたいと思うことには、ぜひ学生のうちに「ダメで元々」みたいな気持ちで挑戦してみてほしいです。もしやってみてダメだったとしても、ダメなりに見えてくるものや得るものも絶対にあると思うので、自分の気持ちに正直にぶつかってほしいな、と思います。
茜ちゃんに教わりながら演じるようにしている
ーーお2人は本作でそれぞれ、木之下茜、山田秋斗役を演じられていますが、本作で役を演じる上で特に意識していることや気をつけているところなどがあれば教えてください。
水瀬:茜ちゃんは女子大生なんですけど、私自身、これまで妹っぽいキャラクターだったり、かわいらしいキャラクターに声を当てる機会が多かったので、まずは「ちゃんと女子大生の声に聞こえるかな?」というドキドキがありました。ただ、茜ちゃんはすごく大人びた女の子というより、恋や勉強、バイトなどいろんなことにひたむきに頑張るまっすぐな女の子だったので、大人っぽさは作り込まず、「女子大生ってこんな生活なんだろうな」というのを茜ちゃんに教わりながら演じるようにしています。その上で、あまりキャラクターっぽくデフォルメされたお芝居というより、リアルな人間味がちゃんと感じられるお芝居になればいいなと思うので、声質ではなく芝居の年齢をちょっと高めに意識しながら演じるように心がけています。
内山:山田秋斗は、高校生なのにプロゲーマーで、頭のいい学校に通っていて、成績も良くて、カッコよくて……という、簡単に言ってしまうとスペック高い系なんですけど、そういうのをカッコつけた感じで表現してしまうとちょっと過剰になるというか、山田らしくないんじゃないかと思って。彼の本質的な性格はまた違っていて、自分の凄いところを人に自慢するようなタイプではないし、そのままで生きている素朴な感じなので、そういう本当の彼らしさというものを考えながら演じていきました。
ーー山田くんは茜より年下ですけど、そのあたりも意識されましたか?
内山:意識はしたんですけど、ちょっと難しい部分もあって……。
水瀬:(笑)。
内山:いのりちゃんに頼りっきりで……。
水瀬:いえいえ。逆に私がちゃんと大人に聞こえないとな、というのは最初の収録の時からドキドキしていまして。やっぱり山田くんはもう山田くんで正解というか「この声だよな」というのがあったので、 そこをより生かせるというか、より魅力的にするためにも、茜が色々引き出していくという役回りがあると思っていたので、頑張らなきゃなという気持ちでアフレコしてました。
内山:頭が上がんないです(笑)。
水瀬:(笑)。
もっと知りたいって思わせるのが山田くんの魅力のひとつ
ーー自身が演じたキャラクター、またお互いのキャラクターのどんなところに魅力を感じますか?
水瀬:私が演じる茜ちゃんは、常に生き生きとしているというか、エネルギーに満ち溢れているところがとても魅力的な女の子ですね。もちろん落ち込んだりもするんですけど、嘘がないというか、常に正直に落ち込むし、怒るし、泣くしっていう。その裏表のないまっすぐさは、同性としても「茜ちゃんみたいな子が周りにいたらいろんなお話をしたくなるな」って思います。一緒に同じものを背負って悩んでくれたり、一緒に向き合ってくれる“みんなの友だち”みたいなところもあって、それは茜ちゃんの唯一無二の魅力で、登場キャラクターたちもそういう茜ちゃんに惹かれていくというのがあるので、 自分らしくいることで輝いている茜ちゃんはすごく眩しいなと思います。
ーー山田くんについてはどうですか?
水瀬:山田くんはやっぱりずるいですね。顔良しスタイル良し頭良しみたいな、誰もが羨む存在で「こんな人いないよ!」って思うけど、人とのコミュニケーションが苦手だったり、特に異性とのコミュニケーションが難しいという弱点があって。でも、そこにはきっと何かきっかけがあったんじゃないかとか、言葉数は少ないけどその裏にいろんな思いがあるんじゃないかって思わせてくれるんですよね。ただの冷たい人ではなくて、 この人のことをもっと知りたいって思わせてくれる感じは山田くんの魅力のひとつだと思いますし、きっと視聴者のみなさんも山田くんのそんなところが気になるんじゃないかなって思います。
内山:山田くんの魅力は、性格的には人に対してぶっきらぼうで無愛想なところがありつつ、そこからのチラ見せの優しさみたいなところですね。たとえば第1話のエピソードだと、知らない間に絆創膏を買ってきてケガをした茜に渡したり、第2話では雨が降っている中で傘どうぞ、みたいな。
ーーギャップ萌えですよね。
内山:ギャップ萌えのズルいヤツ(笑)。口数は少ないけど、目の前にいる人がなんか困ってるなとか、そういうのを観察して「じゃあこれあげようかな」とか「これを持ってきてあげようかな」って気を遣えるところも徐々に見えてくるんです。パソコンを修理してあげたり、かいがいしく、優しくお世話するところもあるので、そういうところが魅力的だと思います。茜ちゃんはとにかくいい人ですよ〜。明るく優しく、ポジティブさを失わずに前を向いていこうとするキャラクターです。路上でカレーくれたりするし(笑)。そういう謎行動というか、ちょっと「大丈夫か?」っていうところもあるんですけど、でもその根底にはポジティブさと優しさと思いやりがあって。ちょっと人として尊敬してます。
「幼なじみと結婚」は“Lv999の恋”
ーー“Lv999の恋”と聞くと、単にレベルが高いというより、「これ以上ないような最高の恋」というイメージを思い浮かべたのですが、お2人は“Lv999の恋”ってどんな恋だと思いますか? ちょっと難しい質問かもしれないですが……。
内山:いや、オレ、これ答えられますね。
ーー本当ですか!?
内山:幼なじみと結婚。
水瀬:あぁ〜(と納得した様子で)!
内山:(笑)。同じ村で知り合った2人が……。
ーーえ? それ、レベル高いですか(笑)?
内山:レベル高いでしょ! なんかもう、この2人には2人しかいなかったんだ、みたいな……。
水瀬:かつ、それが初恋とかだったら……。
内山:そうそうそうそう!
水瀬:ホントにドラマみたい。
内山:それがいいなと思って。今から転生してそれを……(笑)。
ーー転生(笑)。今からじゃもう無理ですもんね。
内山:そうなんです。幼なじみもいなかったし……。
水瀬:もう詰んでるっていう感じですもんね(笑)。
内山:幼なじみと初恋からの交際、結婚……。
水瀬:確かに、なかなか真似できないことですね。
ーー水瀬さんはいかがですか?
水瀬:どうなんでしょう? 見ただけではわからないラブラブな空気感がさらにその上なのかな、みたいなことは勝手に思います。
内山:どういうこと?
水瀬:見せびらかすような感じではなくて、お互いにしかわからないポイントがあるみたいな……。
ーーイチャイチャするのではなく。
水瀬:そうですね、それはまだ子どもというか。
内山:あぁ、そういうんじゃないんだ。表面的にはサバサバした関係に見えるんだけど、押さえるところは押さえるみたいな?
水瀬:そんな感じです。で、なんか同じこと考えてたとか。たとえば、私がすごく好きなミッキーとミニーの物語(※)があるんですけど、ミッキーがお金がなくて……。
内山:ミッキー、お金あるでしょ(笑)!
水瀬:(笑)。でも、その物語の中ではお金がなくて。クリスマスプレゼントをお互いに買うんですけど、お金がないから、それぞれ自分の大切なものを売って、お金にするんですよ。でも、お互いへのプレゼントの内容が、その大切にしてたものをしまうケースだったりして……。2人とも「ありがとう」って言うんだけど、「でも、実は……」って言い出したら同じようなことを考えていた、みたいな。
内山:あら〜。
水瀬:子どもの頃、そのアニメを観たときに優しい涙があふれてきて……。「こうなりたい!」って。
内山:(笑)。確かにいい話だね。
水瀬:そう思った記憶がすごくあって。だからお互いがお互いを思い、わかりあっている関係はすごく理想的だなと思います。
内山:それ、エンディングどうなるの? 「テーマパーク作るか!」みたいな(笑)?
水瀬:(笑)。どうだったかなぁ? 確か、プルートが間に入ってきて「よかったね」みたいな、そんな優しい終わり方だったと思いますけど、すごいじんわりして……。
内山:それいいなぁ。じんわりするね。
水瀬:自分の大切なものを売れるぐらい相手を思えるというのは、本当にすごいことだと思うので、それが最高の恋なのかも、って。
※……ディズニーのアニメーション映画(オムニバス)『ミッキーのクリスマスの贈りもの』
(2000)の1エピソード「ミッキーとミニーの賢者の贈り物」
お二人から学生のみなさんに手書きのメッセージ!
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PROFILE
水瀬いのり
12月2日生まれ、東京都出身。主な代表作に、『四月は君の嘘』(メグ、瀬戸小春)『五等分の花嫁』(中野五月)、『雨を告げる漂流団地』(羽馬令依菜)、『映画ドラえもん のび太と空の 理想郷(ユートピア)』(ハンナ)、などがある。
内山昂輝
8月16日生まれ、埼玉県出身。主な代表作に、『機動戦士ガンダムUC』(バナージ・リンクス)、『ハイキュー!!』(月島蛍)、『キングダムハーツ シリーズ』(ロクサス・ヴェントゥス)、『ホリミヤ -piece-』(宮村伊澄)、『呪術廻戦』(狗巻棘)、『七つの大罪 黙示録の四騎士』(シン)などがある。
TVアニメ「山田くんとLv999の恋をする」TOKYO MX、BS11ほか各局にて毎週土曜24:30~現在放送中
彼氏がネトゲで知り合った女性と浮気し、そのまま別れを告げられてしまうというサイアクな出来事に直面した女子大生の木之下茜。話を合わせるためにネトゲをはじめていた茜の元に残ったのは、彼氏との愛と共に育んでいたはずのキャラだけだった……。ストレス発散のため、ネトゲの狩り場で暴れていた茜は、たまたま遭遇した同じギルドの「山田」に失恋の愚痴をこぼすものの、「興味はないすね」と、そっけなく返されてしまう。
だが、キレイになって元彼を見返そうと参加したオフラインイベントで、再びその言葉を耳にする。それが“山田”との、運命的な出会いだった――!
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取材・文/東海林その子
撮影/米玉利朋子