【懸賞金100万円も! 謎の生物「ツチノコ」目撃したら⁈】皆神龍太郎先生に聞いた! はじめての「ツチノコ」おどおど #あつまれ!_おどおど学生。

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大学生読者の皆さんは「ツチノコ」をご存じでしょうか。胴の部分が異常に大きく膨らんだヘビのような生き物で、日本を代表するUMA(Unidentified Mysterious Animalの略:未確認生物)です。日本全国に目撃談があって、ある意味非常に親しまれているUMAです。例えば、岐阜県東白川村はツチノコをマスコットキャラクターにして100万円を超える懸賞金をかけていたりします。

今回は、ツチノコとは何か、また「初めてツチノコを見たときどのようにすればいいのか」についてご紹介します。

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そもそもツチノコって何?

「ツチノコを見た!」という目撃談は日本全国に数多くあります※。実際にいるのかというと、これまでに何度も捕獲したという情報が出てはその都度「違った」と否定され、現在に至るも正体は謎のままです。

※北海道と南西諸島では目撃談がないという説がありますが、一部のツチノコ研究者によれば「実はそんなことはない」そうです。

外国では類似生物の目撃談は寡聞にしてとんと聞きませんので、ツチノコは日本独自のUMAといえそうです。上記のとおり、懸賞金をかけている地方自治体があるほどで、本当に見つかったら日本中が驚くでしょう。

なぜツチノコは日本でこれほど有名なUMAになったのでしょうか。しばしば日本最強のデバンカーといわれる皆神龍太郎先生に取材しました。

――そもそもツチノコってどうして有名になったのでしょうか?

皆神先生 1970年代の中盤にオカルトブームがありましたが、エッセイストの山本素石さんが『逃げろツチノコ』(1973年)という本を書きました。この本がツチノコブームに火をつけたといわれています。山本さんは実際にツチノコを探して研究に没頭した方で、この山本さんをモデルにして、田辺聖子さんが『すべってころんで』(1972年『朝日新聞』夕刊に連載)という小説を書きNHKでドラマ化もされました。また、矢口高雄さんによる漫画『幻の怪蛇バチヘビ』(1973年)が登場し、ツチノコの存在を大きく印象付けました。この3つがツチノコの認知に大きな役割を果たしたといっていいでしょう。

――オカルトブームになって、そのときに有名になったと。ツチノコは本当にいるのでしょうか。文献にそれらしい話は残っているのですか?

皆神先生 諸説あって、さかのぼれば『古事記』や『日本書紀』に記述があるという人もいます。カヤノヒメ神の別名で野椎神(のづちのかみ)と書かれてあるのだ、という説です。

最初の文献記録は1712年の寺島良安の『和漢三才図会』という説もあります。「野槌蛇」と書かれているのがツチノコだ、という話です。ただ、この本に出ている絵では、今いわれるような胴体が太くはなく、普通の蛇のような見た目をしています。

――本当にはいないのだとすると、なぜ目撃談がたくさんあるのでしょうか。ツチノコの正体とはなんだと考えられますか。

皆神先生 よくいわれるのは、大きな獲物を飲み込んで胴が膨らんだヘビを目撃したという説ですね。実際、捕獲したというツチノコを調べてみると、大きな物を飲み込んだヘビだった、妊娠して胴体が大きくなったヘビだったという例もあったはずです。

――なるほど。それは合理的に納得できる話ですね。

皆神先生 アオジタトカゲというトカゲという説もあります。昔、『上野動物園』に取材に行って抱かせてもらったことがありますが、全長30~40cmくらいのトカゲです。

――ツチノコってヘビなんじゃ……。

皆神先生 トカゲなんで足が4つあるんですが、小さな細い足で、見落とす可能性があって、ぱっと見では確かにツチノコのように見えます。

Photo(C)Peripitus

――本当だ! これはいいですね。

皆神先生 何がいいんだか(笑)。ただ、アオジタトカゲは外来種※なので、『古事記』に描かれた古代や、『和漢三才図会』や『信濃奇勝録』の当時にいたとは考えられません。

※生息地はインドネシア、オーストラリア、パプアニューギニアとされています。

――それは残念ですね。これだけ長く盛り上がってきたのにいまだに見つからないというのは「いない」という結論になるのでしょうか。

皆神先生 それは分かりません。UMA(Unidentified Mysterious Animalの略:未確認生物)は、時代を経るに従って変化しています。昔は「いない」とされた生物も、後になって発見され、「いたじゃん!」となったりしています。

例えば、ゴリラも昔はUMAでした。「そんな大きな類人猿がいるわけないじゃん」といわれていたのですが、本当にいました。ですので、いつか本当にツチノコが捕獲されて実在が証明される日がこないとも限りません。

――そう考えると夢があります。日本のあちこちでいまだにツチノコが話題になるのは夢があるからでしょうか。

皆神先生 他のUMA、例えばネス湖のネッシーなどと比べて現実味があるという点も影響しているでしょう。いってしまえば、胴体が膨らんだただのヘビですので、もしかしたら本当にいるかもしれないと考えやすいですよね。少なくとも首長竜の生き残りがまだ湖に生きているという話よりは現実的で、リアルです。もっとも、首長竜よりは夢はずっと小さくなるかもしれませんけど。

――なるほど。目撃談が多いというのは「本当にいる」という信ぴょう性に関わっているのでしょうか。

皆神先生 ツチノコという一個の客体があるわけではないのでは、と思っています。どういうことかというとUFOと同じで、本当はみんなが違う物を目撃しているんだけど、みんなでそれをUFOという同じ名前で呼ぶことによってその正体を宇宙人が乗ったエイリアンクラフトだと解釈しているわけです。恐らくツチノコの場合も、それぞれが違うものを目撃していても、形が似ているので「ツチノコ」とひとまとめにして呼称しているのではないでしょうか。

はじめて「ツチノコ」を目撃したら?

――はじめてツチノコを目撃したら、どうすればいいでしょうか? 新種の場合はサンプルとして捕獲して、生物学者に同定してもらわないといけないらしいですが。

皆神先生 確かに手順としてはそうしないといけないでしょうが、気を付けてください。ツチノコを捕まえたというので、調べてみると「ヤマカガシ」だった、というケースがあります。ヤマカガシはマムシよりも強力な毒を持ったヘビです。ツチノコだと思ってうっかり手を出してヤマカガシだったりすると、へたすると命に関わるかもしれません。ですので、「見つけた!」とはやるかもしれないのですが、あくまでも「捕獲は自己責任で行う」ということを忘れないでください。

――ありがとうございました。

解決⁈  はじめての「ツチノコ」おどおど

ツチノコについてご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。皆神先生によれば、ツチノコは、

・とてもアプローチしやすい
・いてもおかしくない
・優しいUMA

とのことでした。ただし、「あっ、ツチノコだ!」と目撃しても、ヤマカガシかもしれないので捕獲に挑むときは「自己責任」で注意してください。

デバンカーとは、超常現象やオカルトを懐疑的、科学的に調査する人のことです。

早稲田大学探検部も追った! アフリカのUMAの謎とは!?

文:高橋モータース@dcp
編集:学生の窓口編集部

取材協力:皆神龍太郎
Profile
疑似科学ウォッチャー。『と学会』運営委員。ASIOS会員。しばしば日本最強のデバンカーといわれる存在。『UFO学入門 伝説と真相』(楽工社)、『あなたの知らない都市伝説の真実:だまされるな! あのウワサの真相はこれだ! 』(学研パブリッシング)など著書多数。https://twitter.com/debunkerjp


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