【将棋のことが知りたい…】はじめての「将棋観戦」おどおど #あつまれ!_おどおど学生。
藤井聡太棋士が竜王・王位・叡王・棋王・王将・棋聖の六冠を成し遂げ、更には「名人戦」に勝って、羽生善治棋士以来、史上二人目の「七冠」達成となり、その最年少記録も更新しました。そのため、一般からの注目も熱く、「将棋って面白そう」と思う人も増えています。そこで今回は、将棋観戦の面白さについてご紹介します。
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将棋観戦の面白さとは?
将棋はテーブルゲームの一種で、一対一で棋士が対局を行います。静かな一室で対局する棋士を一般人が側でじかに見ることはできませんので、テレビやネット中継などで勝負を見守ることになります。
これが「将棋観戦」です。
ただし、テレビやネット中継でなくても、棋士の戦いのすぐ近くにいることは可能です。
メジャーな公式戦、例えば8大タイトル(後述)の対局では、地方の有名な旅館などで対局が行われることがあります。その際には将棋ファンが旅館に宿泊して、用意された解説用の部屋での一手一手を見守ります。
これも将棋観戦の一種ですが、将棋ファンばかりが一堂に会して棋士の手を固唾(かたず)を飲んで見るという得難い経験ができます。
将棋観戦の面白さは、棋士の指す手の意味を考え、次に棋士がどのような手を指すのかを推測しながら見る点にあります。
また、将棋は「みんなで見る」というのに向いています。「今の手はどうだ?」「次はこうだね」などと観戦者同士で言い合うのも将棋観戦の大きな魅力だからです。
「下手の横好き」なんていいますが、どんなヘボな指し手でも……例えば筆者のようなポンコツでも自分なりの考えはあるもので、つい愛好家同士で意見交換をしたくなるのです。「そんな手しか思いつかないからおめーはいつまでもヘボなんだ」などと言われながらも、つい言いたくなる、将棋観戦にはそんな魅力もあるのです。
将棋観戦が面白くなるには?
プロ棋士が戦う将棋を面白く見る――つまり「将棋観戦を楽しむ」には、当然ですが将棋のルールを知っていなければなりません。子供のころに将棋を指したことのある人は、将棋のルールを再度思い出しながら見てください。
また、全く将棋を知らないという人は、少なくとも各駒の動かし方など基本的な部分だけは知っておかないと面白くは見られません。棋士同士がじーっと盤面を見つめているのをただ眺めているだけになってしまいます。
まあ、それはそれで面白いかもしれませんが。
ただ、中継では初心者でも分かりやすく解説がありますので、それで盤面の状況が現在どうなっているのかを理解することはできます。この解説は棋士の先生方が行うのですが、いかにも名調子という先生もいて、「あの先生の解説が聞きたい」というファンもいます。
●おやつの時間が楽しみ!
将棋が全く分からなくても「昼食」「おやつの時間」の情報は楽しめます。将棋中継では、対局している二人の棋士が、それぞれ昼食、おやつの時間にどんなメニューを食べたのかが報告されます(写真付き)。これがけっこうおいしそうなメニューばかりで、将棋ファンからもこの情報は好評です。
●タイトル戦を見てみよう!
現在、将棋界には「8大タイトル」と呼ばれる公式戦があります。
・竜王戦
・名人戦
・王位戦
・王座戦
・棋王戦
・王将戦
・棋聖戦
・叡王戦
これらのタイトル戦では年に1回、現タイトルホルダーにし烈なトーナメントを勝ち抜いた挑戦者が挑みます。一つを獲得するだけでも大変なのですが、かつてこの全てを同時に持っていたことがあるのは羽生善治棋士だけでした。羽生先生は史上初めて七冠を達成(当時は叡王がなかった)。
2023年4月20日現在、藤井聡太棋士は六冠で竜王・王位・叡王・棋王・王将・棋聖のホルダーです。羽生先生を上回る史上初の八冠を達成するのではないか、と期待されています。8大タイトル戦は大いに盛り上がりますので、タイトル戦に注目して将棋観戦を始めるのもいいでしょう。
●中継を見守るファンの声も楽しい!
将棋観戦はネットと相性がよく、盤面の状況によっては、それを見守るファンの声援やツッコミが面白くなることがあります。ファンの反応を見ながら観戦するというのも将棋観戦の楽しみの一つなのです。
●将棋ソフトの評価も面白い!
将棋の対局の中継では、中央に現在の盤面が、左右に先手、後手の棋士の顔を抜いたワイプ映像、取った駒が表示されます。最近では上部に、将棋ソフトが評価した現在の棋士のポイントが表示されるようになっています。これでどちらの棋士が今有利なのかが素人でも分かります。また次の「お勧めの一手」も出たりします。この評価を見ながら観戦するのもいいでしょう。
●応援する棋士を見つけてみよう!
応援する棋士を見つけて、その人の対局を追い続けるというのも一つの将棋観戦の方法です。棋士の人となりを知ると、その人に共感を覚え「あっ、この人応援しよう」となるものです。棋士から入って将棋、将棋観戦が好きになるというのも全然アリ。
筆者などは渡辺明名人を応援しているのですが、渡辺名人の奥様は漫画家の「伊奈めぐみ」先生です。伊奈先生は、普段の渡辺名人を題材に『将棋の渡辺くん』という漫画を『別冊少年マガジン』で連載中です。筆者はこれを読んで渡辺名人を応援するようになりました。
解決!! はじめての「将棋観戦」おどおど
将棋を見ることはとても面白いのですが、難点はスポーツ観戦と違って、ルールが分からなくても面白いとはならないことです。しかし、子供のころに少しでも将棋に触れたことがあるなら、将棋観戦を楽しんでみませんか。深みにハマってしまうかもしれませんよ。
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文:高橋モータース@dcp
編集:学生の窓口編集部
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