ヒャダインが教える「仕事とプライベートを両立させる方法」 自分がすべきこととすべきでないことを見極めよう
学生が抱えるさまざまな不安や悩みを著名人に聞き、突破口になるアドバイスをいただく本企画。今回、相談に乗ってくれたのは、ももいろクローバーZをはじめ、多くのアーティストへの楽曲提供やタレント活動で知られる音楽クリエイターのヒャダインさんです。さまざまな分野で活躍し、多忙な日々を送るヒャダインさんに、「仕事とプライベートを両立する方法」について聞きました。
大学生のうちに、チャレンジしたいこと、できるようになりたいもの、自分1人で落ち着いてじっくり取り組みたいものがあるのに、周りから依頼される音楽の仕事とたくさんの大学の課題、さらには練習時間や依頼などにも時間を削られて、自分の事や思い描くプライベートは後回しになってしまいます。ヒャダインさんはたくさんの音楽の依頼を受ける音楽のプロですが、どのように仕事を受け入れて、自分の生活も両立していますか?
音楽学部/女性/23歳(大学院生)/東京都在住
依頼を断ったことで逆に価値が上がることもある
周りの音楽の仕事を断っちゃえばいいのに。まず音楽の仕事を頼まれていることが、この人はたぶん嫌じゃないですよね。頼られていることがうれしそうですし。“依頼”って言葉が2回以上出ているから、「頼られている自分が好き」みたいな感じはあると思うんです。忙しい自慢、みたいな。
忙しい自慢って、すごくダサいなといつも思っていて。忙しいということは「自分のタイムマネジメントがうまくできていない」ということですから。この人は、効率の悪いことをしているんだろうな、というイメージはあります。
僕は、自分のこと忙しいと思ったことはなくて、周りのみなさんから「忙しいでしょう」ってめっちゃ言われるんですけど、全然忙しくないんです。その大きな理由が、33、4歳くらいのときに、つんく♂さんに言われた「自分がやらなあかんもの、人に任せていいものというのは絶対あるから、ヒャダオがせんでええことはせんでええよ」って言葉。「あ、楽になった」と思ったんです。
それまでは、頼られるうれしさとか責任感とか、今まで売れてこなかったので、お仕事をくれることがありがたいから、全部こなさなきゃと思っていたんですけど、そう言われて楽になった。あと、所属事務所の偉い人にも「仕事は断ったほうが価値が上がる」と言われたことがあるんです。仕事は全部受けるんじゃなくて、断ったほうが価値があることもある。
多分この人は、いろいろな音楽の仕事とか依頼を受けている。そこに自分のアイデンティティを見つけているのかもしれないですし、居場所を見つけているかもしれない。ですが、逆に僕がもらった言葉たちからすると、いっぱい受けていたら安っぽくなるんです。もちろんたくさん仕事をこなすことはいいことだとは思いますが。
もしもそこに、「いっぱい仕事を受けることをスタンスとしてやっています」というポリシーがないのだったら、自分の価値を上げるためにも、自分がすべきこと、しなくていいことの選別をすればいいんじゃないですか。それをするようになって、僕はすごく楽になりました。
目的がどこにあるのかを考えて仕事を受けよう
―― 依頼を断ることによって、「自分の居場所がそこになくなっちゃうかもしれない恐怖」とかはないのでしょうか?
恐怖を感じるのは、そこがまだ盤石じゃないから。僕もつんく♂さんに言われたタイミングって、ある程度地が固まった段階だと思うんです。確かに揺らいでいるときは、僕はがむしゃらにやりましたし、自分のプライベートなんかどうでもよくて、自分の居場所を守りたくて必死で、来た仕事は全部やりました。
じゃあ、今回相談してくれた彼女は今どの位置にあるのかなと考えたときに、自分で落ち着いてやりたい、大学生のうちにチャレンジできることをしたいと言っているので、たくさん仕事をこなすよりも目標が別にあるのかなと。だったら、今の居場所を守らなくてもいいんじゃないか、と思うんです。
居場所を守りながらプライベートも持つって、どちらも生半可な気持ちになるので全部うまくいかないと思います。どっちかに決めたほうがいいと思います。
仕事とプライベートをどうやって両立するか、という質問に対して「自分がすべきこと、しなくていいことの選別をするべき」とアドバイスをくれたヒャダインさん。今後大学を卒業し仕事をするようになると、自分の時間はどんどんなくなっていきますし、効率よく仕事をこなすためにも時間の使い方は大事ですね。ヒャダインさんのアドバイスは、時間に余裕のある学生のときにこそ身につけておきたいものと言えそうです。
文・取材/砂流恵介
編集/学生の窓口編集部
撮影:中邨誠
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