【革製品の「お手入れ」どうすればいい?】『土屋鞄製造所』に聞いた! はじめての「革製品のお手入れ」おどおど

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大学生読者の皆さんは、皮革を用いた製品を持っていますか? 例えばパスケース、スマホケースやタブレットのカバー、鞄、靴、ブーツなどなど、革製品はたくさんありますね。皮革を用いた製品は、使用していると柔らかくなって光沢が出たり、色が変化したりと味がでます。そのため、長く日常的に使用する物が皮革製だと、愛着がわくのです。しかし「革製品はお手入れが大変」と聞いたことがあるかもしれません。

そこで、今回は革製品初心者の皆さんに向けて、『土屋鞄製造所』さんに取材し「革製品のお手入れ」についてご紹介します。

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まず「購入時」に聞いてみよう!

「革製品のお手入れ」は、その製品の購入時から始まっています。

『土屋鞄製造所』で「CRAFT CRAFTS」というケアサポート・リペア・リメイク・リユースを柱としたサステナブルなプロジェクトを担当している「レザーソムリエ」、大西俊明さんに伺ったところ、「まずは購入時にその製品がどんな革でできていて、どのような手入れが必要なのかをお店のスタッフに聞いてみるのがいい」とのことでした。

鞄や靴、パスケースなど、製品によってさまざまなタイプの皮革が使われており、それぞれで手入れの方法は異なるそうです。そのため、自分が購入した製品に使われている皮革が何なのかを把握することが大事になります。

また、専門ショップであれば、革製品のメンテナンスに十分な知識がある人がいるので、購入時にアドバイスをもらっておくと、後々自分で調べるといった手間が不要になりますね。

大西さんによれば「購入する際に確認することで、お手入れの失敗を少なくすることができる」とのことです。

革製品の「お手入れ」とは?

大西さんに伺ったところ、「一般的に、購入した後のお手入れでは、その革製品を使った後にブラシによるブラッシングや、乾いた柔らかいタオルなどで拭くこと」が推奨とのこと。

鞄などでよくあるのは、内側に食べ残しが入っていて、これが原因でカビが発生することです。カビが発生すると後の処理が大変になる(修繕も大変)とのことで、使った後は表面を拭き、内側は荷物を出してほこりを落とす――というのがメンテナンスになります。

時間があれば、「ブラシ」と「柔らかいタオル」、「オイル」を入手して以下の手順で「お手入れ」します。

1. ブラシによるブラッシングか柔らかいタオルで拭き上げを行う
(ほこりを落とす)
2.オイルを塗り込む
(タオルか指に適量取って塗ります)
3.ある程度乾いたタイミングで再度ブラッシングか拭き上げ
(オイルを均一に伸ばし余分なオイルはとる)



上掲は大西さんも使っているという「コロニル 1909シュプリームクリームデラックス」。お勧めだそうです。

「オイルを塗って、しっとりした感じにしておくというのが革製品にとって大事なこと」と大西さんからの指摘がありました。

ただし「頻繁にいじらないこと」とも。

同じ革の製品であっても、皮革の種類だけではなく、オイルをたくさん含んでいる革製品、少ない革製品ではお手入れに差をつけなければいけません。

例えば、オイルがたくさん含まれている製品の場合、張り切って最初からオイルを塗るなどすると、表面に白くオイルが残ったりします。つまり、買った時点でオイルが十分に含まれているので、上からオイルを塗っても染み込まないわけです。

これはよくある失敗例とのこと。学生読者の皆さんも注意してください。

●オイルは購入後スグに塗らなくてもいい!
オイルが多く含まれている製品・いない製品の区別はかなり重要で、色の変化にも違いが出ます。オイルが十分の染み込んだ製品では色が変わりやすく、小さな傷がついてもオイルを揉み込んでいくと傷は目立たなくなるとのこと。一方のオイルの含有が少ない製品では、時間がたってもオイルの含有の多い製品に比べ色が変わりにくいという特徴があります。

大西さんによると「オイルを塗るのは購入してから3カ月~半年後ぐらい、製品の底や角、革を折り曲げている箇所を触って、なんだかカサついてきたな、というぐらいから行うのがいいです」とのことでした。

また、「オイルを多く含む製品なら1年後ぐらいからでも大丈夫」だそうです。

よくネットに「とにかくクリームを塗りましょう」みたいなことが書いてあったりしますが、確かにメンテナンスにはなるものの、やはりこれは程度の問題で、毎日行う必要はないのです。

●同じ革用でも用途に注意!
大西さんからの注意点として、「靴用の防水スプレーを鞄に使って白くなってしまった!」という失敗がよくあるとのこと。

同じ「革用」と書いてあっても、靴用の方は防水力を高めるための成分が使われており、これが鞄では強すぎてこのような結果になるのです。このような失敗を避けるためにも、購入時に「どんな皮革が使われているのか」また「どのようにメンテナンスすればいいのか」とお店のスタッフに聞いておくことが重要です。

革製品を購入した大学生へのアドバイス

最後に大西さんに、大学生読者へのアドバイス、革製品の魅力について語っていただきました。

「まず、その製品を『見る』ことが大事です。

1週間に1回でも、1カ月に1回でも、愛用している革製品を見ていただいて、いい色になってきたなという風に感じることができれば、それが製品を愛でることにつながり、また、手入れをしようという気持ちになるでしょう。

『見る』ことが習慣になれば、ステッチがほつれてきたな、かさついてきたなと気付いて、きっとお手入れのタイミングを外したりしないでしょう。

革製品というのは、時がたつに従って傷がついたり、色が変わっていきます。よくも悪くもそういう製品、素材なのです。後になると、それが楽しい製品だということに気付くと思うんです。それは人生と同じで、凹むことや傷つくこともありますが、後になるといい経験だったなと振り返れます。

革製品も同じで、一緒に過ごしてきた製品だから感じられる愛着が湧くものです。傷があっても、それは使ってきたからだ、と気付きます。

皮革というのは5,000年以上前も前から使われている素材で、それが今も使われている稀有な素材なのですが、現在も使われていることにはやはり意味と理由があると思います。人と同じように傷ついたり凹んだりする、人と寄り添う素材なのです。

一緒に成長していける素材を使った革製品を、機会があるならぜひ使っていただければと思います」

解決!!「革製品のお手入れ」おどおど

というわけで、革製品のお手入れについてご紹介しました。筆者は昔、トルコに取材に行った時に現地で皮革製の鞄を買ったのですが、手入れを怠り、購入3年後にヒビ割れが入る(乾燥しすぎ)という大失策をしたことがあります。軽くていい鞄だったのですが、今でも残念でなりません。

今回取材した「レザーソムリエ」大西俊明さんからのアドバイスにあるとおり、そんなに頻繁にクリームを塗ったりしなくてもいいですが、メンテンナンスに気を使うことは、やはり重要です。また、大事に使えばそれこそ10年でも使えます。革製品を持ったら、大事に手入れして人生の相棒として共に歩んでいってください。

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文:高橋モータース@dcp
編集:学生の窓口編集部
取材協力:大西俊明

大西俊明
アフターサポート部門に所属し、お客さまの思い出が詰まった皮革製品を一日でも長くご愛用いただけるようにしていくことに喜びを感じています。

取材協力:『土屋鞄製造所』
1965年創業、ランドセル工房を発祥とする革製品ブランド。「時を超えて愛されるもの」をコンセプトにランドセルや革製品を展開。
https://tsuchiya-kaban.jp/


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株式会社デジタル・コンテンツ・パブリッシング
編集プロダクション。コンテンツを制作する「よろず屋」です。取材をして原稿を書き、編集、校正を行って多くのWebメディアに納品しています。https://dcp.jp.net/

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