「ないわ~」を書き言葉でも通用する言葉に改めるとどうなる?社会人として身につけたい、知性を感じさせる語彙力
社会人になるとメールやチャットツールなど文字でのやり取りが増え、これまでの語彙力だけではちょっと不安な場面がでてくるかもしれません。そこで、語彙力を高めたい方におすすめの書籍『大人の言葉えらびが使える順でかんたんに身につく本』から、若者言葉や流行り言葉の言い換え方をご紹介します。
※本記事では吉田裕子著『大人の言葉えらびが使える順でかんたんに身につく本』(かんき出版)より一部抜粋し、再編集したものです。
「ないわ~」は「あるまじきことだ」「言語道断だ」「常識に欠ける」に言い換えられる
元来「凄し」は、背筋がゾッとするほど恐ろしい様子のこと。そこから「戦慄を覚えるほどの美しさや素晴らしさ」という意味になりました。残念ながら、現代ではこの言葉の重みは失われています。軽く聞こえず、尊敬の念が伝わる表現を集めました。
「あるまじきことだ」
「まじき」(言い切りは「まじ」)は「〜してはならない」と禁止する意味の助動詞です。そのようなことは道徳上あってはならないと、事の異常さを強調する言い方です。
「言語道断だ」
元は仏教語で、言葉で説明する道が断たれてしまう、という意味の四字熟語でした。えも言われぬ素晴らしさに使われることも多かったのですが、現代ではもっぱら、言葉にできないほどひどいという意味です。
「常識に欠ける」
「常識」は文明開化の頃、「common sense」の訳語として表舞台に出てきた言葉です。社会人として当然持っている、持っているべきだとされる知識・判断力を意味します。その当然のものがない、と非難する言い方です。
「もってのほかだ」「問答無用でダメだ」「突飛過ぎる」なども、普通から外れたおかしなものにあきれる言葉です。
■著者より、おわりに
国語を学ぶことで感受性と対話力を磨いたら、人生はもっと楽しいと思う──。私が、ウェブサイトなどに掲げているモットーです。ぜひ豊かな語彙を道具や武器にして、より生き生きと毎日を楽しんでいただけたらと思います。
定価:1,540円(税込)
頁数:224頁
ISBN: 978-4-7612-7316-3
発行日:2018年1月22日
■著者情報
吉田裕子
国語講師。三重県出身。公立高校から、塾や予備校を利用せずに東京大学文科三類に現役合格。教養学部超域文化科学科を首席で卒業後、学習塾や私立高校などで講師の経験を積み、現在は大学受験塾の教壇に立つ。また、カルチャースクールや公民館で古典入門、文章の書き方講座などを担当し、6歳から90歳まで幅広い世代から支持される。たとえ話や笑いを交えた、わかりやすく納得できる教え方が好評で、栄光ゼミナールの授業コンテストで全国優勝した経験を持つ。