出勤するサラリーマンに囲まれて帰る朝ほど優越感を感じるものはない。欠伸を噛み殺して不機嫌な顔をしている大人たちを横目に…|エッセイ企画「#Z世代の目線から」キーワード:夜
エッセイキーワード:夜
エッセイタイトル:『さとり世代』/著者:らな さん
553文字/2分かからないくらいで読み終わります。
出勤するサラリーマンに囲まれて帰る朝ほど優越感を感じるものはない。欠伸を噛み殺して不機嫌な顔をしている大人たちを横目に、温かい布団を想像しながら電車に揺られるのはこの上ない幸せだ。
なんて悠長なことを言ってみたりする私だが、大学生活中に朝まで飲んだのは片手で数えられる程しかない。横浜や大宮に住んでいる友達に合わせて23時前に解散して、翌日の昼間までぐっすり眠るのが現実だ。酒で潰れたことも、記憶を飛ばしたこともない。ナンパについて行ったこともないし、クラブにも行ったことがない。
これがさとり世代ってやつなのだろうか。
ただ、そんな私でも言えるのは、渋谷が1番綺麗なのは間違いなく早朝だということだ。朝日がビルの窓ガラスに反射してキラキラしている。交差点も、人が少ないからのんびり歩くことができる。
こんなにも地味な感動を味わうことができるのは大学生の醍醐味だろうか。
大人になるのが怖い。
23時30分、アルバイトが終わって疲れ果てた身体で酒臭い電車に乗り込む。訳がわからないほど酔っ払っている人を見て、無責任で無計画な自由奔放さを羨ましいと思う。物価高と円安を気にしてちまちま貯金ばかりしている自分の悲観的な性格に萎える。電車を降りたら、動物の動画を見ながら家まで歩くことが地味な幸せ。これが週6日。こっちが本当の私。
著者: らな さん |
学校・学年:日本大学 4年 |
著者コメント:エッセイを書いたのは初めてです。難しかったけど、もっと上手くなれば楽しいだろうなと思いました。 |
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