【Q&A編】自己PRや面接ですぐ使える!「企画した本1000万部突破!」 編集者 柿内尚文さんが教える“あなたの魅力を100文字で伝える方法”

編集部:ゆう

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「日常のコミュニケーションが上手くいかない……」。それ、実は「伝え方」が間違っているかも。

前回、『バナナの魅力を100文字で伝えてください』(かんき出版)などを著書に持つ編集者・柿内尚文さんに「伝える技術」についてお話をお聞きしましたが、今回は現役学生の質問に柿内さんが直接答える「Q&A編」をお届けします。

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登壇者プロフィール

PROFILE

柿内 尚文 (かきうちたかふみ)

編集者、コンテンツマーケター。

◉――1968年生まれ。東京都出身。聖光学院高等学校、慶應義塾大学文学部卒業。読売広告社を経て出版業界に転職。ぶんか社、アスキーを経て現在、株式会社アスコム取締役。

◉――長年、雑誌と書籍の編集に携わり、これまで企画した本やムックの累計発行部数は1000万部以上、10万部を超えるベストセラーは50冊以上に及ぶ。現在は本の編集だけでなく、編集という手法を活用した企業のマーケティングや事業構築、商品開発のサポート、セミナーや講演など多岐にわたり活動。著書『パン屋ではおにぎりを売れ』『バナナの魅力を100文字で伝えてください』(かんき出版)はともにベストセラーに。

https://twitter.com/blx9daibsapp5oo

▼INDEX
#1.「いつもダラダラと説明してしまうのですが、短くまとめるためのコツを教えてください」
#2.「視点を変えるという能力は、編集者としても必要な能力ですか?」
#3. 「コミュニケーションにおいて、柿内さんご自身の失敗エピソードなどありますか?」
#4.「就活の面接で『質問ありますか?』と人事に聞かれるたびに、いつも困ってしまいます。」
#5.「編集者になるために今からトレーニングした方がいいことは?」
#6.「デジタルが台頭している時代に、紙媒体の強さは何だと考えていますか?」
#7.「編集をしていて、学生のときに身につけておけばよかったと思うことは?」
#8.「広告を通して製品などの魅力を簡潔かつ、わかりやすく伝えるためのコツは?」
#9.「柿内さん自身が、日頃から失敗しないように心がけていることは?」

「いつもダラダラと説明してしまうのですが、短くまとめるためのコツ、意識することを教えて頂きたいです」

僕が仕事で使うのは、「キャッチコピー化する」という技術です。ちゃんと説明するとどうしても長くなってしまうので、例えば、自己PRするときは、冒頭で「私は足の早い亀です」と先に言っちゃって、そのあとに、「行動はスピーディだけど物事はじっくり考えます」とその意味を説明する。

最初にキャッチコピーを打ち出すことで相手の興味を引けますし、この場合は「足の早い亀」と“逆のかけ合わせ法”を使うことでオリジナリティも出ているので、印象に残りやすいはずです。

「視点を変えるという能力は、編集者としても必要な能力ですか?」

編集者としてはめちゃくちゃよく使っている技術です。僕は、編集の仕事は「本を作ること」ではなく、「世の中にある新しい価値を発見して、磨いて、届けること」だと思っています。価値を発見するために、ものごとを穿った視点で見たり、逆から覗いたりしています。

例えば僕はサッカーが好きなので、日本代表の伊東純也さんの本を企画したことがあったのですが、伊東さんの足の早さに注目し、『子どもの足がどんどん速くなる』という本を刊行しました。

これならサッカーをやっている人はもちろん、お子さんがいる親御さんの興味もひけるので、おかげさまでヒットしています。これも視点を変えたわけです。

「コミュニケーションにおいて、柿内さんご自身の失敗エピソードなどありますか? またそのときにどう突破しましたか?」

おそらく、僕は人よりもたくさん失敗していますし、突破できずに失敗したまま終わっていることも少なくありません。

以前、雑誌の仕事で、とある有名俳優さんに殴られたこともあります(笑)。そのときは俳優さんの言っていることが理解できず、「こいつに話してもどうにもならない」ということで殴られたのですが、要するにコミュニケーションができなかったんですね。

でも、失敗を重ねたおかげで、あまりものごとに動じなくなったというメリットもあります。長く仕事をしていれば、当然、失敗することもあります。命や健康に関わる失敗はダメですが、普通の仕事の失敗は大抵どうにかなりますし、1〜2年後には笑い話になっていることも多いです。

俳優さんに殴られたことも、今ではめっちゃネタになってますから(笑)

「就活の面接で『質問ありますか?』と人事に聞かれるたびに、いつも困ってしまいます。採用する側の柿内さんは、どんなことを聞いてくる人が印象深い人になるのでしょうか?」

一番大切なのは、テクニカルなものではなく、「自分の会社に本気で興味を持ってもらっているかどうか」という点ですね。どの企業でも通用する質問だと、印象には残りにくいと思います。

いきなり「男女比はどれくらいですか?」と聞かれると、「あまり興味ないのかな」って思っちゃうかもしれませんね。もちろん、聞きたいことは聞けばいいのですが。

ただ、やっぱり面接官も人間ですから、僕の場合は「あの本めちゃくちゃ面白かったのですが、どういうふうに作ったんですか?」なんて聞かれたらめちゃくちゃうれしいですわけですよ(笑)。相手企業のことを調べて、ちゃんと関心を持ったうえで質問することが大事なのではないでしょうか。

「編集者志望です。凄腕の編集者になるために今からトレーニングした方がいいことはありますか?」

「構造」を理解することが大切だと思います。どういう構造でそのコンテンツができているか。そのために「分解」してみるといいんじゃないでしょうか。

もし漫画の編集者になりたいのであれば、「なんでここでこのセリフなのか」「ページを開いたときの絵がなぜここにあるのか」と、一冊の漫画を解体して考えてみるといいかもしれません。そうすると漫画の構造がわかってくるので、再現化もしやすくなります。

これは雑誌でもウェブメディアでも同じことがいえるので、さっそくやってみてください。

「デジタルが台頭している時代に、紙媒体の強さは何だと考えていますか?」

デジタルにはデジタルのよさが、紙には紙のよさがあると思います。紙には紙の感覚値があって、ページをめくって読むことで、コンテンツが体験として入ってくるんですね。やはり紙のほうが、デジタルよりも感覚値、体験値という意味では高いと思います。

紙媒体には“物”として存在しているという価値もあって、人にプレゼントするときもデジタルより本で渡したほうが気持ちも伝わりますよね。体験価値を高める、という意味ではまだ紙媒体ならではの強さもあると思っています。

「編集をしていて、学生のときにこういうことをやっておけばよかった、身につけておけばよかった、と思うことはありますか?」

できるだけいろんな体験をしておけばよかったな、と思っています。

働き出すと学生のころのようにまとまった休みがなかなか取れない人が多いと思います。僕は学生時代をダラダラと過ごしてしまったので、もっと意識していろんなことを経験すればよかったなぁ、と思いますね。

今はデジタルも進歩しているので、コロナ禍ではありますが、ぜひみなさんには学生のうちしかできないことに取り組んでもらいたいですね。

「広告を通して製品などの魅力を簡潔かつ、わかりやすく伝えるためのコツなどはありますか?」

やはりキャッチコピーを使い、わかりやすく簡潔な表現を心がけることでしょうか。

僕は「ほぼ日手帳」が好きなのですが、ほぼ日手帳はただの手帳ではなく、「LIFEのBOOK」と表現しているんですよね。スケジュールをかき込むだけでなく、“人生の本である”と価値を転換したわけです。

これも新しい価値を見つけて、磨いて、届けたいい例ですが、やはりまずは新たな価値の発見と磨きが必要だと思います。

「柿内さん自身が、日頃から失敗しないように心がけていることは、何かありますか?」

まず、失敗しないよう心がけていることは、『一回俯瞰する』ということです。人間は感情で判断しがちですが、一度冷静になって、もうひとりの自分の視点で上から覗くようにすることが大事なんですね。

日常では虫の視点ですが、意識的に鳥の視点も持つことで失敗はしにくくなると思います。

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文:猿川佑
編集:学生の窓口編集部
取材協力:株式会社アスコム株式会社かんき出版

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学生に「一歩踏み出す勇気」を持っていただけるような記事を届けたいです。

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