大学での成績は何に影響する? 就活?留学?奨学金?
大学での成績評価は、教授や科目ごとに重視される基準が異なります。
成績が優秀な順に「秀・優・良・可・不可」「S・A・B・C・D」のように評価がつき、この成績に評価点をかけ合わせて算出するGPAという基準を利用している大学もあります。
就活での大学の成績は「参考程度」に利用されることが多いものですが、留学や奨学金に影響する範囲は大きいものがあります。
ここでは大学での成績について紹介します。
大学での成績評価基準は高校時代とは大きく異なる
大学の成績評価基準は、高校時代とは大きく異なります。
- ・出席や授業態度に関わらずレポートの成績で評価する
- ・出席や授業態度に関わらずテストの成績で評価する
- ・出席や授業態度も含めテストやレポートの成績で評価する
- ・実習やプレゼンテーションなどで評価する
などがあり、同じ名称の科目でも担当教官が違えば評価基準が異なるのが普通です。
大学の成績はどう見ればいい?
大学の成績の見方は、各大学によって違います。
一般的には、漢字表記で
- ・秀:素点が90~100
- ・優:素点が80~89
- ・良:素点が70~79
- ・可:素点が60~69
- ーーー可までが合格=単位取得ーーー
- ・不可:素点が0~59
のような表記。もしくは、英字表記で
- ・S:素点が90~100
- ・A:素点が80~89
- ・B:素点が70~79
- ・C:素点が60~69
- ーーーCまでが合格=単位取得ーーー
- ・D:素点が0~59
- ・-:評価不能
のような表記になります。
単位取得に至らなかった場合は、翌年に再履修になります。
就活や留学にも影響あり!?GPA制度とは
以前は、上で紹介したような成績評価のみだったのですが、最近はGPA制度という評価方法が増えてきています。
GPAは「Grade Point Average」の頭文字を取った略語です。アメリカや欧米の大学で幅広く利用されています。
GPAでは、各成績に係数を設定し成績ごとに係数をかけ、総履修単位数で割ったものです。
GPAの算出方法とは?例で紹介
例えば、係数が以下のように設定されており、
- ・S:係数=4
- ・A:係数=3
- ・B:係数=2
- ・C:係数=1
- ・D:係数=0
実際に取得した単位がこのようになっていた場合、
- ・S:2科目
- ・A:3科目
- ・B:1科目
- ・C:3科目
- ・D:1科目
※総履修単位10
GPAは、
-
{(Sの係数×Sを取った科目数)+……+(Dの係数×Dを取った科目数)}/総履修単位数
となり - {(4×2)+(3×3)+(2×1)+(1×3)+(0×1)}/10=2.2
になります。
大学の成績は就活にどこまで影響するのか
大学の成績が就活に影響があるのかどうかですが、高校受験のときの中学校の成績や大学受験時の高校の成績のように大きな影響があるわけではありません。
大学の成績は就活では「参考程度」に使われることが多いです。
大学の成績証明書は卒業の確認や経歴証明に使用する
就活で企業が大学の成績証明書を求めることがありますが、成績が優秀な人を採用しようというよりは
- ・本当に卒業できるのか確認したい
- ・取得単位や成績で本人の傾向について知りたい
- ・最終面接前に本人のことをよく知っておきたい
という意図がある場合が多いです。
中には、「内定後に提出してもらう」という企業もあり、成績証明書に関しては「卒業できるかどうかの証明書類」程度に考えておいてもいいかもしれませんね。
大学の成績が可ばかりよりは優秀な方がいい
とはいえ、大学の成績が「可=5段階評価の3」ばかりよりは、優秀な成績であった方がいいでしょう。
就活にはあまり影響がありませんが、留学したいときや奨学金の継続などに影響が出る場合があるからです。
就活における大学の成績の影響は、文系・理系で異なる?
文系・理系で大学の成績が就活に影響する・しないの差があるかどうかを気にする学生がいますが、これについてもあまり気にする必要はないでしょう。
大学時代の成績をどこまで重視するかは各企業の採用ポリシーによるところが大きいです。
また、学校推薦枠を利用する場合は、成績が優秀な学生を企業に推薦しますが、推薦枠のある企業があなたが行きたい企業とは限りません。
理系の学校推薦での就活は内定を辞退できない
学校推薦枠を利用した就活は、理系学部で行われることが多いです。
成績が優秀であり、推薦の条件を満たせば推薦してもらうことができます。誰もが聞いたことがある大手企業からの推薦があるケースもあり、就活に苦労せずに内定をもらえるメリットがあります。
しかし、学校からの推薦でもらった内定になるので、基本的に内定辞退ができません。もっといきたい企業が見つかった場合などに後悔することもあります。
○ 理系就活の学校推薦のやり方は? メリット・デメリット、自由応募との違いを解説
留学や奨学金など成績が関係する進路があるなら気をつけて
就活では重視されないことが多い大学の成績やGPAですが、留学を希望する場合や奨学金を借りたい場合は成績が優秀な方が有利に働くケースが多いです。就活も「可ばかり」の場合は成績証明書提出後の選考で原因を聞かれる可能性があります。
だからといって、GPAを整えるために単位を取りやすそうな科目ばかり選択するのは有意義な大学生活とは言えないでしょう。
「大学で何をしたいのか」「どんな進路に進みたいのか」を考えた上で、成績管理したいですね。