国家試験とは?その種類や合格率や難易度をチェック!

国家試験とは、その名の通り国が管理している試験のことで、合格すれば特別な資格を得ることができたり、技能レベルの証明になったりするものです。人々によく知られたものも多く、とても信頼性が高いため、自分にとって役立つものがあれば積極的に受験していきたいですね。今回の記事では、国家試験とは何か、どんな種類があるか、そして人気の国家試験を何点かピックアップして難易度についても解説していきます。
国家試験とは?
国家試験とは何か?について、コトバンク「日本大百科全書(ニッポニカ)」によると次のように記載されています。
公務員の採用または、特定の業務に必要な資格(一定の地位・活動についての免許を与えるため)などその合格者に資格を付与したり、一定の技能を証明するために国家が管理して行う試験。
(コトバンク「日本大百科全書(ニッポニカ)」)
まず国家試験に共通するのは、「国が管理している」ということ。ただし試験を実際にとり行うのは国とは限らず、国が指定した別の機関が主体となって実施するケースもあります。そして、種類としては大きく次の3つに分けられます。
・(例えば医師などの)職につくために必須の資格を与えるもの
・職につくため必須ではないが、一定の技能を証明してくれるもの
・国家公務員になるためのもの
例えば医師なら医師免許のように、高度な専門知識やスキルを必要とする職に就くためには、国家試験に合格して資格を得なければなりません。
また、職につくために必須ではないけれど「あなたはこのレベルの技能を持っていますよ」と証明してくれる国家試験もあります。代表的なものが「技能検定」。これは「2級ファイナンシャル・プランニング技能士」などのように「技能士」と名乗ることができます。
そして国家公務員になるためには国家公務員採用試験に合格しなければなりません。この採用試験も国家試験の1つといえます。
国家試験の種類はどんなものがある?
国家試験の種類は、弁護士・医師・公認会計士など誰もが知るような専門職につくための資格を得る試験をはじめとして、本当に多種多様にあります。ここでは学生のみなさんも身近に感じやすい国家試験を中心にご紹介します。
国家公務員採用試験の種類
国家公務員を目指したい!という大学生は多いのではないでしょうか。国家公務員採用試験は「総合職」「一般職」「専門職」「経験者採用」などの種類があり、「専門職」がまた細かく分かれています。
◆国家公務員採用試験の種類◆
●総合職試験(院卒者・大卒程度 別)
●一般職試験(大卒程度・高卒者・社会人 別)
●専門職試験【大卒程度】
・皇宮護衛官(大卒程度試験)
・法務省専門職員(人間科学)
・財務専門官
・国税専門官
・食品衛生監視員
・労働基準監督官
・航空管制官
・海上保安官
●専門職試験【高卒程度】
・税務職員
・皇宮護衛官(高卒程度試験)
・刑務官
・入国警備官
・航空保安大学校学生採用試験
・海上保安学校学生採用試験
・海上保安大学校学生採用試験
・気象大学校学生採用試験
●経験者採用試験(種類分けあり)
国家公務員の専門職にはたくさんの種類があるのですね。総合職の方は幹部クラスあるいは幹部候補生としてキャリアを積んでいきます。総合職のことを「キャリア官僚」と呼ばれるのを聞いたことがあるかもしれませんね。
▶︎引用:人事院「国家公務員採用試験」
主な国家試験の種類 運転免許試験も!
国家公務員以外の主な国家試験について、関連する省庁別にご紹介していきます。
●内閣府
・運転免許試験
・公認会計士試験
●総務省
・行政書士試験
・危険物取扱者試験
●法務省
・司法試験
・司法書士試験
・土地家屋調査士試験
●財務省
・税理士試験
・通関士試験
●文部科学省
・技術士試験
・教員資格認定試験
●厚生労働省
・医師国家試験
・看護師国家試験
・理学療法士国家試験
・作業療法士国家試験
・歯科衛生士国家試験
・管理栄養士国家試験
・理容師国家試験
・美容師国家試験
・薬剤師国家試験
・社会保険労務士試験
・技能検定
・保育士試験
●農林水産省
・獣医師国家試験
●経済産業省
・中小企業診断士
・情報処理技術者試験(ITパスポートなど)
●国土交通省
・宅地建物取引士資格試験
・建築士試験
・施工管理技術検定試験
・航空従事者(操縦士、整備士、通信士、機関士、航空士)技能証明
・自動車整備士国家試験
・不動産鑑定士試験
・旅行業務取扱管理者国家試験
どうでしょうか、これらもまだまだ全ての国家試験の一部に過ぎないのですが、さまざまな国家試験が挙がりました。車の運転免許試験もよくよく考えたら国家試験だったのですね!
特に、私たちの命や健康に関わる厚生労働省関連の国家試験が比較的多くなっているのが印象的です。
国家試験の難易度をピックアップ!

国家試験に合格することは社会的な信用にもつながるため、さぞかし難しいのでは…?と思いますよね。ここでは一例としていくつかの国家試験の難易度についてご紹介しましょう。
難易度★★★★★「司法書士」
司法書士は「身近なくらしの法律家」。不動産を買った時の登記や会社設立の登記、そして相続など、法的な手続きを通して人々の「権利」を守ってくれる存在です。
司法試験ほどハードルは高くないものの、最難関資格であることは間違いありません。
●司法書士試験の合格率:3~4%
難易度★★★「宅地建物取引士」
宅地建物取引士は、老若男女に抜群の知名度と人気を誇る国家資格です。不動産の売買・賃貸を仲介する際に重要な役割を果たし、不動産業を営む場合は一定数の宅地建物取引士を設置することが義務付けられています。不動産業だけでなく金融機関でも重宝される資格です。
●宅地建物取引士の合格率:15~17%
難易度★★「ITパスポート」
ITパスポートとは、最近ますます必要性の高まる基礎的なIT能力を習得することができる資格。専門のIT技術者向けというよりも一般の社会人に向けた、IT入門的な位置づけです。大学生のみなさんなら普通にパソコンやインターネットを使いこなしているでしょうから、一度チャレンジしてみては。
●ITパスポートの合格率:50%前後
まとめ
今回は、国家試験とは何か?どんな種類があるか?そして人気の国家試験3種について難易度などをご紹介してきました。
国家試験の種類はきわめて多く、実はまだまだあります。今後みなさんが社会人になったら、キャリアアップのために必要な国家試験などがだんだん見えてくるかもしれませんね。今回ご紹介した人気の国家試験3種についてはどれも特別な受験資格がないものばかり。もし興味があったら受験を考えてみてはいかがでしょうか。
(マイナビ学生の窓口編集部)