#02.オフィスマナー編~インターンで恥をかかないために!覚えておこう最低限のビジネスマナー
インターンシップは企業にとって学生のスキルや知識を測るとともに、常識、マナーなどが身についているか見極める場でもあります。そこでどのような対応をすれば円滑にコミュニケーションが取れるのでしょうか。多くの学生や社会人にビジネスマナーを伝授してきた北條久美子先生に、オフィスでの最低限のマナーについて聞いてみました!
「上司に報告書を届ける」そして「新規の仕事依頼書を受ける」場合、どのようなやりとりがスマート?
教えてくれたのはこの人!

キャリアカウンセラー/ライフスタイリスト 北條久美子さん
エイベックスグループホールディングス株式会社にて人事部に所属し教育担当に着任。2010年よりキャリアカウンセラー・研修講師として独立。全国の企業や大学で年間2,500人へのビジネスマナーやキャリア研修を行う。
TALK MEMBER

S.Nくん
法政大学

N.Yさん
東京外国語大学

S.Mさん
慶応義塾大学
「報告」では、相手がどんな状況か考えながら要点を明確に
まずは「上司に報告書を届ける」場合。インターンシップの中では必ず起こるであろう場面を想定し、学生のみなさんにロールプレイを行ってもらいましょう。S.Nさんには上司役を、N.Yさんには学生役をやってみてください。それでは、どうぞ!
上司に報告書を届ける場合
〇〇部長。今、ちょっとお時間大丈夫ですか?
お、おう。
この前頼まれていた調査報告書なんですが、完成しましたのでよろしくお願いします。
はい、確かに受け取りました。
また何かできることがあれば、いつでもお申しつけください。
ではN.Yさん……部長に書類を手渡す際、どのような点を意識しましたか?
部長の仕事の邪魔にならないように、というのを意識しました。
素晴らしいです。いちばん良かった点はまさにそこです。また、呼びかける際に部長の名前をきちんと呼んだところもいいですね。学生時代はあまり気にすることはないかもしれないのですが、ビジネスシーンでは、相手がどのような状態にあるのか考えながら対応することはとても大切です。もしかしたら大変なトラブル対応でイライラしているかもしれないですし、仕事が詰まっていて誰かに声を掛けられたくない状態にあるかもしれない。そんな時にタイミング悪く「あ、報告書できました~」なんて持って行ってしまうと「配慮のない奴だな」と思われてしまいます。そして、その後に次の仕事への意気込みを見せたのもいいですね。#01.メール編のときに言ったことを覚えていてくれてありがとう。
こちらこそ、ありがとうございます。
先ほどのやりとりでほぼ問題はないのですが、強いて言えばちょっと直したほうがいい点もあります。「完成しましたのでよろしくお願いします」と言っていましたが、何をお願いしたいのかが明確に部長に伝わっていませんよね。
あ……!!そうでした!!
渡すものは報告書であり、完成したから部長に届けているので「こちら、〇〇部長に頼まれていた調査報告書です。内容のご確認をお願いします。」と言い添えるのがスマートかな。それから、せっかく「何かできることを……」と言い添えるのであれば、メモとペンを一緒に持って行きましょう。もしかしたら、その場で「それならコレもお願いしようかな」とか「例の件だけど……」ってなるかもしれないですし、そんなときでもすぐに用件をメモできますからね。
相手とのやりとりの際に大切なのは「おへそビーム」!?
では次に、自分のデスクに部長が新しい仕事の依頼を持ってきた場合を想定したロールプレイを行ってみましょう。
新規の仕事依頼書を受ける場合
あの~~、今、ちょっと時間いいかな。
はい、大丈夫です。
新規の調査を頼みたいんだけど、大丈夫かな?よろしくね。
はい、かしこまりました。…。
はい、ありがとうございます。今回のロールプレイで工夫した点はありますか?
いえ……実際に調査を依頼される場面がまったく想像できなくて、なんて言えばいいのかまったく分かりませんでした。
それはそうですね。良かった点は、部長に対して顔を向けるだけではなく、立ち上がって身体を向けていたということ。座ったままで対応するのはとても失礼なことなので、本当に素晴らしかったです。私はこうして相手の方向に身体を向けることを「おへそビーム」って呼んでいるんですよ。身体を向け、おへその位置を合わせてビームを発射するようなイメージで相手と向き合う。これが、コミュニケーションを円滑にするポイントなんです。
なるほど……。「おへそビーム」ですね。
それから、「仕事をいつまでに仕上げればいいか」「どのような状態で仕上げるのか」「完成したらどうすればいいのか」は必ず聞いたほうがいいですね。依頼をする側は、言った気になってしまうことも多いので自分から確認すると良いでしょう。口頭で指示された場合は、とにかくメモ。そして、後から不明点をまとめて聞くようにするといいと思います。「指示いただいた内容で、質問が3点ほどあるのですがよろしいですか?」というように要点を簡潔にまとめて聞くようにしてみてください。
何もしないで終わる1日を回避する!インターンでは積極的に仕事をもらいに行こう
今回のロールプレイのようにやることがある日はいいんですけどね。会社によっては社員の方々がとても忙しく、インターンの学生に構うことができないことも多々あります。そうした際、相手から仕事を与えられるのをじっと待つのではなく、「何かお手伝いできることはありませんか?」と積極的に声をかけるようにしてみましょう。
受け身なだけではいけないということですね。
そう。自分から仕事を探すようにすれば、例えば「今日は別の部署が忙しいみたいだからヘルプに行って!」なんて頼まれることもあるかもしれません。そうすれば他部署の人にも顔や名前を知ってもらえて、「あの子、このまま入社してもらっちゃえばいいんじゃない?」なんてことにつながる可能性もあります。
そうなったらどれだけうれしいことか……(笑)。
そうでしょう?インターンからの就職という最高の道筋ですよね。すでに知り合った人の間に入ることができれば、不安やストレスも最小限になりますから。今回のポイントを活かして、インターン先の社員の方々と円滑なコミュニケーションが取れるように応援しています!
文:わぐりめぐみ
写真:榊 水麗
制作:vivace next
編集:マイナビ学生の窓口編集部
<覚えておこう最低限のビジネスマナー 記事一覧>
#1:メール編
#2:オフィスマナー編
#3:オンラインでのマナー編
※座談会時感染症対策を行ったうえでマスクを付けて実施し撮影時のみマスクを外しております。