【連載】『あの人の学生時代。』#20:鈴木亮平「好きなことにとことん、まっすぐ」
著名人の方々に大学在学中のエピソードを伺うとともに、今の現役大学生に熱いエールを送ってもらおうという本連載。今回のゲストは、2018年の大河ドラマ『西郷どん』で、主人公・西郷吉之助(隆盛)役を演じる鈴木亮平さん。ちょっと迂闊で心優しき熱血漢・西郷隆盛は誰からも好かれ親しまれ、男にも女にも「史上最もモテた男」と言われていました。そんな西郷どんを魅力たっぷりに演じている鈴木さんに、ご自身の大学時代についてと、今回のドラマの魅力を聞いてきました!
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「役者になりたい」という気持ちで東京の大学へ
――鈴木さんは東京外国語大学外国語学部を卒業されていますが、大学・学部選びの理由を教えてください。
まず、僕は役者になりたかったので、そのために東京の大学に行きたかったんですね。あとは英語が好きだったので、英語を勉強したかったことが外語大を選んだ理由です。
さらに、役者になってもすぐには食べていけないと思っていたので、お金のかかる私立は行けないと思って……言ってしまえば消去法ですね(笑)。それと、高校の時に留学していたこともあって理数系の勉強が遅れていたので、できればセンター試験が理科か数学のどちらか1教科ですむところ、というのもありました。
――すべての条件を満たしていたのが東京外国語大学だったんですね。では、大学生活で一番夢中になっていたことはなんですか?
お芝居ですね。演劇サークルに入ってお芝居を始めて「やっぱり楽しい! これを一生の仕事にしていきたい」と思いました。
英語の勉強もちゃんとやって……いや、ちゃんとかなぁ(笑)!? やっぱり演劇にハマるとなかなか……。なんとか卒業したっていう感じです。だからあまり優秀な生徒ではなかったと思います。
――卒業するのは大変でしたか?
ギリギリでした(笑)。お芝居を始めると、やっぱりどうしてもカロリーを使っちゃうんですよね。でも英語はいまだに好きです。一般教養というか、学校的な勉強よりはゼミが好きでした。
――そんな大学時代を振り返って、一番思い出に残っていることはどんなことですか?
なんだろう……アルバイトかなぁ。
――え、お芝居じゃなくて?
(笑)。「大学時代」のなかで考えるとですよ? 役者になりたいっていう夢を持っていて、学校の近くに映画の撮影所があったので、「撮影所の人達と知り合えないかな?」という気持ちで、そこのダイニングバーでスタッフとしてバイトをしていました。
――実際に撮影所の方はいらっしゃったんですか?
たまにですけど、いらっしゃいましたね。そこでいろんな話を聞かせていただいたりしました。そこから仕事につながったことはないんですけど、そこの店長さんがすごくまじめに仕事のことを教えてくださる方で。きちんと売り上げを伸ばすこととか、お客さんに対する態度なんかを厳しく教えてくださったので、それは自分にとってよかったなと思います。
――「真剣に仕事をする」ということを学んだんですね。
そうですね。初対面の人に対する接し方や、相手が緊張しているところから徐々に警戒心をほぐしていくようなコミュニケーションの取り方、後輩に対する教育の仕方なんかも……。
厳しかったけどすごく愛がある人だったので、教えてもらったことは今すごく役に立っていますし、成長させてもらった気がします。