【連載】『あの人の学生時代。』 ♯10:株式会社タニタ 代表取締役社長 谷田千里「学生時間を楽しんで」
著名人の方々に大学時代のエピソードを伺うとともに、今の現役大学生に熱いエールを送ってもらおうという本連載。今回のゲストは、世界で初めて乗るだけで測れる体脂肪計を開発し、さまざまな健康計測機器を製造・販売するとともに、「おいしく食べてやせられる」ということで有名になったタニタ食堂でも知られる『株式会社タニタ』の代表取締役社長・谷田千里さんです。実は谷田社長は、珍しい学生経験をされているとのことですが、それは一体どんなことなのでしょうか?
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親元から離れたい一心で進学
――谷田社長は珍しい学生経験をされているとお聞きしましたが、どういったことなのでしょうか?
私は、まず専門学校に入り、次に短大へと進み、そこからさらに4年制大学に進むという、ほかの人があまり経験しないことをしています。
――そうなんですね! 最初は調理師の専門学校とのことですが、そこに進まれた理由は何だったのですか?
私は小、中、高と立教学院(立教小学校、立教池袋中学校・高等学校)で過ごしました。受験した記憶はあるのですが、自分の意思で受けたというものではないですから、「気が付いたらこの学校で学んでいた」という感覚だったのです。
――親の言うとおり進んでいた、ということですか。
そうですね。それで大学進学を考える際、いろいろと自我が芽生えている年齢ですから、「親の敷いたレールに従うのが嫌だ」と思い始めて……。それに私は意見があるタイプなので、父とよくケンカをしていたのですね。ケンカをするたびに父から最後には「食わせてやっているんだから言うこと聞け!」と言われていて、それが悔しかったのです。そこで、進路を決めるタイミングで「じゃあ俺一人で食っていこう」と思いました。
――それで大学に進まずに、調理師の専門学校に進まれたと。
そのまま進学していれば高学歴だったのかも知れませんが……(笑)。まあ当時はそんなこと考えていなかったので、専門学校で1年勉強すれば調理師免許が取れて、自分の腕一つで食べていけますから、「よっしゃ、これで親の元から離れられる!」と思って。もともと母親の料理の手伝いをしていたこともあって、料理が好きでしたからね。
――親元から離れたい一心で進まれた道だったのですね。