近畿大学建築科の学生が案内する、天神駅周辺の名建築物めぐり4つ【Part2】 3ページ目

学生の窓口編集部

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■デザイナーズホテルの先駆け
ホテル イル・パラッツォ

いまでは「デザイナーズホテル」と呼ばれる建物は日本各地にたくさんありますが、イタリアの巨匠アルド・ロッシが日本で初めて手がけた建築物だというこのホテルはその先駆けとのことで、世界的に注目を集めたそうです。1989年に開業、バブル経済期の建築設計で、それらしい雰囲気がありますが、ホテルのホスピタリティの評判は地元でも高いそうです。

アルド・ロッシさんは1989年にアメリカ建築家協会(AIA)の名誉会長となり、1990年に建築界のノーベル賞といわれるプリツカー賞を受賞した建築家です。このホテルは、福岡県北九州市にある「門司港ホテル」と並んで同氏の建築として名高く、いまも外国からロッシ・ファンが宿泊に訪れるそうです。

↑正面玄関は2階にあたります。外観には、建築材料でよく使われる「トラバーチン」という赤みがある大理石の一種を全面に使ってあります。円柱が地上8階まで垂直に並び、緑の建材が水平に組んであります。なんと、窓がありません。迫力のファサードです。

イル・パラッツォとは、イタリア語で「宮殿」という意味ですが、本館の左右には小さな別棟を配して、ひとつの街をイメージしているのだとか。このホテルは、アメリカ建築家協会から優れた建築家に対して与えられる賞をアメリカ国内以外の建築物として、史上初めて受賞しています。(日本人では、コンクリートの打ちっ放し建築で有名な安藤忠雄さんが受賞しています。)

また、「福岡市都市景観賞」も受賞しています。同賞は、福岡の街の魅力を創り出している建物や通り、企画や活動に関係している人たちの努力を讃え、広く市民に伝えることを目的にした賞です。ぼくは福岡市で建築物巡りをするときの参考にしています。

↑エントランスをくぐると、このシーン。中央が廊下、左右は棚デザインのウオールで、写真ではわかりにくいですが、歩いていくと左にフロント、ロビー、ロビーの奥にはレストラン、右にはラウンジ、バーがあります。一番奥は鏡になっています。写真を撮っているぼくが写っています。高級感が漂い、入っていいのかちゅうちょしました(笑)

↑ラウンジ「アンコムスト」。壁や天井は黒の漆喰(しっくい)で、オリジナルデザインのカラフルなチェアが引き立ち、座りたくなります。チェックイン後、ここでくつろぐことができるそうです。宿泊客だけではなく、一般のお客さんも利用できます。

↑こちらは、ダイニング「アンコムスト」。隠れ家的な空間で、赤い天井にシャンデリアがきらめいていました。

福岡市中央区春吉3-13-1
TEL:092-716-3333
福岡市営地下鉄空港線・天神駅、同・天神南駅、同・中洲川端駅、西鉄福岡(天神)駅から各徒歩5~10分

多彩な色、複雑な曲線の建物。運河が流れる大型エンタメスポット
「キャナルシティ博多」

運河を意味する「キャナル」のネーミングの通り、地下一階に約180メートルの擬似運河が流れる「キャナルシティ博多」は、福岡観光の目玉のひとつです。1996年4月に開業した再開発プロジェクトによるスポットで、敷地はなんと約4万3,500平米もあるそうです。

ショッピングモール、映画館、劇場、アミューズメント施設、ホテル、ショールーム、オフィスなどが連なる大型の複合施設で、街開発の成功例として全国的に知られています。

↑センターウォーク4階から見た、ノースビルです。曲線を使った大きな吹き抜け空間に驚きます。

外観はカラフルな色使いで、曲線を多く使った難しい構造に見えます。下から見ても階上から見ても、どういう建物構造をしているのかがとても不思議です。まるでテーマパークのようでもあります。

建物全体のカラフルな色合いは、実は、日本に古くからある伝統色が使われているのだとか。着物などに昔から用いられてきた多彩な色が施されています。そう聞いたからか、この華やかな色彩を眺めながら歩いていると、なぜだか落ち着いた気持ちになります。

↑キャナルシティ博多の中心に位置する「センターウォーク」というゾーンには、頭上に半円の屋根がモチーフとしてデザインされています。真下には、「水辺のサンプラザステージ」があります。黄色の建物は「キャナルシティ・福岡ワシントンホテル」で、どの建物も一体となった色使い、曲線がおみごと、そして、全体として華やぐデザインだと思います。

運河沿いの空間は、自然をモチーフとしたデザインから、モダンなデザインへと徐々に変化していきます。設計はアメリカ人建築家のジョン・ジャーディさんで、都市のビッグなショッピングスポットを多く手掛ける人です。

東京の「六本木ヒルズ」や大阪の「なんばパークス」、福岡県北九州市の「リバーウォーク北九州」、福岡市西区の九州最大級アウトレットモール「マリノアシティ福岡」などを設計しています。キャナルシティ博多をはじめとする九州の3スポットはどれもカラフルな色使い、曲線の複雑な構造で、この人らしい設計なのだろうなと感じます。

↑サウスビル2階から望むシーン。内部も吹き抜け空間があり、開放感にあふれています。それにしても多様なデザイン性だなあと思えます。

キャナルシティ博多は、7つの建物群で構成されています。「サウスビル」と「ノースビル」が「センターウォーク」でつながって扇状になっていて、キャナルをはさんで対面に「グランドハイアット福岡」(ホテル)があります。また、「ビジネスセンタービル」、「イーストビル」、「福岡ワシントンビル」がくっついている感じ、と言っても、複雑で伝わらないと思います(笑) 広いのと建物の曲線のありかたで、何度か通わないと把握できそうにありません。

残念なことに、取材に行ったときは水辺のステージが長期の工事中で写真が撮れませんでしたが、連日、水のパフォーマンスや音楽ライブなどのイベント、きらびやかな噴水のショーなどが行われていて人気があります。

↑2011年に増設、開業したイーストビル。ユニクロの九州最大店舗やZARAの国内最大級店舗など、カジュアルブランドの旗艦店などが並ぶ約100メートルのストリートで、天井が吹き抜けになっています。

↑上階に昇るとさらにオープンモールや曲線が目に飛び込んできて、複雑そうな構造の建築物に見えます。

↑キャナルシティ博多に隣接する高級ホテル「グランドハイアット福岡」(下)と、そこへ続く通路(上)です。上の吹き抜け空間は豪壮な柱に囲まれていて、エンタメムードとは違う大人の空気が漂っていました。

福岡市博多区住吉1-2
TEL:092-282-2525
ショップ:10:00~21:00、レストラン11:00~23:00

JR博多駅、福岡市営地下鉄空港線・天神駅、同・天神南駅、同・中洲川端駅、西鉄福岡(天神)駅から各徒歩7~15分

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