おもしろい発想をするコツは? 事例と思考プロセスを紹介! アイディア発想講座(入門編)【学生記者】 2ページ目
ずばり掛け算です。アイディアとは、既にある要素の新しい組み合わせなのです。(出典:『アイディアのつくり方』)具体例を見てみましょう。今度はイメージしやすいように、いくつか例を出して見てみたいと思います。
1.歩道橋
まずは毎日目にしているかもしれない、「歩道橋」はというと……
これは「横断歩道がないけど向こう側に渡りたい」、「自動車の交通を止めずに、歩行者の移動もスムーズにしたい」という「困ったこと」があり、それに対して「川の流れを止めずに向こう岸に人を移動させられる橋を応用する」という「解決策」がアイディアとして形になったものです!
2.YouTube
そして次は、みなさんが日々使っているであろう、「YouTube」はというと…
YouTubeは元々、「みんなで簡単にビデオ共有ができれば」という考えがきっかけとなって生まれたものです。つまりこれが「困ったこと」です。そして「解決策」はインターネット上にビデオをアップロードできる共有テレビのようなサービスをつくることでした。あなたの「You」とブラウン管を意味する「Tube」を掛け合わせた、「YouTube」というサービス名称からもそれが読み取れます!
3.iPhone
3つ目は、多くの大学生が使っている「iPhone」は……
これは音楽再生プレイヤーと携帯電話、ネット通信機器を同時に持てないかというのが「困ったこと」(より具体的にするとポッケが一杯になってしまうのが悩みだったのかもしれません…)で、「解決策」が「全部一緒にしてしまうこと」。それがアイディアとして形となって誕生したものでした。
◆なるほど!掛け算なのはわかったけど、でもやっぱり難しい……
これまで見てきた例から、「掛け算なのはわかったけど、やれと言われてできるものじゃない。」そう思っている人もいると思います。何よりも出すアイディアが直面している「困ったこと」からズレてしまうこともあります。そこで大切なのが……
そう、調べることです!
まずは自分が直面している「困ったこと」を分解して、紙に書いたりしてみましょう。例えば、「先輩の送別会で感動させるモノを作りたい」という「困ったこと」を抱えていたとします。そこでまずはこの「困ったこと」を分解して、「感動させること」と「先輩へのお礼を伝えること」に分けてみましょう。そうすると、掛け算しなければならない、項目が見えてきます。つまり「感動させること」×「先輩へのお礼を伝えること」=「アイディア」となるのです。
そしてこれをもとに調べるとすると、まずは「感動するもの」が何なのか調べましょう。? 例えば、手紙はもらうと感動してしまいますよね。他にも映画のエンディングや、感動する音楽などなど。これまでに経験したことから要素が出てくると思います。自分の経験以外にも、ネットで「感動 サプライズ」など検索してみたりしてみましょう。
そして次に、「先輩へのお礼を伝えること」を調べてみます。これは身近な例だったので、「過去に先輩がどのようなことをしてきた」のか、「後輩からされたら嬉しいこと」、「感情移入できること」を調べて要素化してみます。例えば、「先輩が何で活躍したのか」「どんな言葉が喜びそうなのか」「ちょっとおもしろくくかわいくイジるには、どんな要素がいいのか」といったことになると思います。
そして、最終的にそれらを「掛け算」してみましょう。実際にこの例で僕が掛け算してできあがったのは……
【「先輩の活躍を振り返る」×「ちょっとイジった」×「映画仕立て」】のスライドでした。数年前なので今思うとちょっと恥ずかしいですが、なかなかウケました(笑)
その前年は掛け算などせず、単純にプレゼントを贈っていただけなので、よりよいアイディアを出すことを意識したことでいいプレゼントを贈ることができたと思います!ちょっと身近な例にフォーカスしましたが、このような手順をもとにアイディアを出すことができます。
◆どんな状況でもやってみることが大事!
先輩の送別会なのか、ビジコンのプレゼンなのか、就活のグループディスカッションなのか状況は違えど、するべきことは同じです。最初からい良いアイディアは出すことができません。必ず考えれば考えるほどに、いいアイディアは出せるので、まずは課題を探し出し、それを要素に分けて調べ、掛け算をしてアイディアを出す。これを忘れないでやってみてほしいと思います!
文・須賀 健斗