リアルな恐怖が楽しめる! 実際にあった事件をモデルにした怖い映画7選 2ページ目
■『ゾディアック』
60年代後半から70年代前半、サンフランシスコを中心に多くの人を殺した「ゾディアック」と名乗る殺人者がいました。この映画はそのゾディアック事件を解決しようと奮闘する人々を描いています。ゾディアックは、不敵にも新聞社に暗号の犯行声明を送ったりしました。
映画内でも、ゾディアック事件の経緯、世の中の動きを丹念に追っています。最初は新聞の漫画家だった主人公が事件に取りつかれ、その正体を暴こうと執念の捜査を続けるのですが……。ゾディアックの正体は今もなお謎のままで、事件は迷宮入りとなっています。
■『凶悪』
刑務所に収監された男が他にも余罪があるとして、過去に自分が手を染めた殺人について自供を始めるというお話です。この男には指南役の「先生」がいて、全ての事件はこの先生の指示によることが明らかになっていく……というストーリーです。
これは実際に日本であった事件をモデルにしています。実際にあった「茨城上申書殺人事件」の真相を死刑囚が告白、これを新潮45編集部が追跡して本(『凶悪 -ある死刑囚の告発-』)にまとめました。この本を基にして映画が作られたのです。
■『殺人の追憶』
女性ばかりが殺される連続猟奇殺人を捜査する刑事たちの姿を描いた作品ですが、この映画の基になったのは、1980年代後半から1990年代前半に実際に韓国で起こった「華城連続殺人事件」です。韓国の軍事政権下で起こったこの事件では、10人もの犠牲者が出ました。
正確には華城連続殺人事件を基にした戯曲があり、それを映画化したのが本作ですが、軍事政権下の韓国の様子がよく再現されています。犯人を追っていく過程に見る人は強く引き込まれるでしょう。華城連続殺人事件は未解決で、迷宮入りしています。
■『カエル少年失踪殺人事件』
「臥竜山にカエルを捕まえに行く」と言って家を出たきり、5人の少年がこつぜんと消息を絶ちます。懸命の捜査にもかかわらず少年たちの行方は全くつかめません。捜査は行き詰まりを見せたかのように思われるが……というストーリーです。
この映画も1991年に実際に韓国で起きた「カエル少年失踪事件」を基にしています。2002年に少年たちのものと思われる5体の白骨死体が発見されました。しかし、この事件もやはり犯人不明のまま時効が成立。迷宮入りしたのです。
実際の事件を基にした映画には、現実にあったという事実からくる迫力のようなものがあります。今回紹介した映画は、その迫力が見る人に異様な怖さとなって伝わるものばかりです。もし未見のものがあれば、ぜひ一見をお勧めします。涼しくなれること請け合いです(笑)。
(高橋モータース@dcp)