――「聞いてもらえる空気」をつくるためにはどんなことを心掛けるといいでしょうか?
松下さん とにかく「準備すること」が大事になってきます。私たち実演販売士も、最初は「話す内容」を覚え、自分のものにするところから始まります。覚えられなければ10回、20回とやって、それでも覚えられないなら50回、100回とやる。そうするうちに、自分の言葉で話せるようになります。
――面接でも、自分で話せるようにとにかく覚えることが大事である……と。
松下さん 人と話す際に大事なのは「いかに自然に話せるか」「自分の心が出せているか」ということです。ですからただ覚えるだけでなく、友達でも先生でもいいのでとにかく人に話し、経験値を高めるべきですね。そうすることで、次第に自分の言葉にしていけるでしょう。
――準備しても緊張してうまく話せないという人もいますが、どうすればいいですか?
松下さん 緊張してしまうのは不安だからだと思います。じゃあその不安を取り除くにはどうすればいいかというと、それも準備することだと思っています。アドリブで話すのは私でも緊張するものですから、しっかりと準備して自分の言葉で話せるようになれば、堂々と話せるはずです。それともう一つ、ハードルを下げることもポイントです。必要以上によく見せようとしたり、余計なことを考えるから緊張するので、そのハードルを下げることで失敗をそれほど恐れることもなくなりますし、緊張を和らげることにもつながります。
――空気づくりの他に、相手を自分の話に集中させるためのテクニックなどはありますか?
松下さん 私の場合、話の内容で「絶対的な事実」の部分は非常に強調して話しています。例えば就活生の場合だと、自分自身の絶対的な自信があるところは強調するなどですね。そうした強弱をつけることは重要です。他には、ただだらだらと話すのではなく「大事なことは3つです」「3つだけ覚えてください」「最後に1分だけ聞いてください!」と「時間を限定すること」もいいですよ。
――面接だと、「私の長所は3つあります」といった感じですか?
松下さん そうですね。そうして相手に終わりをちゃんと伝えることで、話に飽きられないようにできます。