就活を始めるとよく耳にする「売り手市場」「買い手市場」という言葉。「売り手市場」とその反対の「買い手市場」は、学生側と企業側にとってどんな状況なのでしょうか。ここでは「売り手市場」「買い手市場」という言葉の意味を押さえた上で、就活生が気になる点について解説します。
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「売り手」とは、商品を売る側のことをいい、反対に「買い手」は商品を買う側のことをいいます。 就活で売買されるのは、商品ではなくて労働力だと考えられます。学生は労働力を提供する「売り手」、その労働力を必要として採用する企業が「買い手」ということになります。
「売り手市場」は、就職したい学生の数に対して、採用したい企業の数のほうが多いという状況で、学生側にとって優位であることを意味します。逆に、就職したい学生の数よりも採用したい企業の数の方ほうが少ない場合は「買い手市場」となり、企業側が優位な状況となります。
就職希望の学生数に対し企業全体の採用人数が多い状況の「売り手市場」の場合、就職は広き門となります。したがって、学生は就職先企業をじっくり選ぶことができ満足度も高められます。これとは逆に「買い手市場」の場合、就職は狭き門となります。企業の選考レベルが上がることが考えられ、学生にとっては厳しい就活となるでしょう。
就活は市場によって大きな影響を受けるため、これまでも就職市場は時代によって変動してきました。例えば1980年代後半のバブル経済時代は「超売り手市場」で、学生は就職先を選び放題でした。いくつもの内定をどう辞退したらよいか困る学生もいたほどです。しかし、90年代に入りバブル経済が崩壊すると、就職氷河期が訪れ「超買い手市場」が長く続きました。その後もリーマンショックなど経済状況によって、就職市場は変動を繰り返してきています。
2021年の就職市場はどうでしょうか。コロナショックによって企業の採用活動が停滞していると言えますが、そんなときだからこそ右往左往することなく冷静に志望企業の情報収集を行うことが大事でしょう。
文・学生の窓口編集部