みなさんは「フェルミ推定」という言葉を知っていますか? これは「実際に調査するのが難しい問題を短時間で推論し、概算する」というもの。柔軟かつ論理的な思考力が測れるということで、就活では面接の場で頻繁に出されます。今回は、このフェルミ推定についてまとめてみました!
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就活で耳にするフェルミ推定ですが、実際どれくらい出題されているのでしょうか? また、どんな質問が出題されたのでしょうか? 就活経験者にアンケート調査をしてみました。
はい……7.4%
いいえ……92.6%
実際にフェルミ定理が出際された割合は1割以下と、少ない結果に。では、実際はどんな質問が出されたのでしょうか?
・インドの英語を教えている小学校の数を答えなさい(女性/23歳/大学4年生)
・日本にビルはいくつあると思うかと聞かれ、全く見当がつかなくて困った(女性/22歳/大学4年生)
・日本全国で美容室と歯科医院とコンビニと郵便局のどれが一番多いかを推定、仮定で大体の数も出しなさいと言う問題が筆記試験で出た(男性/22歳/大学4年生)
・「この時間帯に運転してる人は何人か」や「清涼飲料の国内市場規模は何円か」といった質問があったが、持ち合わせの知識等を用いて、割と正確に答えられたような気がする(男性/23歳/大学4年生)
マイナビ学生の窓口調べ
調査日時:2016年11月10日~2016年11月15日
調査人数:大学生男女229人(男性91人、女性138人)
「インドの英語を教えている人数」「美容室と歯科医院とコンビニと郵便局のどれが一番多いか」など、かなりハイレベルで、解き方を知らないと苦戦しそうな問題ばかりですね。
それでは、以下でフェルミ推定とは何か、またその解き方を解説します。
まず「フェルミ推定」についてですが、このフェルミとはイタリアのノーベル物理学者であるエンリコ・フェルミのことです。なぜフェルミの名が付けられているのかというと、フェルミ自身がこうした不確定な問題を短時間で概算することが得意であり、また教壇に立っていた大学(シカゴ大学など)でよく出題していたから、といわれています。
ちなみにフェルミ推定という言葉は日本だけの造語。誰がこうした呼び方をするようになったのかなどは確かではないそうです。
このフェルミ推定は、海外の大学の授業や企業の面接で出されており、Googleなど有名企業もフェルミ推定を取り入れています。そのことが大きく注目され、論理的な思考力を測る目的で、日本の企業も面接で出すようになりました。
就活面接の場ではおなじみとなったフェルミ推定ですが、特に有名な問題が、
・「シカゴにピアノの調律師が何人いるか?」
というもの。これはフェルミ自身が教え子に出したとされている問題です。「そんなのわかるわけないだろ!」と思ってしまいますが、この問題は、
・シカゴの人口
・1世帯当たりの平均人数
・ピアノを保有している世帯の割合
・調律が行われる頻度
・調律師が1日に調律するピアノの台数
・調律師が年間に働く日数
以上のデータを仮定し、それを用いて概算することで推論できるとされています。もちろんデータは仮定なので、正しい答えが出ることはほぼありません。このフェルミ推定では、正しい答えを導き出すのではなく、答えを出すに至るまでの工程がいかに論理的であるか、を見ているのです。