重岡大毅、原菜乃華、田中みな実「自分の肉体や精神を通して経験するからこそ、言葉に血が通う」 #学生の君に伝えたい3つのこと
人生の先輩である著名人の方々から、まだまだ自由に使える時間が多い大学生のみなさんに、“学生のうちにやっておいたほうがいい3つのこと”をアドバイスしてもらおうという連載「学生の君に伝えたい3つのこと」。
今回は映画『5秒で完全犯罪を生成する方法』に出演した重岡大毅さん、原菜乃華さん、田中みな実さんが登場。自分だけの考え方を持つ上で役立ったこと、実践していることを教えてくれました。
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学生の君に伝えたい3つのこと
重岡大毅、原菜乃華、田中みな実が<学生の君に伝えたい3つのこと>
1.重岡大毅:自分が生きていて引っかかったことや、言葉にならないことを、手に取って見つめて書く
──みなさんが自分なりの視点を持つためにやっていることや、自分の考えを深める助けになったと感じたことはありますか?
重岡:僕、今年一年の目標がとにかく自分と対話するということなんですけど、今回の『5秒で完全犯罪を生成する方法』でタイピングをするシーンがあったんですよ。監督がタイピングマスターというか、ものすごくタイピングが速くて、話を聞いていたらだんだん面白そうだなと思って。
決め手の一言は「重岡くん、タイピングが速くなったらね、タイピングが自分を追い越すことがあるんだ」という言葉だったんですけど(笑)、映画の撮影が終わってから毎日500〜1000文字くらいを書いて、ファンの方向けのブログを投稿していて。始めて3か月になるんですけど、結構大変なんですよ。自分が生きていて引っかかったことや言葉にならないことを手に取って見つめて書くから、まさに自分を知る毎日になっているなと思っていて。
AIを使えば、それこそ爆速で答えっぽいものを出してくれるじゃないですか。でも自分の肉体や精神を通して経験するからこそ、その言葉に血が通うと思っているし、僕はステージに立つのが好きで、そういうところで自分の言葉で話したいし、歌いたいから、今はそれを続けていますね。
2.原菜乃華:過去に好きだったものを見返すことで、自分の成長を感じる
原:10代の頃はタイムスケジュールを完璧に立てて映画館で3〜4本連続で映画を観たり、「この本を読むまでおうちから出ない!」と決めたり、どっぷり作品に浸る時間が私にとっては大事だったなと思っていて。
本を読むときはいつもマーカーで線を引いたり、付箋をペタペタつけながら読むんですけど、それこそ(今作で演じた)幸来と同じ17歳だったときに「今の気持ちを代弁してくれてる文章だな」と思って線を引いたところを今読むと、大して年数が経っているわけじゃないんですけど、「こんなことを考えてた時期もあったな」と思う瞬間があって、作品を通して自分の成長を感じられるのがすごく面白くて。
私は10代を演じる機会も多いので、当時のヒリヒリした気持ちを鮮度高く持っておくためにも、過去に好きだったものを見返す時間は大切にしていますね。
3.田中みな実:どんなときも、必ず自分の意見を持つことを習慣に
田中:多角的な視点を持つために意図的にやっているわけではないんですけれども、読書するときや、映画、舞台、ドラマに触れたとき、ニュースを見たときや何か問題に直面したときは、必ず自分の意見を持つことを習慣にしています。
前職のアナウンサーという仕事では中立の立場を取らないといけなくて、自分の意見を口に出す機会がほとんどなかったんですね。だからこそ「意見を持っておくことは大事だよ」と上司に言われて、それからずっと習慣にしています。
生成AIを題材にした意欲作。それぞれが直面した役作りの壁とは
──9月11日にみなさんが出演された『5秒で完全犯罪を生成する方法』が公開されます。出演が決まった際のお気持ちを聞かせてください。
重岡:(配給の)GAGAさんは昔『溺れるナイフ』でお世話になっていて、それで僕のキャリアが変わったという恩もありましたし、脚本の岡田(道尚)さんも『宇宙を駆けるよだか』でご一緒させてもらって、そこからいろんなことが変わっていったので、台本を読む前から「やりたい」と思っていて。
完全オリジナルの脚本だったから、それが今手元にあるのはすごいことだなと作ってきた方たちのことを確かに感じましたし、AIにはすごく興味があって、それがエンタメに昇華されているのを感じて、改めて「やろう」と思いました。
原:まずお話をいただいたときに、『5秒で完全犯罪を生成する方法』というタイトルがとってもキャッチーで、こんなに興味を引かれるような題材は絶対にやりたいなと思いましたし、その時期ChatGPTをめちゃくちゃ使っていたので、すごくタイムリーだなと思って。
AIを題材にしているから、近未来やSFというファンタジーチックな感じなのかなと思ったんですけど、読んでいる最中に自分事としてのめり込んでいく感覚があって、最後までページをめくる手が止まらなかったので、映像になったときに絶対に面白いだろうなと思いました。
田中:生成AIを題材にした作品に出演するのは初めてだったので本当に興味深いと思いましたし、ありそうでなかったなと。映画は撮影から一年くらいかけて編集され公開されることが多いのですが、今作は1月に撮って9月に公開という異例のスピード感でした。今、話題の生成AIを題材にしたものを鮮度が高い状態でいち早く公開したい、エンタメにしたいという説明を受けて、制作陣の気概を感じました。
──役作りで苦労されたことはありますか?
重岡:ありました。どんどん状況が変わって、(重岡さん演じる)航にとってはよくない方向に進んでいくんですけど、AIの回答と航自身が人として考える部分の両方が軸になっている感じがしたので、そのグラデーションの中で演じていくのがすごく難しかったです。だから自分の中で納得できるように、いろいろノートに書いてまとめていました。
原:幸来は序盤のほうから追い詰められていて、どんどん精神的にも参っていく役どころでもあるので、普段の幸来がどういう人間なのかがちゃんと見えるようなお芝居をしたいなというのは、頭の片隅に置きながら現場にいました。あと左利きという設定だったので、物を持つときや文字を書くときにも、できるだけスムーズにできるように練習していました。
田中:七希という人物をどう演じたらいいか迷って監督に相談したときに、「僕は自分なりの七希像を持っているんだけども、あえて共有しません。その代わりにヒントになる映画を3つお伝えします」と言われて、私の場合は『羊たちの沈黙』『バレリーナ』『マーサ、あるいはマーシー・メイ』で。
それを観たら役のイメージを掴めましたし、それぞれの映画から得られる部分がとても多かったです。自ら考える余地を与える伝え方もすごくおしゃれ。監督からの思わぬアドバイスにどこか特別な気持ちでいたら、みんなにも、それぞれの映画を伝えていたみたいですね(笑)。
重岡:同じ映画を渡しているんかなと思っていたけど、違う映画やった。
田中:何の作品だったの?
重岡:ちょっと……あとで伝えます(笑)。でも全部観たよ。高速道路のやつと、地下に捕まるやつと、あとは『バタフライ・エフェクト』。それは覚えている。
原:私は幸来が好きそうな映画として、『2分の1の魔法』でした。重岡さん、『ブラック・フォン』じゃないですか?
重岡:そう! 『ブラック・フォン』。あと多分『ハイウェイ』だったかな。
田中:妹、しっかりしてますね(笑)。
重岡:してるでしょ、本当に(笑)。
初日から距離が縮まった、笑顔とツッコミが絶えない和やかな現場
──お互いの第一印象や、共演を通して見えた新たな一面を教えてください。
重岡:さっき「第一印象から変わったとこあった?」って原さんに聞いたんですよ。そしたら「第一印象なんか覚えてない」と言われたんですけど(笑)。
原:そんな言い方してないです!(笑)
重岡:原さんはZ世代というだけあって、普段喋っているときは本当にフレッシュな感じなんです。ただお芝居になったらバシッとスイッチが切り替わって、もうなんでも来い!という感じで。めちゃくちゃ年は離れているけど、すごく頼りがいがあるなと思いましたね。
原:やった〜!
田中:重岡さんは、明るくて常に笑顔というイメージでしたが、実際にお会いすると本当にいろんなことを考えられていて、現場もよく見ているし、すごく真面目で生活スタイルもキチッとされていて。睡眠を何より大事にして生活しているところとか、消化のことを考えて夜ごはんを食べるタイミングを決めるところは、私とそっくりだと思ってしまいました。全然そう見えないのが不思議。
重岡:悪口?不健康そうってこと?(笑)
田中:健康意識が高そうにみえないってこと(笑)。原ちゃんはいろんな作品で拝見していて、お声がかわいらしいから幼さを感じていたんですけど、実際にお話すると考え方がすごくしっかりしていて、芯があるなと。お話もたくさんしてくれて、仲良くさせていただきました。
重岡:田中さんは印象が変わったかもな。
田中:さっきは「ずっと印象が変わらない」って言ってたじゃん(笑)。
重岡:いや、ちゃうちゃうちゃう(笑)。質問すればするほどずっと面白いことを言ってくるから、興味深い人だなと思いました。
田中:確かに、人に興味がある方だなとお見受けしました。原ちゃんにも私にもよく質問してくれて、いちいち全部にツッコんでくるんです。
重岡:田中さんは変な関西弁で喋るんですよ!
田中:(重岡さんが)ずっと関西弁で喋っているから、引っ張られちゃうのよ。
重岡:違う!わざと変な関西弁で……。
原:喧嘩しないでください(笑)。田中さんはすごくお話しやすい方ですし、こうやって重岡さんとやんややんや言い合っているのが面白くて(笑)。
田中:つまり重岡くんは、みんなとやんややんや言い合っていたってことよ。
重岡:確かに、非常に明るい現場でしたね(笑)。
原:重岡さんは初日からめちゃくちゃ話しかけてくださって、とんでもない速度で距離が縮まった感じがありましたし、いつもいじってくださって(笑)。そのおかげで年の離れた兄弟という雰囲気を最初のほうから作れたなと思います。
重岡:そこまで見越していたんだと思います。やっぱり座長なんで。考えたことなかったけど(笑)。
──現場も今のように楽しい雰囲気だったのでしょうか?
田中:本当にそうでした。
重岡:(田中さんは)エンタメお姉さんですね。
田中:関西のお兄さんと、エンタメお姉さんと、ギャルがいて。
原:はー、面白い(笑)。
田中:でも同じシーンはそんなになかったんですよ。
原:確かに!
重岡:でも結構喋ってたな。俺は(田中さんに)美容のこととか、気になることを聞いていましたね。掘ると話題を提供してくれるんで。
田中:そうでしたっけ?(笑)
重岡:そうでしたよ。あんまり覚えてない?興味ない?(笑)
田中:重岡さんはこういう感じで、ずっとわーっとツッコんできて(笑)、原ちゃんとは食べ物や甘いものの話で盛り上がったよね。
原:そう!田中さんがチョコレートをお好きで、撮影時期がバレンタインに近かったのでプレゼントしてくださいました。
重岡:むっちゃうまかった!チョコに「帰ったら冷蔵庫にこの温度で入れろ」っていう果たし状みたいなメモが貼ってありました!(笑)
原:私は重岡さんと一緒のシーンが多かったんですけど、目が合うたびに暴言を吐かれて(笑)。
重岡:ちょっと待ってください(笑)。原さんが一日中アニメを観て、ChatGPT をやっているって言うから、「やめろ」と言っただけです!
田中:やめなくてもいいのにね〜!
原:ね、別にいいのに。「アニメ観てんの?しばくぞ」って(笑)。
田中:え〜、怖い〜!
重岡:もうほんまに、終わり終わり(笑)。
便利なAIとどう向き合うか。自分の頭と心を動かすことの大切さ
──最後に、見どころを教えてください!
重岡:みなさん、普段からラフにAIにいろんなことを相談しているのかなと思うんですけど、今回の映画はそんな日常の延長線上で、完全犯罪について相談するところからお話が始まるんですよ。
AIって人に言えないことを聞いてもいいし、何回も同じことを聞いていいものではあると思うんですけど、この作品ではAIにはない人間らしさというか、人それぞれに個性があるというところをしっかり描けているかなと思うので、AIをいっぱい触る世代のみなさんだからこそ観てほしいです。
原:私は調べ物以外にも友だちや相談相手みたいな感じでChatGPTを使っていて、危険なものみたいな考えはなかったんですけど、この映画を観て距離感を気を付けないと危ないのかなという学びがありました。
パッと答えが出てくるものって便利ですぐ使いたくなっちゃうけど、どれだけ頭と心を動かしてその結論に至ったのかというところに人にしかない魅力があるなとも思いました。あとAIの声が早見沙織さんなんですけど、無機質な声が不気味さ、不穏さを引き立ててくれているなと感じて、それは台本を読んだときには気づかなかったこの作品の魅力だなと思いましたね。
田中:私の役柄はAIに翻弄されてしまうというか、気付かぬうちに依存してしまっています。AIは不完全であるということを十分に理解した上で付き合っていってほしいし、利用する側の人間であってほしいなと思いました。この作品が私たちの日常に当たり前に存在するAIについて考えるきっかけになるといいなと思っています。
PROFILE
重岡大毅
1992年8月26日生まれ、兵庫県出身。A型。アイドルグループ・WEST.のメンバー。2014年に「ええじゃないか」でCDデビュー。個人として俳優業でも高く評価されており、近年の主な出演作にNetflixオリジナルドラマ『宇宙を駆けるよだか』、ドラマ『これは経費で落ちません!』『知らなくていいコト』『#家族募集します』、映画『溺れるナイフ』など。9月11日(金)公開の主演映画『5秒で完全犯罪を生成する方法』が控えている。
原菜乃華
003年生まれ。東京都出身。2009年にデビュー後、映画やドラマで活躍。2022年『すずめの戸締まり』で声優初挑戦し、第18回声優アワード新人賞を受賞。2023年にはNHK大河ドラマ『どうする家康』に出演。映画『ミステリと言う勿れ』で第47回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。以降、2024年配信&映画『【推しの子】』で有馬かな役。2025年NHK連続テレビ小説『あんぱん』メイコ役など。9月11日(金)公開予定の映画『5秒で完全犯罪を生成する方法』では主人公の妹、初海幸来を演じる。
田中みな実
1986年11月23日生まれ、埼玉県出身。A型。2019年のドラマ『絶対正義』をはじめ、『最愛』『あなたがしてくれなくても』、初主演映画『ずっと独身でいるつもり?』など数多くの話題作に出演。近年の出演作には、ドラマ『ブラックペアン シーズン2』『フェイクマミー』『愛の、がっこう。』などがある。9月11日(金)公開の映画『5秒で完全犯罪を生成する方法』では、主人公たちの前に突如現れる謎のトップ女優・七希役を演じる。
「5秒で完全犯罪を生成する方法」

【STORY】
「この事件を迷宮入りにする」―― 兄妹は生成AIに全てを託した。禁断の“完全犯罪サスペンス”誕生!
フリーライターの初海航(はつうみ・わたる)は、意図せず殺人を犯した妹・幸来(さら)を守るため、生成AIを駆使して事件を隠蔽しようと思いつく。AIの指示に従って、指紋を拭き去り、死体に死化粧を施し、更にアリバイを工作。無事警察の事情聴取をクリアしたかに思われた二人だったが、事件は世間を騒がせる連続殺人と同じ手口だと知らされる。思いもよらない展開を見せ始めた事態の真相を探るうち、航はトップ女優の七希(なつき)にたどり着く。果たして兄妹の完全犯罪の行方は――?
重岡大毅 原 菜乃華
田中みな実
伊藤 歩 黒田大輔 森岡 龍 九十九黄助
石丸幹二
原案・脚本・プロデュース:岡田道尚 監督:近藤亮太
製作幹事:ギャガ ストームレーベルズ
配給:ギャガ
制作プロダクション:アークエンタテインメント
製作:「5秒で完全犯罪を生成する方法」製作委員会
© 2026 Gaga Corporation/Storm Labels Inc./Studio i3
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取材・文/東海林その子
































