俳優・松坂桃李が“学生の君に伝えたい3つのこと”「人とコミュニケーションをとることに慣れておいたほうがいい」

編集部:あこ

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新連載「学生の君に伝えたい3つのこと」。人生の先輩である著名人の方々から、まだまだ自由に使える時間が多い大学生のみなさんに、“学生のうちにやっておいたほうがいい3つのこと”をアドバイスしてもらおうという連載です。

記念すべき第1回目のゲストは、4月24日(土)から主演ドラマ『今ここにある危機とぼくの好感度について』(NHK)がスタートする松坂桃李さん。ドラマの中では“名門大学の広報マン”を演じている松坂さんは、いったいどんなアドバイスをしてくれるのでしょうか?

俳優・松坂桃李が
<学生の君に伝えたい3つのこと>

1.人とコミュニケーションをとることに慣れておく

ーー松坂さんが、学生のうちにやっておいたほうがいいと思うことはなんですか?

学生時代にアルバイトを始める方も多いと思うんですけど、アルバイトでもなんでも、学生のうちにちゃんと人とコミュニケーションをとれるような機会を作っておいたほうがいいと思います。たぶん将来、会社や組織はもちろん、個人として仕事をする場合でも、なにかしら人とのコミュニケーションスキルを要求される場面が多くなってくると思うので、学生のうちから話すことに慣れておいたほうが、社会に出たとき、間口を広げられることにもつながるんじゃないかな、と思います。

ーー松坂さんは大学時代バイト三昧だったそうですが、ご自身もバイトをしたことで社会性が身についたなという実感はあったんですか?

僕の場合は俳優という仕事だから、そんなに役に立っているかどうかわからないですけど(笑)。これまで、スーパーの青果コーナー、大戸屋のキッチン、深夜のコンビニ、個人経営の居酒屋、それに電話対応のアルバイトも経験して、いろんな人と接するという意味では、必要最低限の社会性は身についたのかなと思います。

この仕事を始めてから、お金を稼ぐことの大変さはもちろん人とちゃんと話ができることや、仕事の現場でしっかりとコミュニケーションがとれるようになっておくことは非常に大事だなと改めて実感しました。

2.日本の伝統や文化に触れる

ーーでは次に、学生のうちに見てほしいモノを教えてください。

なんだろうなぁ……(と少し考えて)。これはある種後悔に近いんですけど、僕はもっと早くから日本の伝統や歴史を詳しく知っておくべきだったなと思っていて。今、日本のさまざまな職人の方たちの跡を継ぐ人がどんどん減っていて、その職業自体がなくなる危機に陥っていたりするんです。例えば刀の研ぎ師とかもそうなんですけど、もう本当にできる人がいないらしくて。だから、社会に出て会社に勤め始めたりしたらきっと自由な時間もなくなってくるだろうから、なるべく自由な時間がある学生のうちに、そういった日本独自の伝統や文化に触れておくのもいいんじゃないかなと思いますね。

僕がもし学生の時に日本の伝統や文化に興味をもって、日本の職人さんと出会ったりしていたら、その文化を海外とつなげる架け橋みたいな仕事をしていたかもしれないな、とふと思ったことがあったんです。意外とそういう日本の文化や芸術って、外国人の方がすごく興味をもってくれて、自分のアートに取り入れたりして、逆輸入的な感じで日本に入ってくるという流れが昔からあるじゃないですか。だから、もしかしたら例えばまだあまり知られていない日本の職人さんの作品の個展みたいなものを海外で開くような仕事をしていたかもしれないな、って。

3.字を書くクセをつける

ーー学生のうちに知っていたら、将来が変わっていたかもしれないですね! では、松坂さんが自身の経験を振り返ってやっておいてよかったなと思うコトはなんですか?

ペン習字です! ペン習字に限らず「書く」ということはやっておいたほうがいいと思います。僕も字は全然きれいじゃないんですけど、なるべく書くようにしています。「書く」機会ってたぶんこれからもどんどん減っていくと思うんですよ。パソコンで文字を打ったり、リモートで話すことで済んでしまうからだと思いますけど、ときには「書く」ことで頭の中を整理できたりもするし、企画なんかを考えるときにも、すごく発想しやすくなったり、自分で書いたものを見ることで、即座に記憶にもつながったりするので。

ーー手って、脳と直結してるって言いますもんね。

そうなんですよね。今、すごく「書く」機会が減っているので、書くクセをつけるようにすると、きっと今後に役立つのではないかなと思います。

現代社会を切り取ったブラックコメディ

ーードラマ『今ここにある危機とぼくの好感度について』は、名門大学の広報マン・神崎真が、次々と巻き起こる不祥事に巻き込まれ、逃げ切ろうとして逆に追い込まれてしまうというブラックコメディですが、松坂さんは本作のどこに魅力を感じましたか?

まず純粋にお話として面白いですし、かつ今の現代社会をきちんと切り取った上でブラックコメディとして描いているところに魅力を感じました。僕が演じた真という役は、これまで好感度だけでやってきたような元アナウンサーで、事なかれ主義と言いますか、ある意味現代社会を体現しているような男で。公の場で自分の意見を強く言いすぎてしまうと炎上しかねないから、なるべくおだやかに、できるだけうまく立ち回りたいと思っている人物なんです。そんな真が、嵐の中にひとりで放り込まれたときに、どのような化学反応が起きるかということにもすごく興味がわきました。

ーー大学の広報マンがドラマに登場することはこれまであまりなかったと思うのですが、大学の広報マンについて、なにかしらのイメージはありましたか?

僕はこれまで、大学に広報があるということすら認識していなかったんです。大学の謝罪会見なんかでも、広報の方が「こういう文言を言ってください」とか「こう言えば大学としての好感度が上がります」みたいなアドバイスをするわけですよね。そういう機関が大学にもあることを知らなかったので、すごく新鮮に感じました

ーー実際に広報という仕事を演じてみて、どんな印象を持ちましたか?

非常に板ばさみにあう職種だなと思いました(笑)。大学側の意見や世間の意見もある中で、いろんな方向からの圧を受けながら、葛藤しつつ自分なりの答えを導き出すという、とても大変な仕事だなと。でも、広報って裏側の部分で巻き起こっていることを自分なりの目線で見ることもできるので、そこの面白味は大いにありましたね。

ーー撮影中、大学生の頃を思い出したりもしましたか?

僕は学生時代にこの仕事を始めたこともあり、大学は途中までしか行ってないんですけど、当時の僕はずっとアルバイトをしていて、自分の進みたい方向や、人生の指針みたいなものはまだ定まっていませんでした。ぬるま湯につかっているような感じが強かったんですよね。ちょっと時間を持て余す感じが結構あったように思います。今作に登場するような新聞部の学生たちみたいに、何かに決起するような強い意志みたいなものもなかったですし、自分のいた大学にもそういう人はいなかったんじゃないかな。どちらかというと「学生時代を謳歌しようぜ! ウエ〜イ!」みたいな子たちが多かったように思います(笑)。

役者としてブレることなく作品を形にして届けたい

ーータイトルにもある“好感度”という言葉は松坂さんにとっても大事なものだと思うのですが、好感度という言葉にどんな印象を持っていますか?

日本の芸能界は好感度に支えられてる部分が大きいんだな(笑)というのは実感していますね。たとえば海外だと、ハリウッドスターの方たちは、選挙のときにツイッターで「私は〇〇さんを支持します」とか「〇〇さんの政策には反対」とか、スパッと言ったりするじゃないですか。でも日本だと、政治の話はなんとなくタブーのようになっていて、政治について発言したら炎上しちゃうんじゃないかとか気にしちゃいますよね。もちろん、文化が違うと言ってしまえばそれまでなんですけど、日本人は特に、好感度を気にするあまり何も言えなくなってしまうという傾向がある気がします。

ーーでもやっぱり、好感度ばかり気にしているというのもなんだか違いますよね。

そうなんですよね。でも、だからと言って好き放題に発言して好きなことばかりしていたら、芸能界から光の速さで消えてしまうのかもしれないですけど(笑)。あまり気にしすぎないようにするのがいちばんかもしれないですね。

ーー今作で松坂さんは事なかれ主義の人物を演じていますが、ご自身が事なかれ主義になってはいけないと思っていることはありますか?

役者として何かを発信し、伝えていく側として、制作側の意図をブレずにきちんと形にして届けるということは全うしたいなと思っています。今、SNSなんかでいろんな情報がたくさん見られることもあって、視聴者のたったひとつのコメントで話が左右されちゃったりすることもあるんですよね。「視聴者がネットでこういうことをいってるから、こういう感じの作りに変えようか」みたいな。それって本当はいち個人の感想でしかないはずなのに、そこに左右されて、作品が本質から離れて違うものになっていくことは避けたいな、って。

エンターテイメントって、人の心を癒したり、ときには支えになったりするものであってほしいと思うので、この仕事をしている以上はやっぱり、監督やプロデューサーが届けたいと思っていることを、役者としてブレずに形にして届けられるパイプ役でありたいと常々思っています。

PROFILE

松坂桃李

1988年10月17日生まれ。神奈川県出身。 2009年に「侍戦隊シンケンジャー」で俳優デビュー。その後、映画、ドラマ、舞台と幅広く活躍。主な出演作に『彼女がその名を知らない鳥たち』(17)、『不能犯』、『娼年』、『孤狼の血』(18)などがある。主演を務めた『新聞記者』(19)では、日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞。今後は『いのちの停車場』(5月21日公開予定)『孤狼の血 LEVEL2』(8月20日公開予定)、『空白』(2021公開予定)の公開が控えている。

土曜ドラマ『今ここにある危機とぼくの好感度について』
2021年4月24日(土)より、毎週土曜 夜9時 NHK総合にて放送スタート 

※5月15日は休止

主人公は大学の広報マン。次々に巻き起こる不祥事に振り回され、その場しのぎで逃げ切ろうとして追い込まれていく。その姿をブラックな笑いとともに描きながら、現代社会が抱える矛盾と、そこに生きる人々の悲哀に迫る。


松坂桃李 鈴木杏 渡辺いっけい 高橋和也 池田成志
温水洋一 斉木しげる 安藤玉恵 岩井勇気 坂東龍汰 吉川愛 若林拓也 坂西良太 /國村隼/ 古舘寛治 岩松了 松重豊 ほか
※古舘寛治さん「舘」の字は、正しくは、外字の「舘(※舎官)」です。
<ゲスト出演>
国広富之 辰巳琢郎 嶋田久作 ほか


土曜ドラマ『今ここにある危機とぼくの好感度について』公式サイト


取材・文/落合由希
撮影/島田香
ヘア&メイク/高橋幸一(Nestation)
スタイリング/TAKAFUMI KAWASAKI (MILD)
編集/学生の窓口編集部

編集部:あこ

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食べることと寝ることが大好き。休みの日は家にこもって、ひたすら映画やドラマを見たり、漫画や雑誌を読むのが幸せ。

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