【楽天グループ】大規模トラフィックを支える新卒エンジニアに直撃!学生時代の「長期インターン」はどう活きる? #先輩ロールモデル
「将来の“なりたい自分”がまだわからない」という悩みを抱えるみなさんに、いろんな企業で活躍する先輩たちの姿を通してロールモデルを見つけてもらう企画「#先輩ロールモデル」。
今回は【楽天グループ】のクラウドサービス部でエンジニアとして働く先輩社会人にインタビュー。
大規模トラフィックを支えるロードバランサーの開発・運用に携わる氏家さんに、具体的な仕事内容や、学生時代の長期インターン経験を活かした就職活動のコツについて詳しくお話を伺いました!

・ロードバランサー(外部からの通信(トラフィック)を複数のサーバーに分散する装置)の開発、運用保守を担う。
・障害対応およびシステムの自動化を担当。
・チームの中で新しい技術を取り入れる時など、自分の考えを発信しながら仕事ができる点に働きやすさと魅力を感じている。
会社説明
1997年に設立された楽天グループは、「インターネットで人はモノを買わない」と言われた時代に、地方の小さな商店でも、コンピューターに強くなくても、誰でも簡単に店を開けるようにしたいというコンセプトで、「楽天市場」をスタートしました。従業員6人から始まり、現在は全世界で約3万人、70以上のサービスを展開するまでに急成長を遂げています。当社の強みは、楽天IDと楽天ポイントを軸に多様なサービスを紐づける「楽天エコシステム(経済圏)」です。
また、「イノベーションを通じて、人々と社会をエンパワーメントする」というミッションを掲げ、お客様や社会全体と共に成長することを目指しています。社内は100カ国以上の国・地域出身の従業員が在籍する多様性に富んだ環境です。カフェテリアのあるオフィスでは、3食の食事を基本無料で提供しているほか、楽天クリムゾンハウス(本社)にはサロンやフィットネスジムなども完備されています。また、フレックスタイム制度など福利厚生も充実しており、安心して働ける環境が整っています。
――まずは自己紹介をお願いします。
2025年入社の氏家と申します。現在はクラウドサービス部でエンジニアとして働いています。
――具体的にどのようなお仕事をされているのか、教えていただけますか。
大量のアクセスを複数のサーバーに分散させる仕組みである「ロードバランサー」の開発・運用を行っています。『楽天スーパーSALE』や『お買い物マラソン』などでアクセスが集中する際に、サービスやシステムが止まらないように通信を適切に振り分ける役割を担います。
具体的には、通信を振り分ける仕組みの構築、安定稼働するための機能改善や開発、トラブルを未然に防ぐための監視や対応を行っています。
――現在担当されている障害対応とシステムの自動化について、普段はどういう流れでお仕事を進められているのか、1日のスケジュールも合わせて教えてください。
例えばある1日の流れですが、9時頃に出社し、業務を開始しています。この時間帯にメールやチャットを確認して、その日の優先事項を整理しています。10時から11時は朝のチームミーティングの準備に充てており、前日のアラートの共有や、それぞれのタスクの確認などを行っています。11時から12時までは開発や運用保守の作業を行っています。
午後1時から2時までは午前中の作業の続きを行っています。週1回30分間の1on1ミーティングがあり、上司と進捗状況やキャリアの目標について話し合っています。その後は開発などを行い、必要があればミーティングに参加しています。日中にトラブルが発生した際はタスクを止めて、その対応を優先して行っています。退勤後には会社のカフェテリアで夕食を取り、帰宅しています。
システム監視については基本的に自動化されています。例えば、検知した障害のうち簡単なものは専門チームで対応しますが、調査が必要なものは私のチームに上がってきます。私は最初のレイヤーを担当しており、まず上がってきた事象を確認し、必要に応じて先輩方と相談しながら対応しています。
通常、同時にさまざまな仕事を担当しているため、タスクについては抽象度が高いものを細分化することを心がけています。具体的な作業レベルまで落とし込んでから実行することで、「あと何をすればいいかを考える」のではなく、「作業を順番にこなしていく」という状態にできます。そうすることで、切り替えの負担も軽減できます。

――チームミーティングと1on1という言葉が出てきましたが、それぞれで話されている内容やミーティングの違いなどがあれば教えてください。
チームミーティングでは、チームメンバーと具体的にプロジェクトがどこまで進んだのか、どのように進めていくのかといった話し合いを中心に行っています。一方、上司との1on1では、自分が一個人としてどういうエンジニアになりたいのか、どのようなキャリアを歩みたいのか、目標設定などの部分も含めてお話ししています。
――ロードバランサーの開発・運用・保守というのは、私たちが普段スマートフォンやPCで使っているWebサービスの裏側でどんな役割を果たしているのか教えてください。
私たちが普段ウェブサイトにアクセスした際に、もし特定のサーバーだけにアクセスが集中すると、サーバーがダウンしてページが表示されなくなってしまいます。ロードバランサーはトラフィック※を整理することで、どんなに多くのユーザーが同時に利用しても、安定してサービスが使える状態を維持する役割を果たしています。
※トラフィックとはインターネットやネットワーク上を行き交うデータ量や、Webサイトへのアクセス数のこと
――大学院ではネットワークに関する研究をされていたとのことですが、その学びは今のお仕事で具体的にどう生きているのでしょうか?
大学院時代の研究では、ネットワークの通信フレームワークやセキュリティ問題を解決する仕組みを作っていたのですが、その際に扱っていた技術やツールは現在の業務で使っているものとほとんど変わりません。大規模なユーザーにサービスを安定提供するという目的も共通しています。ギャップとしては、コードを書く時間の他に資料作成や文書作成といった事務的な作業が意外と多い点ですね。
――モチベーショングラフに「自ら手を挙げて学びのある業務を担当」とある通り、楽天グループでは若手でもチャレンジの機会があり、新しい技術について意見を求められることもあると伺っています。実際に自分の考えを発信できた場面や、それがチームで生かされたエピソードがあれば教えてください。
楽天グループには希望する業務に手を挙げて挑戦できる文化があり、現在、私も希望した業務を担当しています。また、新しい技術について最近まで研究していたため、チームから意見を求められることも多いです。その際に自分の考えを発信し、どのように活用できるかを検討しています。

――続いて、「アドバイスを得てモチベーションが上昇した」とありますが、楽天グループでは週ごとの1on1で上司からフィードバックを受けられるという点が魅力と伺っています。そういった仕組みはご自身の成長にどうつながっていると感じますか?
上司との1on1では、仕事の優先順位のつけ方やタスクの進め方について相談しています。業務が重なりプレッシャーを感じた際に、タスクを細分化して優先順位を整理し、上司への相談時に、背景・課題・どこまで対応したか、そしてそれに対してどう対応するかの選択肢を言語化して伝えるようにしていました。これにより、先輩から適切なアドバイスをもらい、スムーズに解決することができました。この「選択肢を整理して理由づけする」という思考は、エンジニアとして非常に重要だと感じています。
一人で抱え込まずに、経験のある方から具体的なフィードバックをもらうことで、マルチタスクを効率的に処理するスキルを身につけました。自分なりのやり方だけでなく、メンターのやり方も参考にしながら、自分に合った働き方を模索できる環境が、今の成長を後押ししてくれていると思っています。

――「このアドバイスがすごく自分に刺さった」というものがあれば教えてください。
上司に一度言われたのは、「すごく遅くまでかけて100%でやるよりは、早い段階で見せてくれた方が改善の回数を増やせるから、例えば60%ずつ終わらせるという形で、段階的にたくさんフィードバックをもらえる状況を自分で作れるようにするといい」ということです。これはとても印象に残っています。
――続いて、学生時代のモチベーショングラフに移りたいと思います。大学院に進学される際に、就活するか迷われていたようなのですが、就職と進学それぞれに対して感じていた魅力と、逆に不安に感じていたことを教えてください。また、最終的な決め手があれば教えてください。
学生時代は、情報技術全体を広く知っているだけで、突き抜けた強みがないと感じていました。何も強みがないまま入社して、働きながら学んでいくよりも、大学院で専門性を深めてから入社した方が、より高いバリューが出せると考え、進学を決めました。進学に対する不安や懸念点はあまりありませんでした。大学院で技術力を高めてから現場に出ることで、早期の成長が見込めると判断したのが、進学の決め手です。

――大学院ではセキュリティ等について研究されていたとのことですが、小さな頃から興味があったのでしょうか?
幼少期は情報技術全般に興味がありましたが、ネットワークは人からは見えないけれど、プラットフォームのベースになるということで、「縁の下の力持ち」といいますか、影で支えるという部分にすごくかっこよさを感じていました。大学時代にそういった魅力を感じて、セキュリティやネットワーク分野の専門性を高めようと意識し始めました。
――研究を経た上で就活されたとのことですが、研究を開始する前から就活を見据えて研究内容を選ばれていたのでしょうか? また、研究しながら差別化を図るために意識されていたことがあれば教えてください。
研究内容自体は、先ほど言った通り、企業ですでに使われている一般的なツールや、企業でもそのまま生かせるような実用的なものをベースに研究していました。さらに差別化を図るために、学生時代から長期インターンにも参加し、実際の会社のネットワークプラットフォームの構築や管理を任せてもらっていました。研究という理論的な裏付けと、インターンでの実務経験の両輪を揃えることを意識していました。
――就活では大手通信企業、インターネット広告企業、SaaS企業、Webサービス企業など幅広く見られていたそうですが、その中で楽天グループを選んだ決め手は何だったのでしょうか?
楽天グループを選んだ決め手としては、国際的な視点とスピード感です。私は国際的な家族構成で異文化交流に関心があったため、楽天グループの社内公用語が英語である点や、世界的に成長している環境に強く惹かれました。さらに、仕事のスピード感や大規模なトラフィックを扱える環境が自分のやりたいこととも最もマッチしていたため、楽天グループを選びました。

――楽天グループの企業内ではダイバーシティが進んでいるとお聞きしましたが、その多様性ならではの難しさがあれば教えてください。
さまざまな海外の従業員と関わることが多いので、国によって性格や背景が結構変わってきます。例えば、チーム環境でのリーダーシップの取り方は国によって様々だったりしますが、「そういうリーダーシップの取り方をすると人がついてくるんだな」というように、新たなプラスの学びになることも多いです。多様なバックグラウンドを持つメンバーとよいチームを作っていくために様々な視点を持つことは重要だなと思っています。
――続いて、エントリーシートについてお聞きします。エントリーシート作成当時に最も気をつけていたポイントがあれば教えてください。
エントリーシート作成時には、企業が求める人物像と自分の強みの重なる部分を明確にすることを意識していました。コーポレートサイトや採用情報を読み込んで、実際に説明会にも参加して、現場の社員から話を聞いて、求める人物像の解像度を高めていました。そこに自分の性格や、ネットワークの研究経験、インターンでの実務経験を紐づけて、説得力を持たせるように工夫していました。

――企業が求める人物像について研究されていたとのことですが、どのようにして解像度を高めたのか、具体的な方法があれば教えてください。
説明会や長期インターンに参加して実際に働いている人を見ることで、成果を出している人の人間性や働き方を確認しました。それが自分の人物像と合っているのか、なりたい人物像がしっかりと一致しているのかを確認しながら、企業研究を進めていました。
――企業研究を進める際に情報をたくさん集めていたと思いますが、情報を整理する方法や、気をつけていたポイントがあれば教えてください。
まず、「自分はこういう人間として働きたい」というリストを事前に作っておきます。そして、いろんな会社を見て企業が求める人物像をリストアップして、その会社がどれだけ自分のなりたい人物像に当てはまっているかをきちんと取捨選択していって、決めていくという形をとっていました。
――「自分がどのような企業を求めているか」を知るためにやっていたことがあれば教えてください。
私がやっていたのは、幼少期の成功体験や、自分がどういうことができた時に嬉しかったのか、その時に自分がどのようなテンションだったのかを、なるべくリスト化してみることです。それが一番当てはまる会社なら、自分が常に高いテンションで、成功した時のモチベーションを高めながら仕事ができると思うので、まず自分の過去を振り返りながら成功体験とその時のモチベーションを整理するということを行っていました。
簡単なものだと、例えば部活でレギュラーになるとか、部活で試合に勝ったときなどです。研究の成功体験だと、大きい課題を細かくまとめて、自分で一個一個対応できたときなどがあります。これは例えば、自分が今楽天グループのインフラエンジニアとして、問題を細かく分けて対処するという経験にもつながりますし、幼少期やこれまでの経験を、なるべく業務に結びつく形になるよう考えていました。
――実際に氏家さんが思う、楽天グループの企業理念と最もマッチしていると感じる部分はどんなところでしょうか?
楽天グループのあり方を明確にすると同時に、全ての従業員が理解し実行する価値観・行動指針である「楽天主義」があり、その中でも「スピード!! スピード!! スピード!!」という成功のコンセプトがすごく好きです。やはりAIなどを使い始めてプログラミングをすると、昔ではできなかった速さで物が完成していきます。そういった中でも、他の人よりも早い段階で物事を完成させるということを意識して仕事に励んでいます。
会員登録もしくは会員ログインをするとインタビュー動画をご覧になれます。
――最後に、これからIT業界やエンジニアを目指す大学生に向けて、学生のうちにやっておくといいことや、アドバイスがあればお願いいたします。
エンジニアを目指すなら、長期インターンに参加して実務経験を積むことが一番の差別化になると考えています。技術的な知識はもちろん、「なぜその技術を使うのか」、メリット・デメリットを整理して理由づけする思考プロセスを言語化できるようになってください。未経験であっても、論理的に考えて説明できる力があれば、必ず成長できると思っています。ぜひ、学生のうちから実務に近い環境に触れてみてください。
=====
取材:木村 暖花(ガクラボメンバー)
執筆:田中 妃音(ガクラボメンバー)
編集:学生の窓口編集部
取材協力:楽天グループ
=====



























